くじらの瞳

自分の為に綴ったノート、投稿することで風の通り道作りたいです。 ゆっくりと置かせて下さ…

くじらの瞳

自分の為に綴ったノート、投稿することで風の通り道作りたいです。 ゆっくりと置かせて下さい。皆さんの記事を読むと世界が広がり楽しみの一つです。

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夕焼け色の心映

悲しみを帯びたビロード貼りの夕焼けは 風と共に塩の焦げた匂いを運んでくる 白い能面の凍りついた緊張 万華鏡の様に変わる感情 その裏側 嘆きをはらんだ怒りの前で心を砕…

くじらの瞳
10か月前
59

詩│青い小舟

月の御池に葉っぱが落ちた おもて、うら、うら、うら、おもて 湖畔に浮かぶ ひとつ、ふたつの葉っぱが浮かぶ 月も浮かんで揺れました 花占いはもうしてないの 薄暑に…

くじらの瞳
10時間前
8

詩│丸まる背中

不器用な雨がしとしとしとしと 降る夜は 猫のように丸まって眠りたい 不器用な雨に打たれている あの人を思って 猫の様に丸まってあの人の ぬくもりを思い出す あの人…

3

詩│願い事

願い事 あまたにかがやく詩聖よ あなたにだきしめられて 今宵は眠りたい 言葉たちの 星母子の光が こまやかな粒子の流れとなり ため息まじりな今日でも 明日への …

8

あの笑顔は│短歌12首

曇り空 新茶を淹れて茶畑の 風と香りに深呼吸する 朝市に 目に鮮やかな南国の  イエローフルーツ小夏と文旦 竹林 揺れて少しの五月雨を 風が鳴らして夏風呼ぶよ 憧れの…

8

詩│六等星の願い事

カーネーションの装飾が華やかな 昼間のデパートには 遠のいた君の心を つなぎとめておくロマンチックな 言葉は売ってはいなかった 何処を探しても見つけられない 可…

14

詩│夢の国

明日から天気予報は雨 雲が薄墨のように滲み広がっていく 仕事帰りの車、渋滞の向こうの空 夕日が雲間を照らして 薄明の銀色の梯子を降ろしている カーラジオからはゆっく…

15

息吹の風琴│短歌13首

木漏れ日の五月緑の坂道を 少年の自転車風となる 花終わり みどりの種、藤見上げれば 残り香の風と五月晴れ クローバーの柔らかで 長く伸びたそよぐ手に包まれ寝転んで …

くじらの瞳
11日前
9

詩│ゆれる

あなたの好きだった花が 水面にゆれる 雨粒に輪を描き 水玉の涙 広がる あなたの好きだった花が 水面にゆれる 木漏れ日に重なり 微笑みゆれる あなたの好きだった花…

くじらの瞳
12日前
14

詩│五月雨の午後

夕刻の雨の匂いを風運ぶ 嵐の雨でも優しい歌よ 五月雨が 雨に打たれて雨粒を ゆっくり落として 跳ね返る 五月の木の葉は鍵盤の音 藤の花 川面に映り流れ行く 水鏡に映る…

くじらの瞳
2週間前
16

詩│君に届け

午後五時の チャイムの音は 恋は水色 夕暮れ前の白銀の光が 川の表面を撫でながら キラキラサラサラと流れる 五月の川辺は眩しくて 川の深さを忘れます 青い空には…

くじらの瞳
2週間前
13

詩│その手いっぱいの春

春の植物園 木々や草花笑ってる 閉め切ったままだった 北の窓を開けたかのように 心の中をあたたかな風が吹く 蛇行しながら歩く子供のように 緑深まる芝山を歩いてい…

くじらの瞳
2週間前
12

白い海原

時雨、時雨て 夕刻に霧雨が止んだ 子供の鼻詰まりが苦しいというので 耳鼻科にゆく 昨日まで両方の鼻の穴に詰めていた 白いティッシュ 沢山の息吹と鼻水と鼻詰まり …

くじらの瞳
2週間前
6

詩│シャボン玉の恋を

何故言えない 自分の拙さ 砂利道歩き 口唇を噛む ラジオから 甘ーいラブソング 真顔で聞いて せんべいの音が 響く夜 心を砕いて恋すればだれもかも 辛いこともあるよ…

くじらの瞳
3週間前
15

七色の雨

春の雨 燦々と七色に光る 春の雨 サラサラと公園の 滑り台を滑り落ちる 瞬き 消え失せ また流れ 光りの流れを纏わせて 雨にうたれても傘をささなかった あの頃を …

