おゆう

本音はいつだって、温かい。 母との話、子育ての話、お家の話。 フィンランド、インテ…

おゆう

本音はいつだって、温かい。 母との話、子育ての話、お家の話。 フィンランド、インテリア、小鳥、大空とコーヒーが好き。 noteとインスタグラムを行ったりきたり𓂃𓂃自由に書いています⁡𓂃。 ⁡ ⁡ ⁡

マガジン

  • − 本音はいつだって温かい −

    本音って、まるで子どもみたい。純粋で、弱くて、まっすぐで。でも、何より温かい。言おうとすると、泣きそうになるもの。恥ずかしくなるもの。心が熱くなるもの。 そんな本音にたどりついた日の、私の話をお届けします。

  • − てくてく てくてく -

    人生の散歩道で、出会った人。できごと。思ったこと。心揺さぶられたこと。

  • - お母さん、あのね -

    私と母の紡いできた親子の関係を、透明な気持ちで紐解いていくエッセイです。 小さい頃からずっと抱いてきたこじれた母への感情を、受け止め、癒し、母への本音を見つけるために書いています。私と同じように、母親との関係に苦しんできた方にそっと届いてくれることを願って。そして、いつか母へ、このエッセイを贈ります。

  • - 子育て、いろいろ -

    テスト

  • - 私とお片付け -

    小さい頃から、片付けが苦手な自分を隠しながら生きてきました。結婚し子育てをする中で、物に溢れ、適当な服を着るようになった私。「好きなもの」「本当にやりたいこと」が分からなくなっていきました。そんな時5年前に、私は人生で初めて「お片付け」を習います。そこで、お家の中の景色は全て、自分の心の投影であることを、お家を丸ごと片付けて体感しました。「どんな所よりこの家にいる私が1番好き」と言えるようになった時、私は「自分のことがとても信頼できる大切な人」になりました。誰かに隠す部屋や扉がなくなった時、私は誰にも隠れることなく自由に生きることができるようになりました。そんな魔法みたいな私のお片付けが、誰かにそっと届きますように。

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つまり、私が書く理由

小さい頃から、書くことが好きだった。具体的には小学6年生の頃からだったと思う。博学な父と、国語の教師のもとに生まれた家には、無数の本があり、日常的に本を読む環境と、合わせて読書感想文を書くという習慣があったのを覚えている。 ⁡ どんなに分厚い本を読む時にも、本を開くと自分の中にピアノのようにリズムが降りてきて、それに合わせて読んでいた。 ⁡ 小学6年の時に学校で、物語を書くという宿題が出た。私はとてもドキドキした。今でも覚えている。私の初の書き下ろしタイトルは「空色のソラ」。

    • あの日、カピオラニ公園で。

      ハワイ語には、「自然(nature)」 という言葉がない。 それは、〈人〉と〈自然〉を分けていないから。 あえて言葉がいらないからだという。      𖦞 私とフラダンスの出会いは 2012年のホノルルマラソンだった。 遠くに見えた 広大なカピオラニ公園の芝生で踊る集団に 目が釘付けになった。 初めてそれを見たとき 素足で大地を踏み締めながら 人なのか植物なのか 分からないような動きをしていると思った。 ゆったりとした動きの中に 腕が次々としなやかに伸びていき、

      • 最初で最後の『大好きだよ』

        ある日花屋で、仏花を丁寧に選ぶ人を見て、 数年前に亡くなった私のおばあちゃんのことを ふと想った。 田舎のおばあちゃんという言葉が似合うその人は 背中が丸くて、しわがたくさんあって、 可愛くて優しい目をした人だった。 家族が集まる時にはいつもうどんを打ったり、 茶碗蒸しを作ったり、畑から野菜をとってきては 朝早くから料理で迎える準備をしてくれていた。 お茶うけに、と出てくるきゅうりの漬物。 なぜか食事の後にでてくる、おはぎ。 おばあちゃんを囲むこたつはいつも温かくて、

