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フリーランスの学習塾講師/高校受験英語・国語(公立〜最難関私国立)/中学受験国語/大学受験英語(・現代文) 出講/お仕事のご依頼は yuga.ojamoto@gmail.com までお願いします。

マガジン

  • 本のことば

    読んだ本の中から、気になったことばを紹介し、それについて思ったことを綴ります。

  • 国語にまつわるエトセトラ

    日々の指導の中で国語について考えたことをとりとめなく綴っていきます。いつか整理できたらいいなぁ。

  • エッセイ

    思ったこと、考えたこと、感じたこと、日常の些細なあれこれを書き連ねます。

  • 難関高校入試の国語から考える現代社会入門

    難関高校入試の国語で出典となった文章を切り口に、現代社会について考えるきっかけになるような記事を書いていきます。難関高校を志望する中学生や保護者の方はぜひご覧ください!

  • 高校入試研究(国語)

    主に難関高校入試の解説記事をアップします。こちらは国語です。教材の解説が不十分、考え方がわからないなど、そんな悩みを抱える中学生や保護者の方必見です。

最近の記事

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高校入試研究① 2022年度 開成高校 国語 大問1

このシリーズでは高校入試研究と称して、自分が解いた問題を解説・分析していこうと思います。 記念すべき第1回は今年2/10に行われた2022年度開成高校の国語です。大問ごとに分けて投稿しようと思いますが、途中で気が変わって違う問題の分析になることもあるかもしれません。ゆっくり、自分の思うままに投稿できたらと思いますので、その辺はご容赦ください。 今回はざっくりとした感想と大問1(小説)について書いていきます。 全体の感想まず、今年度の話をする前に昨年度についても触れておき

    • 「客観的」に読むこと

      こんばんは。 今回は読解の指導の場においてよく使われる言葉についてです。 「文章を読むときには主観を排して客観的に読みなさい」 このようなアドバイスを受けたことのある人も多いと思います。一見すると何も間違っていないように思われますが、私にはこの表現がずっと腑に落ちません。 主観を排して読むなんてことが、果たして人間にできるのでしょうか? もちろん人間は不完全な生き物ですから、0か100の両極に振り切れることはまずないはずです。それを承知で簡略化したアドバイスだというのもわ

      • 書かれたことが全てか

        こんばんは。 今日も帰り道に書いています。 前回に引き続き国語についての思考を整理したいと思います。 国語の読解問題において、「答えは文章に書いてある」や「記述問題は本文の言葉をつなぎ合わせる」のような言説をよく見かけます。 ...これってどうなんでしょう? はっきり言って私は嫌いです。 「言葉にする」とは何かを言葉にするという行為は、完全なものではなく、あることを言葉にすることで、そこからこぼれ落ちることが必ずあり、それも表現の一部だと思うのです。その「言語化されえな

        • 文章を読むということ

          最寄駅から自宅まで歩きながら書いています。新シリーズです。 このシリーズでは、国語について考えたとりとめのないことを、つらつらと綴っていきます。 第一弾は「文章を読むということ」についてです。 最近特に思うのは、読むという行為は全体であり、不可分だということです。分かりにくいですね。自分でもまだ言語化しきれていません。(そういう言語化以前のものを整理する目的もこのシリーズにはあります) 国語のテキスト・参考書は基本的に、指示語や接続語など、個別のスキルの習得に主眼を置い

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        高校入試研究① 2022年度 開成高校 国語 大問1

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          新年度開始に寄せて

          だいぶ久しぶりの投稿になってしまいました... やはり夏を迎えると一気に忙しくなり、定期的に投稿するのが難しくなってしまいます(言い訳) 今年度こそは、(無理のないペースで)定期的に投稿していきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いします。 さて、新年度の初めということで、今年度の予定を整理したいと思います。 月曜日:休み 主に予習と教材作成の日です。 火曜日:千葉県某所の中学受験塾で6年生の国語を担当します。去年と違い、担当クラスの全てが6年生です。 水曜日

