記事一覧
コンサートを止めるな 井村屋の決断
9月4日は「クラシック音楽の日」なのだそうです。まったく意識していませんでしたが、私はこの日、あるコンサートに出かけました。9月から10月にかけて全国で開催される「日露交歓コンサート2021」(国際音楽交流協会)です。私の暮らす津市から今年の全国ツアーが幕開けました。
パンフレットに記載されたこのコンサートの目的は「気軽に一流のクラシック音楽に触れる機会を、日本の隅々にまで提供する」。2021年
10年たってもできること 釜石と心をつなぐカメラマン防災士 三浦寛行さんの言葉
2021年3月11日。きょうは東日本大震災から10年の節目を迎える日です。報道機関に勤務して30年の年月が流れる中で、さまざまな災害を見てきました。とくにこの東日本大震災や阪神大震災については、さまざまな形で取材をしたり、関連する原稿を書いたりすることもありました。岐阜支局に勤務していたころ、毎年岐阜市内の信用金庫で東日本大震災の被災地を紹介する写真展を開いている写真家がいると聞いて、取材をお願い
もっとみる木曽川越える「トキトキ」 今も変化する方言
「トキトキ」という方言があります。意味が分かる方は、愛知県の名古屋近辺に暮らす人か、過去に暮らしたことがある人かもしれません。擬声語(オノマトペ)の一つで、「鉛筆などを削ったときに、先が鋭くとがった状態」を指す言葉です。言葉の用例としては「明日の試験に備えて、鉛筆、トキトキに削らんといかんよ(いけないよ)」といった具合でしょうか。この「トキトキ」には類語もあって「トッキントッキン」という場合もある
もっとみるよその人も「ぜんぜのこ」作りませんか? 岐阜県飛驒市の試み
皆さんは「ぜんぜのこ」をご存じですか。岐阜県の最北端、飛驒市で宴会や祝いの場で歌われる民謡です。席に居合わせた参加者が、7・7・7・5の字数となった歌詞を歌います。どんな風に歌われているのでしょうか。ちょうど私が参加した会合のようすを飛驒市役所が撮影し、公開しています。
https://www.youtube.com/watch?v=VVp0EPGjH3c&t=1s
映像ではややわかりにくいで
2個54万円の岐阜県産の柿、高値の背景
10月26日は「柿の日」です。俳人の正岡子規がこの日、奈良での旅行で「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」を詠んだとされたことから定められたといいます。今年の10月26日、愛知県豊山町の名古屋市中央卸売市場北部市場で岐阜県産の高級柿の初セリが行われ、取材に向かいました。セリでは最高ランク品に2個54万円(税込み)の値が付きました。贈答用でも柿にこんなに高い値段は付きません。関係者は「柿の取引価格としては史
もっとみる岐阜市の鵜飼、豪雨と人手不足に悩む
岐阜市の夏場の観光の見どころの1つが、毎年5月11日から10月15日まで市内を流れる長良川で繰り広げられる「ぎふ長良川鵜飼(うかい)」です。1300年を超える歴史があるとされ、織田信長も客人に鵜飼いを見せてもてなし、松尾芭蕉も鵜飼を見物したことがあるといわれます。かがり火のもと、鵜匠(うしょう)が鵜(う)を操り、鮎(あゆ)などの魚を捕らえさせます。ただ、今年は記録的な客足の落ち込みに見舞われまし
もっとみる方言の可能性を考える~実践方言研究会を聴講して
10月13日、岐阜市の岐阜大学で「第3回実践方言研究会」が開かれました。方言によるコミュニケーションの効果や地域活性化への取り組みを研究者が発表するというものでした。日ごろ言葉を使って仕事をしている者として興味があり、足を運びました。2人の研究者が発表し、大阪教育大学の櫛引祐希子准教授の言葉がまず耳に残りました。
櫛引准教授は、宮城県名取市の東日本大震災の被災地で、方言を使った文集や劇などで仮