        • 目標は数字にあらず、景色。

          とある日、こんな話を聞いた。              𖦞 その話を聞いた時突然、2つの過去が頭に湧き上がった。 まずは中学生の時、英語のスピーチコンテストの日だ。 私は全校生徒の前で、1ヶ月以上声が枯れるまで練習した英語のスピーチを大きな講堂の壇上で発表した。今でも思い出すと、あの時の胸の振動を思い出すほど、私にとって大舞台だった。スピーチを終えて自席へ戻った時の大きな達成感は、入賞者の発表と同時に絶たれた。 その日の放課後、私は毎日練習に付き合ってくれた先生のもと

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        つまり、私が書く理由

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        • − 本音はいつだって温かい −
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        • − てくてく てくてく -
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        • - お母さん、あのね -
          2本
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        記事

          自然の中の静けさで、私は泳ぐ

          本当によく考えてみれば、私は小さい時から〈静けさ〉を好んだ。 「明るくて社交的」と周りから言われていたから、実はそのことに自分でも気づいていなかった。 本当につい最近まで。                 𖦞 自分が自然を愛する人であったことは、子どもを出産してから思い出した。 私は息子と虫採りを楽しみ、虫を飼い観察し、ザリガニを一緒に釣り、木に共に登り、彼をボーイスカウトに誘って一緒に楽しんでいる。私は娘と、木の実や野花を摘むのが好きだ。里芋の大きな葉っぱに雨水が

          自然の中の静けさで、私は泳ぐ

          私のサードプレイス

          今日から新学期。 娘と手をつなぎ、幼稚園バスが来るバス停へ5分ほど歩く。 息子の時から数えると、そのバス停へ通うようになって7年目の春となった。 今日から、そのバス停の長老が、私になった。         𖦞 7年前初めてそのバス停に行った日、 周りのお母さんたちの輪に入るのが怖かった。 世間話をする時間が苦手で、でも一人きりでバスを待つ事も嫌だった。 毎日顔を合わすことに気が重くなったこともあるし 誰かと誰かが仲良くしていることが気になったりすることもあっ

          私のサードプレイス

          おおきな おおきな 勘違い

          ⁡ 大人も子どもも、結局同じだ。 ⁡ ⁡ 保育士の仕事をさせてもらって、確信へ変わったことがある。 ⁡ ⁡人には、〈ここが凹んでいる〉〈ここが膨らんでいる〉というのがある。 ⁡ ⁡子どもはそれが顕著だけど、隠しているだけで私たち大人も全くそれだ。 ⁡ ⁡その凹みや膨らみを、なくそうとしたり、整えようとしたり、隠そうとしてきた。 ⁡ 私のこれまでの人生もそうだし、私の子育てもそんな時期があった。 ⁡ ⁡ ⁡ だけどそれは、 ⁡ ⁡おおきな おおきな 勘違いで ⁡ ⁡その凹みや膨

          おおきな おおきな 勘違い

          Today is a good day. ~1.2.3~

          【Today is a good day. 1 】 ⁡【Today is a good day. 2 】 ⁡【Today is a good day. 3 】

          Today is a good day. ~1.2.3~

          おかえりなさい

          こんなことを書くのもためらわれるけど、 〈夫と同じおそろいのものを持ちたい〉 と密かに思っていた。 それは映画『花束みたいな恋をした』を観てからで、お互いの本棚の中身がまるで同じという恋人が、わざとではなくて双子かのように、服やスニーカーがデートの度にかぶってしまうという、そんなところが私たち夫婦には全くないと思ったから。 結婚した時にはおそろいの結婚指輪をドキドキしながら探したはずなのに、私はもう指輪はきつくて普段はめなくなってしまったし、結婚当初から二人の共通の趣味は

          おかえりなさい

          誕生日の日に思うこと

          「あなたは皇太子と同じ誕生日なのよ」と母に言われて育ち、それが何よと思っていたけれど、 私の誕生日は令和になって祝日となった。 明日誕生日かぁ、と思った昨日。 誕生日をどんな風に過ごしたいか、よくわからない気持ちになった。 誕生日。 だいたい1歳から18歳頃までは家族がお祝いしてくれて、それ以降は友達や彼が私の誕生日を素敵な日にしてくれた。毎回は覚えていないけれど、きっと毎年すごく嬉しかったと思う。みんなからのプレゼントや手紙、おめでとうのメールに、「自分は愛されてるな

