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僕らの家族

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折田シズるが取材して書いたnoteです。お話の中から気になったことをいくつかピックアップして深堀りし、キラーワードになるように書いていきます。いずれも大切なnoteたちです。
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記事一覧

おいしい男になるために

おいしい男になるために

久しぶりにシェフと会った。
変わらず、むしろ以前にましてほとばしる情熱を纏いながら、鋭利な言葉で本質を突かれる。

もっとヒリついてけよ
ふつうになるなよ

一言ひとことが胸を突き刺す。
眠れない。感情がうごめく。
帰りの電車も、家に帰ってからも、ずっと考えていた。
痛いところを突かれて、居心地が悪かったんだと思う。

ヒリついてない?そんなことない。
いや、そんなことあるのかもしれない。

ぐる

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おいしいがもたらす息吹

おいしいがもたらす息吹

料理の力を信じている。

ものさしは人それぞれであるとは言えど、おいしいは、年齢性別環境を問わず、人を幸せにする。

日々のエネルギーを生み出すまいにちの食事は身体を満たすおいしさだし、とんでもない食体験は感動を生み出し精神補給になる。

知れば知るほど、比較対象ができる。
すると、感動のハードルは上がるのではないだろうか。だからこそ、超えてきたときの感情はかけがえのないものだ。

あらためて、お

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鳥羽周作と元・料理人のお父さん(後編)

鳥羽周作と元・料理人のお父さん(後編)

料理人の子どもは、料理人。
脈々と受け継がれているイズム。
sioのイズムの源泉はここにありました。

YouTubeの登録者50,000人を記念して、特別ゲストにお越しいただいたお父さん。

(YouTube内でも少し触れられていましたが)料理人になって、意見の食い違いで1年半絶縁していたというシェフとお父さん。それから数年経って、こうやって自分のYouTubeチャンネルでコラボすると思うと、見

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一流の編集者が持つ「気にしい力」「やりきり力」「普通力」ともう一つの力。

一流の編集者が持つ「気にしい力」「やりきり力」「普通力」ともう一つの力。

言葉は、誰が言うかによって、より重力がかかります。

編集者はもっと、自分自身がおもしろがっているかどうかに敏感になるべきではないでしょうか。

ー 世の編集者へ。自分が読みたい記事を作っているか?|株式会社WORDS竹村俊助氏による編集相談室
 そのコンテンツ、誰がおもしろがるの?の章より

前田裕二さんの『メモの魔力』、佐藤可士和さんの『佐藤可士和の打ち合わせ』の編集者で株式会社WORDSの代

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鳥羽周作と元・料理人のお父さん(前編)

鳥羽周作と元・料理人のお父さん(前編)

シェフがやっているYouTubeチャンネルが5万人を突破しました。
そこで、誰かゲストを呼ぼうという企画が立ち上がりました。
まさかのゲストにシェフは戸惑っていました。

YouTube『鳥羽周作のシズるチャンネル』の5万人記念に特別ゲストとしてお呼びしたのは、シェフの実のお父さんでした。このYouTubeを見た方からの温かいコメントの数々。レシピ動画ではなく、ちょっとしたドキュメンタリーになって

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人間はきっと、『夢追い人』と『トラウマ人』の2つに分かれる

人間はきっと、『夢追い人』と『トラウマ人』の2つに分かれる

PCの右上を見ると、18:59。何とか間に合いました。もらったURLにアクセスして画面を覗くと、人がいます。取材の練習をしようと、19時から約束していたのでした。取材と言っても移動する必要はなく、Wi-Fiとパソコンさえあれば、そこがすぐに取材ルームになります。対面ならではの温度感はあると思いますが、画面上でも表情がしっかり読み取れれば、温度は感じられる、そんな気がします。

こんな時代じゃなけれ

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ペアリングを超えた唯一無二のマリアージュレストラン|JULIA シェフ naoさん・ソムリエ モトさん 【 #僕らの家族 】

ペアリングを超えた唯一無二のマリアージュレストラン|JULIA シェフ naoさん・ソムリエ モトさん 【 #僕らの家族 】

マリアージュとは、ワインと料理が相互に高め合う口福体験である。

もう一つ、結婚という幸福な意味がある。

外苑前にあるレストラン、JULIAを知っているだろうか。

ワインから着想を得て月替わりで内容が変わる10皿前後のフルコース。
料理とワイン、息の合ったコンビ。

それもそのはず、夫がソムリエで妻がシェフだ。サービスの才能を遺憾なく発揮してもらうために、未経験ながらもシェフの道を選んだnao

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天才になれなかった男。Don Bravo平雅一|劣等感の先に見えた唯一無二のスタンスとは 【#僕らの家族 】

天才になれなかった男。Don Bravo平雅一|劣等感の先に見えた唯一無二のスタンスとは 【#僕らの家族 】

「トバっち、来月のコースなんだけどさ」

平さんと鳥羽は、営業後の電話が日課だ。
毎日料理の話をしている2人。
本当に料理バカなんだと思う。

僕は聞いた。

「平さんはこれから何をやりたいんですか?」

すると、彼はこう答えた。

「やりたいことはいっぱいあるけど、正直トバっちみたいに具体的な未来は描けてないんだよなぁ。」

料理で幸せの分母を増やすために邁進している鳥羽と、同じ熱量で料理談義し

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