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がん教育の現状

毎年10月は「ピンクリボン月間」と呼ばれ、乳がんに関する正しい知識の普及、乳がん検診の受診を通じた早期発見・早期治療の啓発を目的として様々なキャンペーンが全世界的に展開されます。

今年も例外ではなく、ニュートラジェンが関りを持つ兵庫県三田市にある「そもそも、がんにかからないこと」、つまり予防の重要性を発信するNPO法人においても、講演会が開催されました。

今、日本人に約2人に1人が生涯のうちにがんに罹患するとされています。

学校の学習指導要領に「がん教育」が明記され、2020年以降小学校・中学校・高等学校で授業が始まっています。教科書にもがんが載るようになりました。

学校のカリキュラムに入っているので、教師が教えることになっていますが、都道府県によって差がありますが、外部講師として医療者やサバイバーの方の意見を聞くという取り組みをされているところもあります。

そこで、今回のニュースレターでは、文部科学省の「がん教育推進のための教材」で示された、
がん教育で取り上げるべき9項目

①がんとはどのような病気でしょうか?
②我が国におけるがん現状
③がんの経過と様々ながんの種類
④がんの予防
⑤がんの早期発見とがん検診
⑥がんの治療法
⑦がんの治療における緩和ケア
⑧がん患者の「生活の質」
⑨がん患者への理解と共生

これらを、わかりやすくクイズ形式で学べるようにしたアニメ動画教材の問題を表にまとめました。

何問正解できるかチャレンジ!
小中高生に負けないで!
★★★★★★★★★★★★

問題

(答え)

1- A 細胞分裂の際、遺伝子が傷ついてできた「がん細胞」は毎日多数発生してますが、多くの人が、健康を保つことができているのは、「免疫細胞」が「がん細胞」を見つけ次第退治しているからです。

2- A がん細胞は死なない細胞で、1個が2個、2個が4個と倍々ゲームのように増殖を繰り返して塊になっていきます。

3- D 日本は、世界トップクラスの「がん大国」。男性は3人に2人近く、女性は2人に1人に近い割合です。現在、日本人の死因1位はがんで、3人に1人ががんで亡くなっています。

4- A 医療の進歩により今や6割近くのがんは治ると言われています。それには早期発見が重要。

しかし、早期がんは症状を出さないので、定期的な「がん検診」が重要になってきます。

5-   がんの種類、いくつ挙げられましたか? 

がんは、すべての臓器に発生する可能性があります。

6- A 最も死亡数が多いがんは「肺がん」。

がんにかかる人の数の1位は「胃がん」で、女性は「乳がん」が1位。

7- B 20代から50代前半まではがんに罹る人の率は女性の方が多くなっています。

これは乳がんや子宮頸がんがこの世代に多いことが主な原因と考えられています。

8- ABC がんにかかる原因は様々です。

これらのどれか一つが原因となるということではなくいくつかが重なり合ったときに、その可能性が高まります。

ただ、胃がん、肝臓がん、子宮頸がんなどは、細菌やウィルスなどの感染が関わっています。

9- C ①禁煙する、②節酒する、③食生活を見直す、④身体を動かす、⑤適正体重を維持する、

これら5つの生活習慣を実践することで、がんになるリスクが低くなりますが、がんに罹患する可能性は誰にでもあります。

10- D 喫煙はがんの危険性を高めます。

肺がんで死亡する危険性は吸わない人と比べて男性で約4.8倍、女性で約3.9倍です。

11- D がんの種類によって差はありますが、多くのがんは早期発見で9割が治ります。

12- D 早期発見できる期間は、たとえば乳がんでは、がんの大きさが1cm~2cmの状態にある1~2年間しかない。

13- B 検診で見つかるがんは早期発見の場合が多く、がんが治る可能性も高くなるなど、がんについて正しく理解して多くの人が積極的にがん検診を受けることが望まれています。

14- ABC がんを手術で切除する手術療法、放射線を当ててがん細胞を死滅させる放射線療法、抗がん剤などの薬を服用あるいは点滴・注射するなどしてがん細胞の増殖を抑える化学療法が治療の三つの柱です。

また、直接がんを治療する三つの柱の治療法以外にも、心と体の痛みを和らげる「緩和ケア」も行われます。

15- AB 白血病以外の塊を作る「固形がん」を完治させられるのは、手術か放射線治療で、多くの場合、両方とも同じくらいの効果を持っています。

16- C 主治医が十分な説明をしたうえで、患者の同意に基づいて治療方針を決定します。

17- A 病気になると痛みが出たり辛い気持ちになったりします。それらを少しでも和らげてなるべく普段どおりの生活を送れるようにする助けをするのが緩和ケアです。

18- ABCD 心の痛みは人それぞれ。だからこそ、緩和ケアは、がんと診断されたときから適切に行われるべきものです。

19- ABCD 大切なことも人それぞれです。

がん治療は単に病気を治すだけでなく、治った場合にもがんにかかる前と同じような生活が送れること、治療が長引く場合でも自分らしく生きられるようにすることが大切です。

20- C 患者ががんとともに歩む気持ちをしっかり持って、自分らしく生きることが大切です。

21- ABCD これも人それぞれです。

人によるけれど、日本人は「これまで通り」と思う人が多いようです。

22- A 簡単には休みづらいのが今の日本。

がん患者を支える仕組みは徐々に整備されつつありますが、いまだ十分ではありません。

誰もが暮らしやすい社会をつくるためにも、がんについて正しく理解することが重要です。

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がんのリスクは誰もが持っています。
しかし、予防することでそのリスクは低くなります。

乳がんでは、がん細胞が約10億個まで増えて直径1cm程度の大きさになるのには10~20年かかります。
ということは、がんを予防する生活は早ければ早いほど良いということです。

学校教育の成果に期待したいですよね。

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