加藤ヒロユキ

京都市出身。大阪在住。歌手・作家。毎日放送ラジオのパーソナリティとして13年間、自分の…

加藤ヒロユキ

京都市出身。大阪在住。歌手・作家。毎日放送ラジオのパーソナリティとして13年間、自分の冠番組で音楽と飲食について発信する。 18年春秋社から「人間いたるところに青山あり」を上梓する。 23年キンドル出版からグルマン小説「だし巻き玉子」を上梓。(電子書籍・ペーパーバック)

最近の記事

ビフカツの話

この前、ビフカツを作りました。 最近は魚が多かったので肉は久しぶり。 今回の肉は兵庫県黒田庄の但馬牛のヘレ。 たいていこれ位の質なら迷わずにステーキで食べますが、今回はビフカツに。 ビフカツは色んなレシピありますが、今回は以前に自作していちばん美味し かったのを再現しました。 ・お湯を沸かして60℃くらいにキープする。 ・ジップロックに冷蔵庫から取り出して常温に戻しておいた肉を入れて湯に 入れる。温度計を見ながら50℃から60℃くらいに火を調整。20分くらい。

    • わが青春のマカロニサラダ

      わが青春の味。と聞いたら何を思い出すだろうか? 僕はまずは日清焼きそばUFO。 いつもお腹を空かせていた中学生の頃はよくUFOにお世話になった。 今のように特盛がなかったので、僕はお湯に10分ほど浸けてふやかして少し大盛り気分で食べた。 20代の頃、お金がなくなったらよく食べたのがマカロニサラダ。 これは安くて簡単にできる。 胡瓜とハムとマカロニとマヨネーズだけ。 作りたては温かくてとても美味い。 久しぶりに作ってみた。 歳を重ねているからあの頃よりは少し知識とお金

      • 美味しい青のり見つけた!

        最近、とあるお寿司屋さんに行ったとき、大間マグロにとろろ芋をかけて、その上に青のりがトッピングして出してくれた。 「よくある山かけやな」と思って、まずその青のりを何気なく口に含むと驚いた! とても濃厚な磯の香りが口腔鼻腔までまんべんなく一瞬に拡がるのだ。 こんな青のり食べたことない! 大将に訊ねると気軽に熊本の『すじ青のり』という商品名を教えてくれた。 さっそく僕は取り寄せた。 さて、どう料理して、何で食べようか??  うちの事務所のすぐそばに『てこや』という

        • 料亭のポン酢を自分で作ってみた

          暑さ寒さも彼岸までと言われているが、まさに朝夕すっかり涼しくなってきた。 今朝も早朝からバタバタ活動していたのでお腹が減った。 いつもの和定食を作る。 今朝のメニューは自家製の大根漬物、ひじきと鶏肉そぼろ、きんぴら、 塩鮭、青菜と揚げの味噌汁、釜揚げシラス、納豆、鉄鍋で炊いたご飯。 完全に和定食で、この夏からハマっている。おかげで暑さにも負けずにとて も元気に過ごせた。 (去年なんか猛暑でバテて死にかけていた)食べる物がどれだけ大切かを改 めて思い知らされる。僕

        ビフカツの話

          秋を食す

          昨日の夕方、文学学校のN先生と『日本料理 寺田』で食事をした。 拙書『だし巻き玉子』の出版祝いを兼ねての食事会で,美味しいもの談義に花が咲いた。 ご主人の寺田さんにも以前に拙書を謹呈したらすでに読んでくださっていた。 この日のお料理はどれもこれも絶品で、開店されてから八年の献立の歴史を知るささやかなファンの僕にとって、真摯な努力の積み重ねが才能をさらに開花させてゆくんだという事実を再認識させられた。分野は違えども同じクリエイターとして頭が下がる思いだ。 圧巻は椀物で、蓋を開

