躁鬱と薬物治療の重要な関連性について

悲しい報道がありましたね。憶測で話すのは良くないので、あくまでこちらの件に関してだけ私が感じたことを記そうと思います。
名前は伏せさせていただきますが、どうか安らかにお眠りください。

その方は躁鬱を患っていることは何年も前から明かしていて、夏は特に毎年症状の悪化が酷かったようです。お風呂に入れなかったり、掃除ができなくて部屋が荒れてしまったり、何かやろうとしては上手くいかず涙が出てしまう、そんな症状に私は共感を覚えました。
とても明るく面白くていつも笑顔で見てるこちら側を笑わせてくれるような優しい方だったと思います。そんな方こそ、実は躁鬱を患っていたり、裏ではかなり苦労していて、それでも人前では明るく振る舞ってしまう。だから、他の人からは見えづらく、気付かれにくい、理解されにくいといったこともあったのではないかと思います。私も全く同じなので、痛いほど気持ちがわかります。
躁鬱とのことなので、躁状態では気持ちが軽くなり人間関係も活発になるので、余計に周りから心配されることは少なかったのではないでしょうか。病みやすいけど、すぐ元気になるそんなイメージの方が多いと思います。ですが、これは間違いです。ここから躁鬱についてのみ抜粋してお話したいと思います。

躁鬱とは、躁状態と鬱状態を定期的に繰り返す精神疾患のひとつです。その期間や症状は人によって様々なバラつきがあります。常に心が不安定な状態はかなりきついですよね。
そして何よりも鬱状態よりも躁状態である方が危険であることはご存知でしょうか。一見して、元気になったと安堵することかと思います。それは、本人でも気付きにくくもう治ったかもと思ってしまうことが多々ありますが、躁状態の時こそ慎重に治療をしていくことが必要です。これからその理由についてお話したいと思います。
まず、鬱状態だと本人も苦しいので薬物治療を開始しますよね。前提として、薬物治療の効果を実感できるのは少なからず順調にいっても3ヶ月、薬が合わなければもっと膨大な時間がかかり、合わない薬だと副作用にも苦しむことになり、途方に暮れるような治療であるのです。しかし、躁鬱は鬱病よりも治療・回復が難しく、薬物治療以外で効果的なものは、ほとんど無いでしょう。
躁状態が危険な理由として、鬱状態からの反動でなんでも出来る気がしたり、とにかくやる気に満ち溢れる期間が続きます。そして、何より危険なのが、その躁状態から鬱状態に戻るとき。それまで出来ていたことが出来なくなることで、自己肯定感の低下や自殺願望が悪化してしまいます。
ここで重要なのは、苦しいかもしれませんが、薬物治療は長い目で見ることが大切で、躁状態であっても欠かさずに薬を飲み続けることです。ここで、薬をやめてしまうと、長年薬物治療を続けていればいるほど、それまで薬で補えていた自律神経の安定が無くなり、抑止欲が無くなることで、鬱状態になったときに自殺願望が止められなくなってしまいます。これが、薬物治療を急に辞めてしまってはいけない理由です。辞めるとしても、徐々に様子を見ながら薬を減らしていくといったやり方が一般的だと思います。

ここからは、あくまで私の体験談となりますが、躁状態が危険な理由はもう一つあります。それは、躁状態でも自殺してしまう恐れがあることです。常に、死を考え死と向き合っているような精神状態だと、躁状態でなんでも出来る気がするといった時に突発的に自殺を図ってしまうことがあります。私の場合だと、躁状態ではドーパミンが溢れ出し死を恐れることすら無くなり、死ぬのが簡単に思えます。もっと言うと、鬱状態では死にたいだったのが、躁状態ではいつ死んでもいいといった気持ちになり、明るく楽観的に死を考えてしまいます。すると、死を恐れることが無いので、突発的に今死のうかな!となり、安易に自殺を図ってしまいます。これが躁鬱です。

精神疾患を患っていないとかなり理解しにくいことだと思うので、これを機に躁鬱とはとても厄介な病気であることを理解していただければ幸いです。心の病気とよく言いますが、精神疾患は立派な病気であることを忘れないで欲しいです。
周りに困ってる方がいたら、優しく手を差し伸べてあげてください。一見、平気そうに見えても安心せずに、定期的に様子を見てあげてください。
それで救われる方がきっといます。本人がどんなに死を望んでも生き続けることを諦めないようにどうか根気強く伝えてあげてください。
少しでも多くの命が自ら断たずに済みますように。心から願いを込めて。

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