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【第23回】誰が上司になるかは「予測不能」

近い将来、自分の上司が代わるとしたら誰になるのか、予測することはほとんど不可能です。

以前勤めていた職場で、隣の部署に新しいマネージャーが異動してきた時のことです。

たまたまそのマネージャーのことを良く知る後輩が、「あの人、少し癖があるんですよね。どうも素直についていけないというか、あまりお近づきになりたくないなあ」

と話すのを聞いていたので、気を付けていました。するとある日、外出した帰りに偶然一緒になってしまいます。

「仕事のほうはどう?うまく行っている?」マネージャーは気さくなところもあって、気軽に話しかけてきます。

深入りしたくなかった私は、何となくよそよそしいというか、不愛想ともとれる、歯切れの悪い応対に終始しました。

おそらく、その時の私に対する印象は、決して「良いものだった」とは言えないでしょう。

すると間もなく、社内で急な人事異動の発表があり、何と、そのマネージャーが直属の上司となってしまったのです。

「しまった。あの時もう少し気の利いた返事をしておけばよかったのに。どうしよう……」内心穏やかではありません。

直接話した範囲では、それほど癖があるとは思えず、後輩の情報を鵜呑みにした自分を責めたりもしました。

幸いにも、日々仕事をする中で、その上司が大きな障害になることはなく、比較的良好な上下関係が維持できました(上司がどう思っていたかは、知る由もありませんが……)。

会社という組織の中で仕事をしている限り「いつ何時、誰が自分の上司になるか」は予測できません。

「想定外」のことも起きてしまいます。従って、常日頃から「不測の人事」に備える必要があります。

昨今は、役職定年などの影響もあってか、後輩や元部下が上司になってしまうケースもあるようです(心情的には結構きついですね……)。

人によっては、諸事情あるとは思います。されど、いきなり「悪い印象を与えてしまう」のは得策ではありません。

社内にいる社員は皆、役職や年齢に限らず、同僚や後輩、部下も含めて「明日は我が上司」「どこかで私の上司」と考えてみる価値はあるのではないでしょうか。
 
         次回につづく(毎週火曜日に投稿予定)

(本文は、弊著『なぜ職場では理不尽なことが起こるのか?』<幻冬舎ルネッサンス新書>より一部抜粋編集し、シリーズ化したものです)

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