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発達性協調運動障害は運動と認知課題の負荷による影響


今回、参考にした論文はこちら↓


雑誌名:Research in Developmental Disabilities
Impact Factor: 3.0

※内容には個人の見解や解釈が含まれます。ご理解の上ご覧ください。



DCD児への運動課題と認知課題による影響


定型発達児と比較して、運動障害や認知障害のある子どもでは運動機能と認知機能が強く相関性があることが報告されている。


発達性協調運動症(以下、DCD)は微細運動と粗大運動、実行機能の障害が認められる。

DCDの発症率は5〜6%程度と推定されており、学童期の子どもにおける一般的な神経発達症とみなすことができる。


DCDは、一般的に年齢層の運動技能の獲得と実行機能の遅れ等が特徴の1つとされる。


DCDに関連する運動障害の根本的な病因はほとんどわかっていないが、脳発達の仮説によれば、脳の構造と機能にばらつきがあるため、行動の結果に差が生じるとされている。


DCDにおける静的姿勢制御に関する研究では、定型発達児と比べてDCD児では認知機能と運動機能の干渉が起こりやすいとされている。


つまり、運動課題に取り組んでいるときに認知的な負荷が加わると、その課題を遂行することが難しいという状態である。


また、粗大運動と微細運動の両方ともに対する二重課題に対して、

運動障害や認知的な障害の有無によって、

二重課題のパフォーマンスに違いがあることを示唆する研究が多数見られる。



本研究結果においても、認知的課題と運動課題による二重課題を行うと、

それぞれが干渉し、認知課題、運動課題ともに悪い結果となった。


対象となった定型発達児とIQを比較しても大きな差はなく、これには神経制御における未発達さが示唆される結果であった。


DCD児は、特定の脳領域(特に小脳や前頭前野、頭頂葉、線条体)ではなく、


複数の拡散的な脳領域の活動を示し、その結果運動と認知面の障害につながっていることが示唆された。


まとめ


  1. DCDにおいて、微細運動と粗大運動の制御技能において、二次的な認知課題の影響を受けやすく、運動や認知機能の自動化が進んでいないことが示唆された。

  2. 運動課題と認知課題が複合して付加される環境下ではDCD児の運動パフォーマンス、認知的な理解は低下して表出されるかもしれない。



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