くじらの瞳
3週間前
9

詩│空色の目

空色の目は模様を変える そこにいる誰かを映して 空色の目でみる水たまりに映る自分 石を投げて散らす 花びらが落ちてゆれる 雨が落ちて波打つ輪 空色の目は模様を変…

くじらの瞳
3週間前
12
夕焼け色の心映

夕焼け色の心映

悲しみを帯びたビロード貼りの夕焼けは
風と共に塩の焦げた匂いを運んでくる
白い能面の凍りついた緊張
万華鏡の様に変わる感情
その裏側
嘆きをはらんだ怒りの前で心を砕かれる
悪夢

あなたという夕焼け色のあたたかなイメージ
風に乗って香り立つ
悪夢も夕焼け色に染まりつつ
深い海に溶けて沈む
遠い海の向こうでは血気盛んな者達が
夕日の海を渡って行く

映る心 映る心
映る波に夕日も揺れて
ある空 夕焼

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詩│青い小舟

詩│青い小舟

月の御池に葉っぱが落ちた

おもて、うら、うら、うら、おもて

湖畔に浮かぶ

ひとつ、ふたつの葉っぱが浮かぶ

月も浮かんで揺れました

花占いはもうしてないの

薄暑に木陰を探す

新緑から深い緑に

おもてもうらもただ青く

あの山という山を

あの河という河を

渡ってきた鳥の群れ

梢にとまった

青い小舟を浮かばせて

おもて、うら、うら、うら、おもて

好きか嫌いか 嫌い 嫌い 好き

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詩│丸まる背中

詩│丸まる背中

不器用な雨がしとしとしとしと
降る夜は

猫のように丸まって眠りたい

不器用な雨に打たれている
あの人を思って

猫の様に丸まってあの人の
ぬくもりを思い出す

あの人の泣き言を

背中越しに聞いている

あの人の泣き言は

背中ごしでも愛おしい

ただ、こんな私が触れていいのか
戸惑う程の清い背中を感じていた

どうか
あの人の背中が真っ直ぐに伸びて

朝焼けが優しく照らしてくれますように

詩│願い事

詩│願い事

願い事

あまたにかがやく詩聖よ

あなたにだきしめられて

今宵は眠りたい

言葉たちの

星母子の光が

こまやかな粒子の流れとなり

ため息まじりな今日でも

明日への

言葉をつづり、織り成して

銀のベールを、やさしくかけて

________________________________

五月の新緑の光は聖母の輝きを放って
包まれてとても幸せだった。
そのとき届いたポエムを夜に読み

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あの笑顔は│短歌12首

あの笑顔は│短歌12首

曇り空
新茶を淹れて茶畑の
風と香りに深呼吸する

朝市に
目に鮮やかな南国の 
イエローフルーツ小夏と文旦

竹林
揺れて少しの五月雨を
風が鳴らして夏風呼ぶよ

憧れの
豆からひいて飲むコーヒー
今は一緒に君と飲めたら

大人でも
でっかいケーキを笑い合い
無邪気に食べるクリームつけて

満月の
知らせが届くさりげなく
夜風を感じ君を見上げる

君が歌う
希望の歌をあの場所で
あの浜辺まで車飛

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詩│六等星の願い事

詩│六等星の願い事

カーネーションの装飾が華やかな

昼間のデパートには

遠のいた君の心を

つなぎとめておくロマンチックな

言葉は売ってはいなかった

何処を探しても見つけられない

可愛いキッチン用品

最新のマッサージ器

流行りの多肉植物

私の気持ちを一時軽くしてくれた

私も一時だけでも君の心を

軽く出来たならいいのだけれど

明るすぎる夜の街

少し離れた工場地帯

車のヘッドライトが近づいては遠

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詩│夢の国

詩│夢の国

明日から天気予報は雨
雲が薄墨のように滲み広がっていく
仕事帰りの車、渋滞の向こうの空
夕日が雲間を照らして
薄明の銀色の梯子を降ろしている
カーラジオからはゆっくりと流れるはじめて知った歌手の澄んだ歌声
住宅地前の交差点に入ると下校途中の子供らが見える
あのこの顔が浮かんで
親しい友人の顔も浮かんだ
ゆっくりと帰ろう
薄明と銀色の梯子をみながら
あなたをおもった
雲間の光に顔が浮かぶよ
きっと笑

