今週のアメリカの話

・日本のメディアの勘違いが露呈したアメリカ大統領アイオワ州予備選

日本でも今年のアメリカ大統領選挙についての報道があるがそれらは多少偏見があるのではないかと感じるものが多かった。

今週アイオワ州であったアメリカ大統領予備選の結果は適当なことを言っていた日本のキャスターにとって衝撃的な結果だったのではないだろうか。

なぜなら支持率で常に首位だと報道されていたバイデン氏がサンダース氏やブティジェッジ氏などに負けたという結果が出そうだからだ。

アメリカの大統領選挙制度については

今回のアメリカ民主党の大統領候補はトランプ氏が原因が候補者が多い。毎日のように話題に上がっているがゆえに批判がしやすいのだろう。

候補者が多くさらにロシアゲートなどと言った前回の選挙での疑惑もあってか今年のアイオワ州の予備選はその様相を変え様々な試みをもってその日を迎えた。

しかし、それらのありとあらゆるものが裏目に出たのか集計は遅れ再集計の要望を飛び出し、例年通りでよかったのではなどと批判を浴びる結果となった。

日本ではバイデン氏が民主党から大統領候補になるだろうと言ったような偏見があるかもしれないがブティジェッジ氏やクロブチャー氏はきっとアメリカの報道を見ていれば目に入ってくるような名前だった。

大統領予備選においてアイオワ州とニューハンプシャー州で勝った候補が大統領になる可能性が高いというデータがあるにも関わらず、その州の支持率を見ずアメリカ全土での支持率ばかりに目がいっているのは、日本のメディアがいかにアメリカの選挙制度を知らないかを露呈させるものでその無知から繰り出される報道は大衆のミスリードを招くものだ。

Fake newsという言葉やFact checkなどと言われる今、ネットの識者の方がまだメディアよりも正確な情報をつかんでいるのではないかと疑問を持ってしまう。上辺だけの報道で事象を細部まで把握せず批判だけは一人前でミスリードの責任は不在。まさに無責任の総本山ともいえるだろう。

日本のメディアがいかに悲劇的な惨状に陥っているかがつくづく伺えるアイオワ州の予備選の結果だったと思う。

・大統領弾劾裁判という茶番

トランプ氏の弾劾裁判が無罪という形で幕を下ろした。当然の結果なわけだが逆になぜそこまでして野党である民主党が弾劾裁判を開きたがったのかということが注目される。

今年は大統領選挙を控えているわけだから裁判をひらいて立法府内で叩くよりも選挙で解決を図るのが妥当ではないかと私は考える。

しかし、彼らは上院の過半数を共和党が持っているにも関わらず弾劾裁判を行った。私はこの弾劾裁判自体が民主党有権者と反トランプを考えている有権者へのメッセージだったと考えている。

選挙の結果を左右する中間層へのアピールとしてこの裁判を利用し今年の大統領選挙で勝利しようという目論みだったのだろう。

それほどまでにトランプ氏は強い大統領だったことがわかる。

外交で横暴な態度と言われてきた大統領だが今年の一般教書演説で言っていた成果は上がっている。民主党としてはやはりこれを倒すには個人攻撃に訴え共和党の方向性やトランプ氏の個性と逆の方向に舵を切っていくしかないのだろう。その個人攻撃の1つとしてこの弾劾裁判を行ったのだ。結果を見ると共和党からの離反者も1人か2人程度でどうということもない。むしろ選挙を見据え両党ともに党の個性に寄っていかなければ議員を続けられないという不安もあるのかもしれない。

分断の融和などと言う人もいるがそれは相当難しい話だ。なぜなら双方が純化しすぎて温和な態度をとれなくなっているからだ。

このようなアメリカになったのはきっとアメリカが覇権国になっていしまったからだろう。孤立主義時代のアメリカならなかったことかもしれない。

予備選が始まったことでトランプ氏に誰が挑むのかということも徐々に決まってくるだろう。友好国の1国であり未だ世界に対し多大な影響力を持つアメリカの方向しだいでは属国と揶揄される日本にも自立の兆しが見えるかもしれない。

そのチャンスを見極める政治家たちが気が狂ったように「さくら」に夢中になっているようでは責任不在の官僚政治の独行が進みチャンスを逃すことだろう。今年も日本政治の腐敗の解消へは至る道筋が見えないのが悲しい事実だ。


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