          新年度開始に寄せて

          真面目で、平凡で、退屈で(エッセイ⑥)

          真面目で、平凡で、退屈。 先日参加したTwitterのスペースで、「もし今の自分が新卒として就活するとしたら、強みは何か」という話になった。 面白いな、と思った反面、自分の強みを言語化したことがなかったので、難しく感じた。 私の強みは何だろう。塾講師として考えるなら、中学受験から大学受験、そして英語と国語の二つの言語科目を、「指導経験がある」というレベルではなく、現在進行形で同時進行で指導していること。そしてそこから得た多角的な視点。こんな具合だろうか。もともと分析して、

          真面目で、平凡で、退屈で(エッセイ⑥)

          新年度のお仕事

          はじめにお久しぶりの更新になってしまいました。 年明けからこの時期までは、入試期間や春期講習、新年度の準備などに忙殺され、記事の更新をするまもなくあっという間に、4月を迎えてしまいました。 気がつけば駅までの道に咲く桜も、葉桜になりつつあります。 さて、新年度が始まるということで、自分の仕事の方針や目標を整理するという意味も込めて、今年度の仕事について書いていこうと思います。ぜひご覧ください。 新年度のスケジュール 月曜日 今年度は月曜日が休日です。週6日出講する予定な

          新年度のお仕事

          難関高校入試から考える現代社会入門③ 個性

          はじめにシリーズ3つ目の記事です。 今回は「個性」がテーマです。現代は、「個性的」であることが価値であり、その結果特に何も考えず「自分探し」に駆り立てられてしまう、ということがあり、それを煽るような自己啓発本がよく売れます。ではそもそも「個性」とは何なのでしょうか。あるいは、「個性」は探したら見つかるようなものなのでしょうか。 難関高校入試の出典情報2021年度 筑波大学附属駒場高校 (村田沙耶香「多様性って何だ? 気持ちよさという罪」) 2021年度 西大和学園/201

          難関高校入試から考える現代社会入門③ 個性

          気がつけば、新年(エッセイ⑤)

          明けましておめでとうございます。「明けまして」とは言ったものの、私はまだ年が明けた実感がありません。(塾講師あるある?) 今年は12/30〜1/3に年末年始特訓があり、朝が苦手な私は会場近くのホテルに宿泊しました。だから年越しもホテルの部屋でした。 年越しそばを食べる、なんてこともなく(カップヌードルは食べました)、翌日の授業準備をしながら新年を迎えました。 そんな年末年始を過ごしたわけですが、受験生を担当する立場からすると、まさにここからが正念場。勉強だけでなく、メンタルケ

          気がつけば、新年(エッセイ⑤)

          高校入試研究⑨ 2014年度 慶應女子高校 国語 大問3

          はじめに今回は、慶應女子の国語です。女子校の最難関です。国語は非常に良問の多い高校で、同じ国語の良問を出す開成とは少し違います。全体の要旨・主題を読み取ることが要求される開成、一方で慶應女子の国語は細部の精密な解釈が要求されます。また、文学史や語彙など知識も非常に細かいところまで押さえておく必要があります。 本記事では、2014年度の評論を解説します。 出典情報出典はこちら。道徳や倫理の起源を脳科学や進化心理学などの観点から説明しています。最近は難関高校入試でもテーマになる

          高校入試研究⑨ 2014年度 慶應女子高校 国語 大問3

          「でも、それだけじゃない」誰にでもある心の黒い部分とどう向き合うか〜『すずめの戸締まり』の鈴芽と環を見て思ったこと〜(エッセイ④)

          *注意 この文章には一部『すずめの戸締まり』のネタバレが含まれます。 人には誰にでも心の中に黒い部分がある。それは明確な意志を持った悪意ではなく、単純な「嫌い」という感情でもない。それは、好意を抱く人や家族に対して向けられる。普段は心の奥底にしまっているが、ふとしたことをきっかけに口にしてしまい、相手を傷つけてしまう。もはや修復不可能なまでに、関係に深い影を落とすこともある。 新海誠監督作品の「すずめの戸締まり」を観て、最も印象に残ったのは主人公、岩戸鈴芽とその叔母環の関

