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短編小説・エッセイ

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誰かの心の中を描いています。
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記事一覧

ご利用は計画的に。笑ってしまった国語の宿題

子どもの発想って、やわらかいなぁとよく感じます。 今日は、小学生の息子が持ち帰ってきた国…

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母とのランチは「虫歯を抜きに歯医者にいく」のと似ている

みなさんにとって「母親」とは、どんな存在ですか? 私には69歳になる母がいますが、私と母は…

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僕とかぐや姫

みなさん、こんにちは。 大学3年の音谷といいます。音谷は「おとや」と読みます。 みんなから…

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スクランブル交差点付きの喫茶店

ーー「スクランブル交差点付きの喫茶店」ということなんですが、最初聞いたとき、どういうとこ…

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名前が書かれた誘導灯

ーーーーーー ねえ、みっちゃん。この話、知ってる?「名前が書かれた誘導灯」の話。 え、知…

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新発売の2021年夏モデル!最新機種「腐敗するスマホ」

ーーーーーーーーーーー いらっしゃいませ。 どのようなスマホをお探しですか? あ、こちら…

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作家の田丸さん「物語の発想法を学ぶ」で、物語をつくってみた~「老夫婦経営の高級ホテル」~

2021年8月12日(木)に、ショートショート作家・田丸雅智さん講師のオンラインイベントに参加しました。 そこで教えてもらった「物語の発想法」から、オリジナルストーリーを作ってみました。 ショートショートストーリー「老夫婦経営の高級ホテル」 ギィィィ… と重い扉が開く。 文化財にでも指定されているかのような、歴史感じる建造物。どうやらここは、ホテルのようだ。 ダークブラウンを基調とした重厚感のあるロビーには、ゆったりとしたクラシックが流れている。 「私に、生きている

2022年4月期の新作ドラマ『東京シェアハウス物語』第1話

「ね、見て。豚丼500円が、半額の250円なんだよ」 目の前にあるのは、香ばしそうなタレを絡め…

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忘れていた「噛み合わなさ」を思い出すとき。恋愛ショートストーリー

私は今、昔付き合いのあった男性と喫茶店にいて、溶けかけのクリームソーダをなぜか見つめてい…

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どしゃ降りの朝に、君がいてくれて

枠にはまったガラス窓の奥は、一面の桜だった。 開いた桜の花たちを「ほれ見てみろ」という具…

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彼女の名前は、まだ呼ばない

「これ、僕のおやつなんですよ。大容量のを何種類か買って食べてるので、いつも余っちゃうんで…

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5月は「3つのなくしもの」

5月4日、晴れ。風が強い。ベランダ越しにお隣さんと、そのまたお隣さんの様子をうかがうと2軒…

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君は僕じゃないから

小学3年生になった息子が「野球をやりたい」といったとき、僕は小躍りするほど嬉しかった。 …

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2190日の恋

色のない世界は、どんなふうに見えるんだろう。 そう思いながら、路肩にジッと息をひそめるクリーム色の軽自動車の運転席で、ゆっくり藍色がかっていく空を見ていた。 昼に食べたはずの「かき揚げ蕎麦」が、まだ胃に残っているのを感じる。左手にはめた腕時計が「17:00」を示したのを確認して、車にエンジンをかけた。 ゆっくりと加速する車のアクセルは、朝より踏みやすい。「今日もおつかれさま」とつぶやいてみたけれど、車の中は僕1人なので当然返事は返ってこない。 働きはじめて4年がたち、