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そのサッカーを疑え!

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#リバプール

リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

リバプールの南野拓実。勇気ある撤退という選択肢

 パナマ戦(11月13日)とメキシコ戦(11月17日)に臨む日本代表。所属チームが招集を拒んだ堂安律(ビーレフェルト)に代わって、追加招集した奥川雅也(ザルツブルグ)も、所属チーム内に新型コロナ感染者が出たことで、合流を見合わせることになった。

 したがって、今回のメンバーの中に新顔は1人も入らないことになった。奥川にしても追加招集なので、森保監督は最初から新顔を誰も選ぶつもりがなかったことにな

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グラスゴー、マンチェスター、セビージャ、リスボン、リバプール……人口に対する観客席数の割合が高い街

グラスゴー、マンチェスター、セビージャ、リスボン、リバプール……人口に対する観客席数の割合が高い街

 東京都のHPによれば、東京都全域の人口は約1395万人で、23区の人口は約965万人だ。区部の人口は、世界で18〜19番目に該当する。

 欧州最大の都市は1552万人のイスタンブールだ。次いで、モスクワの約1251万人。そして3位はロンドンの約891万人となる。東京の区部は、欧州に照らせば3番目の都市になる。

 ロンドンにはサッカークラブがいくつもある。チェルシー、アーセナル、トッテナム・ホ

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「ボール支配率の時代は終わった」の大いなる誤解。それを支える2大要素とは

「ボール支配率の時代は終わった」の大いなる誤解。それを支える2大要素とは

 ボール支配率の時代は終わった。ポゼッションサッカーでは勝てなくなっている。近頃そんな声をよく聞く。サッカーには様々な見方があるので、当然、様々な声が生まれてくるが、この言葉を耳にすると、その切り口について乱暴さを覚えずにはいられない。

 ボール支配率の上昇を最大の目的に試合を戦っているチームはない。ボール支配率が高くても勝ち点は伸びないし、フェアプレーポイントが上がるわけでもない。上昇させたと

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CL決勝の舞台=マドリードで思った。神戸の「バルサ化」って何だ?

CL決勝の舞台=マドリードで思った。神戸の「バルサ化」って何だ?

 マドリードで行われたチャンピオンズリーグ(CL)決勝、リバプール対トッテナム・ホットスパー(スパーズ)は、開始早々、リバプールがPKで先制する展開。はるばる現場に駆けつけながら、当たりか外れかで言えば外れに当たる試合に遭遇する不幸を恨んだものだが、その場にいて結果の重さ、勝利の重さだけはしっかり伝わって来た。

 リバプールとロンドンに本拠地多くイングランドの2チームがスペインの首都マドリードで

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CL決勝リバプール対スパーズ。番狂わせが発生するメカニズムとその可能性

CL決勝リバプール対スパーズ。番狂わせが発生するメカニズムとその可能性

 チャンピオンズリーグ(CL)決勝。今シーズンの舞台はアトレティコ・マドリーの本拠地、ワンダ・メトロポリターノだ。イングランド勢同士の対戦がマドリードで行われる。というわけで、現地には両軍サポーターが大挙押しかけている。スタンドのキャパシティは67829人ながら、現地には10万人は駆けつけるだろうと言われている。

 同じマドリッド行きの飛行機に乗っていた赤いユニフォームのサポーターに話を聞けば案

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川崎F対名古屋をCL級に押し上げるためには

川崎F対名古屋をCL級に押し上げるためには

 金曜日に行われたJリーグ、川崎フロンターレ対名古屋グランパスは1-1の引き分けに終わった。内容で上回ったのは名古屋。55対45ぐらいの僅差ながら、その差にはそれなりの意味があった。

 だが、その違いについて触れる前に、一歩引いた視点に基づき試合のレベルについても言及したくなる。Jリーグの上位対決。CLなど欧州のトップと比べて何が違っていたか。

 Jリーグにおける他の一般的な試合より楽しめたこ

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CL準決勝。バルサ、メッシではなくリバプールによって最大値が更新されたサッカーの魅力

CL準決勝。バルサ、メッシではなくリバプールによって最大値が更新されたサッカーの魅力

 バルセロナがリバプールに3-0で先勝したチャンピオンズリーグ(CL)準決勝第1戦を見て一番に何を思うか。リオネル・メッシは確かに凄かった。現在31歳。サッカー選手として下り坂にさしかかる年齢である。アタッカーにとってはなおさらだが、俊敏さと巧緻性はそのままに円熟味が増している印象だ。この試合の3点目のFKシーンでは、弾道のあまりの鋭さに震えが来たほどだった。まさにマンオブザマッチ級の活躍をしたメ

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CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

CL準決勝バルサ対リバプールで、日本人がメッシ対サラーに注目したい理由

 来週行われるバルセロナ対リバプール(チャンピオンズリーグ準決勝)。見どころはいろいろあるが、この試合の結果は、リオネル・メッシとモハメド・サラーの活躍度にそのまま反映するように思う。

 サッカーは11人対11人の戦い。個人の争いを強調することは本質から外れる恐れがあるが、この試合の場合、彼らの活躍なしに、それぞれのチームが勝利する姿を想像することは難しいので、あえてそう言わせてもらう。

 と

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サッカーの競技性向上に一役買う第三者の視点とは

サッカーの競技性向上に一役買う第三者の視点とは

 これまで幾度も述べてきたことだが、サッカーは常に右肩上がりを続けるスポーツだ。競技のレベルは、いまがいつでも一番高い。そのことを実感させられるのがチャンピオンズリーグ(CL)だ。ほぼ毎シーズン最高値を更新する試合に出くわすことができる。

 その可能性は決勝トーナメントに入ると一気に上昇する。決勝トーナメント1回戦の第2戦を間もなく迎える今季も例外ではない。たとえば、そのリバプール対バイエルンの

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