運命という名のもとに第1話

~妄想という名の短編小説~

第1話『はじまり』

ぐちゃぐちゃに書き殴った言葉たち。
握り潰して……ゴミ箱へと捨てた。

想い人というのは、何故にこんなにも切なくさせるのか?

君から貰った手紙も全部、捨てよう。

何のためにくれたのか?解らぬ理由さがしても……、見つかることはなかった。
そう。私は……、紛れもなくフラれたのだ。心にもないことを、被害者ぶって…呟いた。

好きだと……そう想っていてくれていると信じていた相手には、列記とした彼女という奴がいたらしく、そもそも、私という存在は、ただの友だちに過ぎなかったということだ。ま、そんなことも…本当はどうでもいいことだったのだけど…。。。

昼下がり。
私は…いつもの場所で、空を眺めてた。

「今日の空は、何故に、こんなにも明るいの?」

独りであっても、寂しくなんかない。そもそもが、そう、いつもそうだったから、寂しくなんかない。

そして……そのひと時を満喫していたその時だった。

『なーに、そんなに黄昏てんの?』

ふと、聴こえてきた言葉に、ぞっとした。聞かれてしまった?ふと、見上げると……屋上の屋根の下から覗き込んだ一人の女の子が私を見下ろしている。

美咲。高山美咲だ……。やばい。
そう、高校生らしからぬ装いで……いつも、喧嘩しては教室から堂々と『じゃね!』なんか言って…帰って行っちゃう危ないヤツ。その女王登場に……思わず緊張した空気が流れた。

『あ、…はい。』

『はい?マジ。ウケるぅー!』
『もしかしてさ?あんた…、フラれちゃったパターン???笑笑笑笑笑』

『・・・。』

『うわぉ!マジかよ。ごめん。調子乗りすぎた💦』

美咲の放つ……その言葉を他所に、ため息をつきたくなった心を抑えて、私は黙りすることを決めた。

『ねぇ?もうすぐ、日が暮れるけどさ?夕陽ってさ、綺麗じゃね???』

『・・・』
  
負けじとそれでも、話を続けてくる。

『あたしさ?夜は嫌いだけど、日が暮れる前の夕方って……、何だか好きなんだよね。今日も一日が終わる的な???そんな感じがさ。』

『・・・。そう……なん…』

バサッ!!!……え?
反応しようとしたその瞬間、美咲が目の前に飛び降りて来て、不思議そうに私を見つめている。

『あのさ?無理に話を合わせようだなんて、しなくていいんだよ。あたしはさ?ほら、知ってるっしょ?あ・ぶ・な・い・や・つ・♡だからさ?』

そう言って、美咲はありえないくらいの笑顔を振りまいて……その場を去っていった。

何故なのか?無性に頭に焼きついた。最後に見た美咲の笑顔はやけに優しくて、空っぽに干からびた私の心を……少しだけ温かくしてくれたのを今でも憶えている。

それが……はじまりだった。

ほんの数分間に過ぎない出来事だったけど、この出来事が今後の高校生活に大きく影響を与えるだなんて、この時は考えてもいなかった。きっと、明日にはまた変わらぬ同じような明日がきて、また同じような日々を何となく過ごしては、きっと……このまま卒業してくのだとそう思っていたんだ。

この時までは……。そう思っていたんだよ。

詩を書いたり、色紙に直筆メッセージ書いたり、メッセージカードを作ったりすることが好きです♡ついつい、音楽の歌詞の意味について、黙々と考え込んで(笑)自分の世界に入り込んでしまうけど、そんな一時も大切な自分時間です。