【よいこのみんなへ】

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みっくじゃぎー

【ショートショート】『怖いもの知らずの男【Z】』https://note.mu/naseem_ou812/n/ndfbd8396f748

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Z氏は退屈していた．．．

「つまらん．．暴れたいぜ．．」
豪邸のソファーに一人座って、Z氏はぼやいた。
「つまらん！つまらん！暴れたいぜ！」
そして、Z氏は大声を張り上げた！
「おーい！ティト！！」
その豪声を受けて、タコと人間の中間の様な生物が、慌てながらZ氏のもとに走って来た。
「何でしょうか！Z様。」
そのティトと呼んでいる生物にZ氏は言った。
「おい、ティト！ここは退屈でたまらん！何か刺激になる事はないのか！」

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神様に挑んだZ氏が火星に飛ばされてから半年、火星はZ氏に制圧されていた。
タコの様なフニャフニャな生き物が、凶暴なZ氏に敵うはずもなく、火星人達はZ氏に奴隷同様にコキ使われていた。
Z氏は火星人達にドーム型の豪邸を作らせて、地球にいた頃と同じ様にやりたい放題に暴れ回っていた。

Z氏のしもべのティトは、怯えた様子で答えた。
「はい！Z様！どの様な刺激をお求めでしょうか！」
Z氏は即答した！
「決まっているだろうが！腕っぷしの強い奴と戦いたいんだ！どこかに俺の相手になる奴はいないのか？」
ティトは困り顔で答えた。
「Z様．．我々は争いを好みません．．我々は譲り合いを美徳としております」
それを聞いたZ氏は突然、怒り出した！
「くだらん奴らだ。譲り合ってどうするんだ！この世は奪い合いだ！」
ティトは震えながら答えた。
「す、すみません、Z様！しかし、譲り合いの精神こそが我々のリーダー【ウェシマ】の教えなのです」
「なに！そんなくだらん事を言ってるウェシマって奴を連れてこい！」
「は、はいー！」
ティトは慌てて部屋を飛び出した！

「ヤ～～！」
Z氏の前に現れたウェシマは、両手を開き、胸の前で指をZ氏の方に向け、両手の位置を前後に少しずらして、火星流の挨拶をした。
Z氏はソファーに寝そべったまま、ウェシマに言った。
「お前か、ウェシマってのは？」
ウェシマは満面の笑顔で答えた。
「いや～、Zさん！クルリンパ！」
Z氏はいきなりソファーから立ち上がり、ウェシマの胸ぐらを掴んで、窓から豪邸の外に投げ飛ばした！
「ギャーーーーーーーーーーーーーーーーーー、うったえてや．．」
ウェシマは叫び声と共に遠ざかって行った．．
ティトは叫んだ！
「Z様！何をなさるんですか！」
「うるさい！俺様に逆らうのか？」
「い、いや．．そんな．．．」
Z氏は再び、ソファーに寝そべり呟いた。
「やっぱり、俺様のライバルはアイツだけか．．」
そして、ティトに言った。
「おい、ティト！奴をおびき寄せる建物を作るぞ！火星人達を集めろ」

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「Z様．．これは何でしょうか？」
ティトは完成した建物を見ながら聞いた。
Z氏は腕組みして、その建物の出来に満足した様に頷きながら答えた。
「なかなかだな．．これが奴の住処の神社と言うやつだ」
「あの、【奴】とは、どなたでしょうか？」
Z氏はティトの質問に答えず、「よし」と呟き、突然、走り出した！
そして、出来上がったばかりの神社を破壊し始めた！
それを見たティトが、怯えながら叫ぶ！ 
「Z様！何をなさるんです！仲間がせっかく作ったのに！」
Z氏は、ティトの言葉に耳を貸さず嬉々とした表情で暴れまわっている。
「ガッハッハッハッ！神様とやら、悔しかったら俺様と勝負しろ！ガッハッハッハッ」

そして、神社を破壊しつくしたZ氏はティトに言った。
「おい！今日はここで宴会だ！皆を集めろ！」

「は、はい！かしこまりました．．」

久しぶりに暴れまわったZ氏は、心地良い疲れを感じて、その場でぐうぐうと眠りに落ちてしまった．．．

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目を覚ましたZ氏は、爽快な気分．．．では無かった．．．

「なんだ、ここは．．狭くて、暗いな．．」

Z氏の耳に、緊張感のある、女性の声が聞こえてきた。

「はい、もう少し、いきんで下さい！大丈夫ですよ～、はい、ひっ、ひっ、ふ～」

Z氏は、自分のいる場所がどこか理解した．．

「ほう．．なるほどな．．もう一回、やり直しって訳か．．奴の考えそうな事だぜ」

Z氏は、うっすらとした光を感じながら、すでに神様と戦うためのプランを考え始めていた．．．．

【劇終】

監督、脚本／ミックジャギー／出演、Z氏役．カラー・キーン、ティト役．フェリックス・トリニダードトバゴ３世