伝言ゲームのような”いじめ”(小説)
俺の印象に残っている奴がいる。
運動が出来て、性格もいい。
勉強できて、弟にも優しくて、顔もいい。
でもそいつはモテなかった。
印象的過ぎて、まだまだ鮮明に覚えている。
何がダメだったのか。
俺はそいつととても仲が良かった。
そいつはRと言った。Rは、気さくで小5まではモテていた。
当然、そいつと仲がいい俺も、一定にモテてはいた。
あいつほど出なかったが…
小6の時、Rには好きな子ができた。
当時、学年1の美女がそいつを好きだった。
その子は、成人した今でも可愛く、いまでも襲いたかった。
そんな学年一の美女Hではなく、陰キャよりなKのことをRは好きになった。
Hは、女子の軍団を束ねていた。
その軍団は、Rの悪口を続々っというようになった。
Hが何かを吹きかけたからだ。
「あいつは胸だけを見て、Kを好きになった。」
当時、Hと仲の良かった俺も同じことを言われた。
俺は最低な人間だと思い、距離を置いた。
Rが好きな子ができて一か月、RとKは結ばれなかった。
Rは女子の軽蔑の目から人気はなぜか下がり、
Kは他の女子から距離を置かれたからだ。
Kは後にこういった。
「私はRを微塵も好きじゃなかったし、
あいつのせいで友達ときまづくなった。」
私も当時、本音を言ってくれるKのことが好きだったが、
こんなことを言われて、一気に冷めた。
人が人に恋するのは、自由だろう?
Kはそんなに考えて発言していないと思う。
軽い気持ちで、何も深い意味はなかったのだ…
だが私はその時、正気じゃなかった。
彼女に向かって、舌打ちをした。
軽蔑の目をした。もうこんな奴、好きでも何ともない…
どうでもいい‼何とでもなれ‼
私はすぐに友達に広めた。 親友を貶され、衝動的に、話を盛って、無理やりだった。
当時まだKは陰キャでかけ口を言うような奴だと思っている奴が多かった。
あの事件を覚えている奴も少ない。
私は全力だった。話は学年中に瞬く間に広まった。
「あいつは…Kは、性格が最悪だ。」
…と広まった
俺のやっていることは、Hと同じだった。
”最低な人間だ”
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