          誕生日の日に思うこと

          角野栄子さんへ

          拝啓 角野栄子様 先日、角野さんが館長を務める「魔法の文学館」へ初めて行きました。 そこで私が思い出した、とても大切な記憶があります。 小学生の頃、私は自分の家が安心できる場所ではありませんでした。友達との付き合いもうまくできない子でした。寂しい時、つまらない時、むしゃくしゃした時。 そんな時私が行くのは家の押入れ。 家の押入れを開けると、ぎっしりと入った本の背表紙が並んでいて、それを指で追いながら、今日会いたい人、今日行きたい国、今日見たい景色を私は頭の中で想像して

          角野栄子さんへ

          もしかしたら、あえて。

          近所のジョナサンに、すごく素敵な人がいる。 その人の佇まいは、 ジョナサンの店員というよりはまるで、 パレスホテル東京で働く人。 ファミリーレストランで、ホテルにいるような接客をしている。 ある日私はモーニングセット499円(ホットケーキ、茹で卵、ドリンクバー、スープ)を注文して、ブレンドコーヒーを飲みながらパソコンを開いた。 その人はそっと近づいてきて、「もし良ければ、あちらにスープもあります」となんとも言えない、慎ましい笑顔と距離感で教えてくれた。 マスクで顔

          もしかしたら、あえて。

          私はカラス界の指名手配犯

          私はカラス界で、指名手配されている。 だいたいどこへ行っても、 カラスは私を見つけると仲間を呼び合って攻撃しようとしてくる。 小さい時、カラスをいじめた記憶はない。 むしろ、かこさとしさんの『からすのパンやさん』は 私の大好きな絵本の頂点だった。 『いずみがもり』にいつか私なら辿り着けると思っていた。 そのカラスへの愛が断ち切られたのは、28の時だった。 仕事帰りに駅まで歩いていた時のこと。 彼氏にメールを打とうとポッケから携帯を取り出した。 その時だ。 後

          私はカラス界の指名手配犯

          金柑を見るたびに

          もう一度会いたい人がいる。 忘れようと思っても 冬の寒さが厳しくなる頃 スーパーで金柑(きんかん)が出回るようになると その人はどうしても私の脳裏に現れる。 ずっと見ないようにしてきたそれを 今年初めて買い物かごに入れて 一人でそっと、その味を確かめてみた。 そう。すごく甘くて、少し苦い。 私はこの味を、まだヨチヨチと歩いていた頃に知った。 ハイハイし始めたばかりの私を、母が仕事の間預かってくれた親戚のうちがあった。 まるで祖父母の家かのように、母はその

          金柑を見るたびに

          備蓄棚 〈私とお片付け 第2話〉

          小さい頃から、地震を何より恐れていた。 「今地震が起きたら」と突然道の途中で想像して、危険なものを確認しながら歩くような子だった。お風呂から上がると、「10秒後に地震がくる」なんて勝手に設定して、10秒で必死に服を着てリビングへ駆け込む、なんていう妙な妄想癖が中学生の頃あった。雑居ビルに入っている美容院や飲食店に入ると、避難口や非常階段を無意識に確認している。今暮らしているマンションは、地上からなかなかの高さに住んでいるけれど、日常的に非常階段を子どもたちと上り下りしている

          備蓄棚 〈私とお片付け 第2話〉

          黄色いダスキン  〈 お母さん、あのね 第1話 〉

          土曜日の朝10時になると、インターホンを鳴らす人がいた。 「ダスキンでーす」 黄色い新しいレンタルモップを家に持ってきてくれる、あの顔だ。 それを受け取りに行くのが、当時小学生だった、私の役目だった。 その新しいモップはどこかオイル臭くて、柔らかくて、ふかふかだった。 おばさんはいつも私に「えらいねぇ」と言って話かけるけど 私はおばさんの顔を見ることもなく、いつも無言でそれを受け取っていた。 「ダスキンなんてなくなればいいのに」と心の中で思っていたから。 🌿

          黄色いダスキン  〈 お母さん、あのね 第1話 〉