          喜界島に来てみた  幻の「白黒糖」

          喜界島に来た。 元々、南の島は大好きで、沖縄、与論、屋久島、奄美までは行ったことがあった。 喜界島は奄美の東側に見える島ということは知ってはいたが、なかなか足を伸ばす機会もなかった。 しかし、である。 今回は大阪で知り合った喜界島三世のB君のご縁で島に渡った。 喜界島は淡路島の十分の一ほどの大きさで、人口は7000人ほど。 思っていたより大きな島だというのが印象である。 産業は主に黒糖製糖と胡麻精油という。 サトウキビはもちろんだが、白胡麻の生産量は国内一位だ。 実は今回の

          喜界島に来てみた  幻の「白黒糖」

          グルマン小説「だし巻き玉子」上梓する

          僕は13年間、大阪の放送局でラジオ番組を持ち、いろんなことを話してきた。 職業は音楽家でテノール歌手である。音楽のことは専門なのであれこれ話すのは得意ではあるが、番組内では僕の『食』に関する話がとてもウケた。音楽のこと以上に『食』を熱く語るので、聴いている人はその世界に思わず曳きこまれてゆくとよく言われた。 以前から飲食に関するエッセイや紀行文はJALの機内誌や月刊誌でも掲載されてきたが、常に『食』を主軸に置いた小説を書きたいと思ってきた。 そして、23年の正月明けから執筆を

          グルマン小説「だし巻き玉子」上梓する

          こちふかば

          る 淀屋橋の行きつけの割烹で和歌山で獲れた「こち」を堪能した。 「こち」とは上から押しつぶされたような平たい体と大きなひれをもち、海底に腹ばいになって生活する海水魚の総称であるが、普段あんまり口にすることはない。 でも滑らかな歯触りの白身で、薄造りにしてポン酢といただくと、またテッサやスズキと違った味わいで面白い。 当然、和歌山の銘酒「黒牛」冷酒でキュっと。 極め付けはあら炊きだろう。 ここのはコテコテでなく、サラッとしているから好きだ。 あら身はもちろんだが、卵がきめ細

          宮津の鳥貝

          ◆宮津の鳥貝 昔、宮津で食べた鳥貝がとても美味かったのを覚えている。それは掌ほどもあるサイズで、厚みもあり最初はまず見て驚いた。 そして、食べたらその心地よい潮香と弾力、甘味が渾然一体となり感動が生まれた。 僕は貝好きである。鶴橋や天満の市場などで手に入る泉佐野の鳥貝も好きだが、宮津のは格別である。 今夜はそれを食べることができて幸せな夜だった。 山椒オイルと僅かなハーブ塩だけで味付けされた鳥貝、赤貝、ミル貝たちの饗宴 新曲作曲のため、煮詰まっていたからリセットできて嬉し

          五感 鍛えてますか?

          また今年も台風が日本列島に猛威をふるいだした。 雨の日も多いが、朝方に降っていなかったら僕は大阪城公園を歩くことにしている そう、ウォーキングというやつだ 決めたルートがあるので家から小一時間ほど 最近マスク生活を強いられていて気づいたことがある。 それは嗅覚が弱ってきているな……と。 あなたはどうですか? 僕は常日ごろから芸術創作のための【第六感】というものを大切にしている 「そんなものあるんかいな?」と言われてしまえば「あると思う……」としか答えられないのが辛いところ

          五感 鍛えてますか?

          ◆ある日のカトヒロの食卓 その1

                自宅で鱧鍋 この時期、やっぱり鱧が食べたくなる。 今夏はひょんなことから淡路島の友人が鱧と玉ねぎを送ってくれた。 いつもは心斎橋の日本料理「梅市」さんで鱧鍋をいただくのが夏の恒例となっていたが、今年は自宅で作ってみることにする。(今まで自宅で作ったことがなかったので少し不安) さすがに鱧用の包丁も持っていないし、鱧切りはできないので、知り合いの日本料理屋の包丁名人に切ってもらった サクサク、サクサクというリズミカルな音を立てながら、 「これ、沼島の鱧やね、よく

          ◆ある日のカトヒロの食卓 その1