          「でも、それだけじゃない」誰にでもある心の黒い部分とどう向き合うか〜『すずめの戸締まり』の鈴芽と環を見て思ったこと〜(エッセイ④)

          花が咲くのを待つ忍耐(エッセイ③)

          冬の初めは受験生にとって艱難の季節だ。夏にあんなに勉強したのに成績が上がらない。入試本番まで時間がないのに模試の判定は努力圏のまま。 もうやめてしまおうか。志望校を変えたほうがいいのか。 このような悩みを抱える受験生は多い。 そもそも受験勉強に限らず、努力の結果はすぐに出るわけではない。というか、そうでないもののほうが多いのではないだろうか。 成績は一次関数のグラフのように右肩上がりで上昇するわけではない。「○○時間勉強すれば、偏差値が△上がる」や、「この参考書をやれば**高

          花が咲くのを待つ忍耐(エッセイ③)

          高校入試研究⑧ 2021年度 筑波大学附属高校 国語 大問2

          はじめに約1週間ぶりの投稿となりました。今回は2021年度筑波大学附属高校の小説の問題を解説します。今回は設問数も多いので少々簡易的に。冬期講習の準備に向けて、そして年明けの高校入試に向けて忙しくなる時期ではありますが、体調に気をつけて過ごしていきたいですね。 筑波大学附属高校の国語について筑波大学附属高校の国語は、50分の試験で、現代文2問が出題されます。例年は評論+小説という構成です。過去には随筆の出題もありました。古文はありません。最近の傾向としては、文章量は時間に対

          高校入試研究⑧ 2021年度 筑波大学附属高校 国語 大問2

          高校入試研究⑦ 2020年度 開成高校 国語 大問1

          はじめに2日連続の投稿になります。今回は高校入試研究シリーズ、扱う問題は2020年度開成高校の評論です。この年の小説(門井慶喜『銀河鉄道の父』)もとても良い問題なので、またの機会に解説します。 出典情報 出典はこちら。三谷尚澄『哲学しててもいいですか?: 文系学部不要論へのささやかな反論』です。世間的には社会的に直接役に立つわけではないと考えられている、哲学などの人文学。大学で人文学を学ぶことの意味を、大学教員の筆者なりの視点で論じている文章です。ひと昔前の自然科学ブームが

          高校入試研究⑦ 2020年度 開成高校 国語 大問1

          難関高校入試の国語から考える現代社会入門② 倫理

          はじめに前回の記事はこちらです。 シリーズ第二弾は「倫理」です。ここ数年の難関高校入試問題で非常に多くなってきています。2022年度久留米大学附設高校、2021年度ラ・サール高校、2018年度桐朋高校、2016年度渋谷教育学園幕張高校、2014年度慶應女子、2011年度お茶の水女子大学附属高校などで、倫理がテーマの文章が出題されています。特にコロナ禍以降は倫理の中でも「生命倫理」についての文章がちらほら見られます。 倫理とは何か倫理とは簡単にいうと、「善悪の基準」のことで

          難関高校入試の国語から考える現代社会入門② 倫理

          コートを着るという決断(エッセイ②)

          「そろそろコートを着ようか...、それともまだやめておこうか...。」 季節の境目はいつだって曖昧だ。毎年この時期の出勤前に悩む。私にとってコートを着るということは、冬の訪れを意味する。コートが嫌いなわけではないし、むしろ早くコートを着たいとさえ思う。ただコートを着たことで「暑い」と感じるのは嫌だ。昼間はコートなしでも十分に過ごせる。特に電車は暖房が使われ始めて、汗ばむこともある。暑いのは嫌だ。だから、コートを着るのには勇気がいる。いや、冬が好きな私は、コートを着て快適に過ご

          コートを着るという決断(エッセイ②)