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【BPO】放送倫理じゃないほう

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BPOサービス事業者での日々の体験をもとに、BPOサービスを考察する記事を執筆しています。◯
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記事一覧

システム選定:企業が直面する挑戦と機会

システム選定:企業が直面する挑戦と機会

あらゆる機能に応えるシステムやテクノロジーの開発が進みますが、同時にその数や種類も日に日に多くなり、昨今の社会では、どのシステムの利用が自社に合うのかの判断にも迷いが生じるようになっているようです。使用するシステムの変更タイミングは、それを機会に社内の運用や規定等の見直しをするにもよい機会となり得ますが、これまでの記事では、各システムが新規に採用する機能も、運用イメージに際しては不適切な場合がある

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[BPO] 破壊的ではないイノベーション

[BPO] 破壊的ではないイノベーション

ビジネスの世界においてイノベーションを推進する方法は大きく二つに分かれます。
それは、破壊的創造(Disruptive Innovation)と、非破壊的創造(Nondisruptive Creation)です。これら二つのアプローチは、企業が市場で成功するための異なる戦略を提供します。

破壊的創造(Disruptive Innovation)

破壊的創造は、既存の市場や産業を根底から揺るがす

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プロジェクトを成功させるポイント:品質・コスト・納期のバランス

プロジェクトを成功させるポイント:品質・コスト・納期のバランス

プロジェクトを成功させるためのポイントは、品質、コスト、納期のバランスの見極めにあります。これら三つの要素はプロジェクトを構成する基本的な柱になり、それぞれがプロジェクトの成否に直結しています。しかし、現実にはそれらを全て完璧に満たすことは困難です。プロジェクトを成功させるためには、これらの要素の間で最適な優先順位を設定し、適切な妥協点を見つけることが肝要です。

プロジェクトを構成する三要素【品

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プロジェクトマネージャーの役割

プロジェクトマネージャーの役割

プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの成功を確実にするために不可欠な役割を果たします。この職責は、明確なビジョンの提供から、チームの指導、リソースの管理、関係者とのコミュニケーションに至るまで、多岐にわたる役割を担います。

明確な目標の設定

プロジェクトマネージャーの最初の任務は、達成可能で明確な目標を設定することです。これには、プロジェクトの範囲を定義し、期待される成果を明確にすることが

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【BPO】プロジェクトマネジメントの基本理解

【BPO】プロジェクトマネジメントの基本理解

プロジェクトマネジメントは、ビジネスプロセスアウトソーシング(BPO)業界において、クライアントの期待を超えるサービスを提供するための重要な要素です。プロジェクトマネジメントには「独自性」と「有期性」という二つの特徴があり、それはプロジェクトを日々のルーティン業務とは異なるものとして区別、認識することから始められます。この基本的な理解は、品質管理のプロセスを最適化し、業務改善における可能性を開くた

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価格設定の視点:顧客と市場を中心に決める

価格設定の視点:顧客と市場を中心に決める

事業開発において、価格設定は、成功するビジネスモデルを構築するために検討すべき最も重要な要素の一つです。価格設定を事業開発の中心に置くことで、ビジネスモデルを顧客のニーズや市場の動向に合わせて調整することが可能になります。
持続可能性のある事業にするためには、単に利益を最大化することだけではなく、バランスや柔軟性のある戦略を心掛ける必要があります。それはたとえば、市場と顧客のニーズを深く理解し、そ

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BPaaS提供事業者による内製化支援:SaaS活用への新しいアプローチ

BPaaS提供事業者による内製化支援:SaaS活用への新しいアプローチ

SaaSをはじめとするクラウドベースでのビジネスプロセスをアウトソーシングするサービスをBPaaS(Business Process as a Service)といいます。BPaaS事業者は、SaaS(Software as a Service)などのクラウドベースのソリューションを統合し、労務管理のデジタル化とその実務をサポートします。
これにより、給与計算や勤怠管理、人事管理などのプロセスは自

