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一言も話さずにプレゼンを成功させた話。

――いざ迎えた本番、「喉が痛くて声が出ないから一言も話さずにプレゼンをする」という無謀ともいえる挑戦をし、僕は自分でも驚くくらいに成功を収めることができました。


人生は物語。
どうも横山黎です。

大学生作家として本を書いたり、本を届けたり、本を届けるためにイベントを開催したりしています。

最近は音声配信も始めました。毎週金曜日22:00から僕のお気に入りの本を紹介するライブ「FAVORITE!!」を開催しています。興味を持たれた方は是非遊びに来てください。



今回は「一言も話さずにプレゼンを成功させた話」というテーマで話していこうと思います。



📚第4回「TALK ABOUT!!」に登壇!

昨日、「TALK ABOUT!!」というトークイベントが開催されました。自分の好きなことや伝えたいことについて約5分間で話すイベントで、今回で4回目の開催となりました。

毎回会場が変わっているんですが、今回は茨城県那珂市阿字ヶ浦にある「イバフォルニアベース」というコミュニティスペース。潮騒の聴こえる心地の良い場所です。



僕は第2回の開催のときにも参加していて、そのときは自分の小説『Message』について語りました。僕は長らくビブリオバトル(5分間でおすすめの本を紹介するイベント)に参加してきたため、人前で話すことにも、5分という時間感覚にも、他人より慣れています。

伝えることはちゃんと伝えて、読みたくなるような構成で話して、笑いどころもつくって、全力で語りにいきました。

聴いてくれている人たちの空気がとっても良いこともあり、想像以上に上手くいったことを今でも覚えています。その日だけでちゃっかり5人に手売りできました。



今回も僕はかねてから登壇者として参加することを申請していまして(そう、申請すれば誰でも登壇できるシステムなんです)、当日も熱い思いを胸に現地へ向かったんですが、今回僕は「一言も話さずにプレゼンをする」という謎の挑戦を果たしました。

「無言で、伝える」

そんなプレゼンをしたんです。


📚「声が出ない」を武器に

というのも、僕は近頃夏風邪をこじらせまして、喉をやっちゃっているんですね。今日の昼から謎の回復を見せ始めたんですが、昨日までは上手く声を出すことができませんでした。

声が出ない状態で熱い思いを伝えることなんてできませんから、トークイベントに登壇するなんて現実的ではありません。実をいうと一度、イベント不参加の意志を主催者のはやぶささんに伝えたんです。一度、あきらめたんです。

しかし、行けば絶対に良い時間が待っている。面白い人がたくさん集まるし、面白い話がたくさん聴ける。そんな機会を、自分の体調が良くないことだけを理由に逃すなんてもったいない。声が出ないから、参加しないなんて……。

そこで僕は思ったわけですね。

声が出なくても、プレゼンはできるんじゃね?

思いついたときは自分でも自分を疑いましたが、考えれば考えるほどやってみたいと思うようになりました。面白そうだとわくわくしてきたんです。

「TALK ABOUT!!」では、登壇者はモニターを使ってスライドを見せながら話すこともできます。これまでにも多くの登壇者がそうしてきました。そうです。スライドさえあれば、思いは伝えられるんじゃないかと考えたわけです。スライドの文字ひとつひとつに思いを乗せて、メッセージを贈る。個人的にやってみる価値はあるなと思いました。

逆に「声が出ない」ことを武器にして、笑いを取ることもできるかもしれない。声が出ないからこそできることがあるはずなんですよね。

……という思考の流れによって、前言撤回。主催者のはやぶささんに断って、やっぱり参加することを伝えました。

そこから話の構成を練りながらプレゼン資料をつくって、イメージトレーニングをしながら修正していって、準備を進めていきました。

いざ迎えた本番、「喉が痛くて声が出ないから一言も話さずにプレゼンをする」という無謀ともいえる挑戦をし、僕は自分でも驚くくらいに成功を収めることができました。


📚声が出なくてもプレゼンはできる

今回の僕のテーマは「ビブリオバトルの可能性」で、人と本が集まる場所づくりの意義について語る予定でした。もちろんそれを伝えることに違いはないけれど、「一言も話さないでプレゼンをする前置き」をしなければいけません。

で、聴いてくれている人を不安にさせないためにも、プレゼンの始まりで盛り上げる必要があります。盛り上がりどころ、笑いどころをつくらないといけなかったのです。

「プレゼンを始める前に、みなさんに謝らなければいけないことがあります」というスライドから始まり、僕の状態を伝え、それでもプレゼンをやることを宣言していきました。

静かにスライドだけが流れていくなか、徐々に「ええ」や「おお」や笑い声が聞こえ始めました。


スライド⑩
スライド⑪
スライド⑫


このスライドの「(拍手!!)」にはアニメーションが付いていて遅れて出てくるんですが、これを出す前に会場から拍手が沸いたし、


スライド⑬
スライド⑭


このスライドの「(いぇーい!!)」も同様、出てくる前に会場から「いえーい!!」と声が上がりました。これには僕も静かに仰天しました(笑)

やっぱり「TALK ABOUT!!」の魅力は参加者のつくりあげる空気の温かさですね。一番といってもいいかもしれないくらい、本当に価値のあるものです。それだけで、話し手はやりやすさが変わってきますから。



話を戻しますが、以上のような感じで僕は「無言のプレゼン」を実現させたわけです。

ちなみに途中、中だるみしてしまうと思って、急遽アシスタントを任命してスライドの文章を音読してもらったり、スライドの問いかけに答えてもらったりしました。

そんな風にどうにか飽きずに聴いてもらう工夫を凝らし、伝えたいことを伝えにいきました。プレゼンの最後、僕は大きな拍手に包まれていました。



そろそろ話をまとめますが、今回の経験を通じて一番印象的に思ったことは、「ちゃんとやることやったら、無言でもプレゼンは成り立つ」ってことですね。

イベントにはセオリーやマニュアルが存在するけれど、それをこなすことが目的ではありません。参加者に楽しんでもらうことが、主催者の目指すべき目的です。

プレゼンやエンタメにもいえることで、型通りに越したことはないけれどそれだけが正解じゃなくて、聞き手や受け手に楽しんでもらって、満足してもらえたなら、それはそれで価値のあることで、正解なんですよね。

発表後、「面白かったです」「プレゼン、最高でした」「めっちゃ上手いですね」と声をかけてくださる方がたくさんいて、やってよかったなと思ったし、どんな向かい風のなかでもお客さんを楽しませることはできることを知りました。

喉が痛くて声が出なかったけど、参加することを決めた自分を褒めてやりたいです(笑)

たまには「無言プレゼン」もいかがでしょうか? 是非、みなさんもやってみてください(笑) 最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

20230925 横山黎


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