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初めて自分のためにお花を買った日

お花を買うのは、決まって母の日だった。母へのプレゼントとして。たまに結婚式でのお裾分けで飾りのお花を頂くくらいだったから、花瓶も持っていなかった。

そんな私が、今日、初めて自分のためにお花を買った。

引っ越してきてから、通勤路に気になる建設中の建物があった。その建物はグレーの壁に大きな窓があり、いかにも何かのお店だろうと想定していたら、お花屋さんだったのだ。こんなにお洒落な建物だから、さぞかし店内のディスプレイなどもお洒落なのだろうと気になっていた。調べてみるとInstagramのアカウントがあり、今月初めからプレオープンとのことだった。

かと言っても、お花屋さんでお花を買う、ということは慣れていない者にとってはわりと難関である。お花の種類に詳しいわけでもないし、まだ花瓶も買っていない。そもそもみんなどう注文しているのか、みたいな不安要素が沢山ある。店員さんに聞けば教えてくれるのだろうけれど、なかなかハードルが高い。何かと形から入りたくて、まず道具を揃えたいと思ってしまうから、お花用の鋏も買わなくちゃ、とか真剣に考えてしまってなかなか手を出せないでいた。

「お花のある暮らし」はもう少し先かな、そう思っていた矢先だった。仕事の休憩中にInstagramを開くと、「ガラス花器に入った球根付きムスカリ入荷しました」というお知らせがアップされていた。この写真を見た瞬間、これだ!!!と思った。ガラス花器の中で水耕栽培するお花。花瓶を別で買わなくても、これならセットで買える。水やりも水位が見えるのでしやすそう。調べてみたところ、初心者でも育てやすいとのこと。早速仕事終わりに買いに行くことに決めた。

緊張しつつ店内へと足を踏み入れると、切り花にドライフラワー、観葉植物やアレンジメント、センスの良さが伺えた。

お目当てのムスカリを発見。花器の形もいろいろあり、その中からお気に入りを選び、店員さんに声をかけた。クラフト紙で包んでくれ、水が減ったら根がヒタヒタになるよう注ぐよう教えてくれた。勇気を出して行ってみれば、思っていたよりも簡単に買うことができた。今まではなんだったのか。晴れやかな気持ちでお花を助手席に乗せて帰宅した。

これからしばらくこのお花とともに生活するのだと思うと、なんだか愛しくて、少しくすぐったくて。今までにない感情だけど、これはきっと私にとっていい感情。まずはお花がある生活に慣れること。やっぱりズボラでダメだ、お世話できない、となるかもしれない。それはそれで、経験だ。慣れることが出来て、もっと他のお花も楽しみたいと思えたら、切り花を飾ることにも挑戦したい。

26歳。まだまだ初めてのことに挑戦できる。

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