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バックオフィスBPOサービス選定のための実践ガイド:日本国内の視点

バックオフィスBPOサービス選定のための実践ガイド:日本国内の視点

はじめに
 BPOサービスの利用検討に際して、期待されるものの代表例としては、
・ビジネスプロセスの効率化
・コスト削減
・コア業務への注力
などが挙げられますが、この度は日本国内におけるバックオフィスBPOサービス環境をもとに、利用者側におけるサービス選定時の要件として、「データの処理と保管に関する透明性」の確認を提案します。

日本におけるバックオフィスBPOの現状
 多くのプロダクト開発事業

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【BPOマスタープラン】第1部 - メリットの最大化

【BPOマスタープラン】第1部 - メリットの最大化

※この度は、BPOマスタープランとして、
第1部:メリット
第2部:デメリット
第3部:デメリットの軽減
について、提言します。

BPOの魅力と可能性BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)は、自社ビジネスの効率化と経済的な利益をもたらす可能性を秘めた、魅力的なサービスです。

BPO採用のメリット以下は、BPOを採用する動機となるメリットの例です:

1. 採用費用と教育コストの削減

BP

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【BPOマスタープラン】第2部 - リスクの理解

【BPOマスタープラン】第2部 - リスクの理解

BPO利用の利点とリスクのバランスBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)を利用することには、多くの利点を期待できますが、一方でいくつかのデメリットや懸念点も存在します。これらのデメリットを理解し、適切に管理をすることが重要です。

BPO利用の主なデメリット以下は、BPO利用における主なデメリットの例です:

1. コントロールの喪失

BPO(外部)に業務を委託するため、その業務に関するコン

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【BPOマスタープラン】第3部 - 戦略的アプローチ

【BPOマスタープラン】第3部 - 戦略的アプローチ

BPOのデメリットを軽減するための戦略的アプローチ1部と2部を通して、BPOの利用には、多くのビジネスにおいて効率性とコスト削減をもたらす可能性がある一方で、特定のデメリットが生じる可能性もあることを考えてきました。

この度は、メリットとデメリットへの理解をもとに、 デメリットを軽減するための具体的な対策とアプローチを提案します。

1. コントロールの喪失に対する対策

明確な契約とサービスレ

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BPO再定義:ビジネスを変革する「拡張部署」戦略

BPO再定義:ビジネスを変革する「拡張部署」戦略

オフィスの拡張

従来のBPOサービスの考え方を一新し、それを自社のオフィスの一室を拡張するようなイメージで活用することをお勧めします。このアプローチは、BPOサービス提供事業者を単なる外部サービスとは見なさず、自社の業務プロセスの重要な一部として位置づけることを意味しています。

協力的なパートナーシップの構築

BPOサービスには、自社の目標と戦略に沿った価値を提供し、共に成長を目指す存在とな

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企業ブランディングの未来:デザインの限界とBPOによる新たな価値の創造

企業ブランディングの未来:デザインの限界とBPOによる新たな価値の創造

デザインを超えたブランド価値の追求私たちの多くは、いまだにデザインをブランドのロゴやパッケージ化されたグラフィック要素としか見ていません。しかし、たとえばファンを持つブランドとなるためには、ただ単に製品の外側を整えれば良い訳ではありません。
言い換えるなら、良いデザインが、必ずしもブランドを大きくする充分な要素にはならないということです。

社会との共通興味で築くブランドの価値「社会との共通の興味

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BPOサービスの活用:従業員育成の新しい扉を開く

BPOサービスの活用:従業員育成の新しい扉を開く

1. 社内人材の維持と学習支援

近年、従業員は自身のスキルアップやキャリア開発を支援する企業に魅力を感じ、現職に留まる傾向があるとされています。
その文脈において、社内での人材不足を理由にBPOサービスの導入を検討する企業も少なくありません。しかし、BPOの導入検討が自社の弱点を補う必要をもとにしているとしても、「業務の効率化と戦略的なリソースの最適化を図るための手段」と捉えて検討することが肝要

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