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小説たち

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ニュイの書いた小説達をまとめています。
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#毎日note

その日、世界の曲線はぐにゃりと曲がって消えた

その日、世界の曲線はぐにゃりと曲がって消えた。曲がって消えたその先の景色は、これまでとは…

鴨川の等間隔の法則

夜になると夏の暑さが過ぎ去って、心地いい風が辺りに吹くようになった。 川床の灯りが水面に…

〜雨の日の出逢い〜喫茶琥珀での出来事2

田舎から都会に出てきて、3ヶ月。 わたし箕田詩織は地方の大学を卒業したあと、 京都のとある…

目つきのするどい勝又くんと、わたし7

勝又くんと会ってからまもなく、長い夏休みが始まった。 本当なら高校生活初めての夏休みは楽…

番外編・勝又くんの憂鬱

皆んなが寝静まったころ… 毎晩窓をそっと開け、ベランダに出ていく。そして冷たい夜風に吹か…

目つきのするどい勝又くんと、わたし5。

勝又くんに会いたい… 勝又くんに会えなくなれば、会えなくなるほど、会いたくて仕方なかった…

するどい目つきの勝又くんと、わたし4。

「勝又くんが好き」 自分のなかでそう意識をしてしまってから、わたしは今までのように気軽に勝又くんと接することが出来なくなってしまった。 いつものように「おはよー!」と、 屈託のない笑顔で話しかけられても、 意識するあまりぎこちなくなり、 「おは…よ」と返事するのが精一杯だった。 恥ずかしくてすぐにそっぽを向いてしまっていたわたしは、もしかしたら素っ気なく映っていたかもしれない。 彼が近づいて来るその足音や気配だけで、心臓が跳ね上がるほどドキドキしてしまう。 身体中がそわそ

目つきのするどい勝又くんと、わたし3

「もう遅いから帰るわよ」 お母さんの呼びかけに、今まで遊んでいた 子ども達が「はーい」と一…

海の見える高台と神様

「このままではダメになる」 そう思った僕は白のサンダルを引っ掛けて、 古びたアパートを飛び…

シャルレ二番館の恋人

「坂下さんを見てるとイライラする」 雨の雫で濡れたわたしの髪を、傘をさしてない方の手で、…

オンライン飲み会

夜の8時、月が空高く登った晩に俺はパソコンの前にいた。 目の前にチューハイとつまみを用意し…

シャルレ二番館のすれ違い

「外に出たい」 まるで地面を突き破って、出てくるセミのように。 外は曇り、気温は20度 いつ…

小説の書き方について

こんにちは! 初めましての方も、 そうでない方もお立ち寄り下さり、 ありがとうございます!…

シャルレ二番館月明りのディスタンス

「月明かりが綺麗ね」 妻の花蓮がそう呟いた。 外を覗くと煌々と空高く、 まんまるの月が登っていた。 「ねぇあなた、少しだけ外の風を吸いに行かない?」 妻に言われそういえば、 随分と家に篭りきりだったことを思い出した。 わたしは妻に「うん、そうしようか」と答えた。 「少しだけ家の周りを歩きましょうよ」 夜風が気持ちいいこんな日には、 思い切り体を伸ばして歩きたい。 そうして、家から飛び出した。 頬にあたる風が心地よかった。 「なぁ、そういえば今度の集