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息吹の風琴│短歌13首

息吹の風琴│短歌13首

木漏れ日の五月緑の坂道を
少年の自転車風となる

花終わり
みどりの種、藤見上げれば
残り香の風と五月晴れ

クローバーの柔らかで
長く伸びたそよぐ手に包まれ寝転んで

少女らは 
シロツメクサの花束片手に
蝶々になって駆け回る

五月の楓
木洩れ日きらきら
小さき青葉の星空まぶしい

風にとかした長い髪
耳まで切って
きみを待った日の潮騒聞く

青嵐
花水木をさらりとさらって
新緑を揺らしこいの

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詩│ゆれる

詩│ゆれる

あなたの好きだった花が
水面にゆれる

雨粒に輪を描き
水玉の涙 広がる

あなたの好きだった花が
水面にゆれる

木漏れ日に重なり

微笑みゆれる

あなたの好きだった花が
水面にゆれる

わたしの心を優しくゆらす

詩│五月雨の午後

詩│五月雨の午後

夕刻の雨の匂いを風運ぶ
嵐の雨でも優しい歌よ

五月雨が
雨に打たれて雨粒を
ゆっくり落として
跳ね返る
五月の木の葉は鍵盤の音

藤の花
川面に映り流れ行く
水鏡に映る心は魅せられて
ただ揺れていた

驚いて
吸い込まれるは滝の音
白い光を織り成して
いつのまにまに大海原へ
深く豊かな海となれ

白い紙と
ペンで作った小舟を浮かばせ
あとは風に吹かれて進む
それだけでいい
幸せのイメージにつつま

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詩│君に届け

詩│君に届け

午後五時の

チャイムの音は

恋は水色

夕暮れ前の白銀の光が

川の表面を撫でながら

キラキラサラサラと流れる

五月の川辺は眩しくて

川の深さを忘れます

青い空には鯉のぼり

青い青い鯉のぼり

少年だった君の笑顔に

光る影

柳の優しい木陰で読書する人

その横を

マラソンランナー風を切る

五月の川辺は無口ですが

進んで行きます

木々の緑に日が差して

冴えわたる緑の光明と

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詩│その手いっぱいの春

詩│その手いっぱいの春

春の植物園

木々や草花笑ってる

閉め切ったままだった

北の窓を開けたかのように

心の中をあたたかな風が吹く

蛇行しながら歩く子供のように

緑深まる芝山を歩いていけば

黄色の蝶々も足にまとわり戯れる

(君と楽しくお話したいのよ)

タンポポの白いドームが可愛くて

フ―っと息を吹きかける

歩けぬ草花も風と共に旅をする

大きなくすのきの下で

あの子の帽子は裏返り

木の葉や花びら

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白い海原

白い海原

時雨、時雨て 夕刻に霧雨が止んだ

子供の鼻詰まりが苦しいというので

耳鼻科にゆく

昨日まで両方の鼻の穴に詰めていた

白いティッシュ

沢山の息吹と鼻水と鼻詰まり

花曇りの街角は

くれてゆく

ゆっくりとくれてゆく

時雨明けの春宵は

鳥たちと虫の声少しずつ

合わさって

くれてゆく 

ゆっくりとくれてゆく

なめらかな山並みの上を

白い霧が昇る

くれてゆく 

ゆっくりとくれ

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詩│シャボン玉の恋を

詩│シャボン玉の恋を

何故言えない 自分の拙さ
砂利道歩き 口唇を噛む

ラジオから 甘ーいラブソング
真顔で聞いて せんべいの音が
響く夜

心を砕いて恋すればだれもかも
辛いこともあるよね 
知ってる なのに
この恋心捕らわれ
手放せなくなる それも辛い

心を踊らせてよ私の手を取って
水平線の見える海辺で
さざ波の音だけで心を踊らせて

心の言葉はシャボン玉

シャボン玉とばそう

シャボン玉とばそう

わたしの

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七色の雨

七色の雨

春の雨 燦々と七色に光る

春の雨 サラサラと公園の

滑り台を滑り落ちる

瞬き 消え失せ また流れ

光りの流れを纏わせて

雨にうたれても傘をささなかった
あの頃を

思い出す

なんどもやり直せるような

そんな雨に燦々とうたれて

焦りや悲しみ、自意識さえも

流れて七色に光れ

風に広げる 真っ白な

シャツを晴れた日に干し上げたら

春の雨

濡れたまま自転車をこいで

春の夢うつつ

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詩│空色の目

詩│空色の目

空色の目は模様を変える

そこにいる誰かを映して

空色の目でみる水たまりに映る自分

石を投げて散らす

花びらが落ちてゆれる

雨が落ちて波打つ輪

空色の目は模様を変える

そこにいる誰かを映して

空色の目は模様を変えるのに

そこにいるあなたは消えてくれない

曇天にも晴天にも嵐にも

こたえてくれるのは山びこか

歌しかしらないかのようなあなた

わたしを何処へと聴いても

にゃーと泣

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