ノクターナルアニマルズ4

映画【ノクターナル・アニマルズ】は男の綿密な復讐劇

復讐は綿密なものであるほど美しい。



気になるな〜と思いながら、数年ほど経って観れた作品をご紹介。

【ノクターナル・アニマルズ】(2016)


セレブもご用達の有名ブランド「トム・フォード」の創設者トム・フォードがメガフォンを取り、原作「夜の獣たち」を実写化した今作。天才ってこの人のことかもしれません。


洗練されたアートと綿密に練られた映像の構成で思わず見入ってしまう新しいミステリードラマです。


キャストには「メッセージ」のエイミー・アダムス

ナイト・クローラー」のジェイク・ギレンホール

最近、観て印象に残る面白さがある映画に大体ジェイクギレンホールが出演してらっしゃいます。(彼はわざと大作映画に出ず、作品をよく吟味して出演を決めている俳優さん。彼の出演作はハズレがあまりないです。)


今作は、現在・過去・フィクションのお話が入り混じった、少し複雑な構成になっているお話です。

主人公・スーザン(エイミー・アダムス)はアートデザイナーの仕事も大成し、夫と何不自由ない暮らしを送っていた。しかし、心はどこか満たされないまま。そんなある日、20年前に別れた小説家の元夫・エドワード(ジェイク・ギレンホール)から一冊の小説がスーザンの元へ送られてくる。小説の中身は、温厚だった元夫が書いたとは思えないぐらいの暴力的で衝撃的なサスペンス作品。読んでいくうちに作品にのめり込むスーザンだが、最後、小説に隠されたエドワードのメッセージに気付く…


この映画の一つのテーマは、

男から女への復讐。

女から男への復讐を描いたものはわりと多い気がしますが、そう考えると男から女への復讐を描いたものってなかなかないですよね。


じゃあ、その復讐とは?という話なのですが

弱かった自分を見下した彼女」へ時を経て、成長した姿を小説で間接的に記し、それをわざわざ彼女の手元に送り読ませ、

彼女が自分を見直し、再び興味を持たせること。


これが、エドワードの練りに練られた復讐の全貌だと思います。

ある意味、復讐の仕方が女々しいといいいますか。


男だったら、

他の女と一緒にいる写真をフェイスブックにUPする!とか

直接会いに来て何かを言ったり、だとか

少々ダイレクトでシンプルな行動を取る傾向が多い気がしますが


エドワードは20年の間に綿密な復讐の計画を無意識につくり、昔とは変わったからこそ、このように思い切った行動に出れたのだろうな、と…

いかにも女の執着心!といった感じ。すごい。


憎悪や復讐心というのは、心底相手を信用していたり愛していたりしたからこそ生まれるものですからね。

エドワードは、心の底からスーザンを愛していたんだと思います。




そんな復讐心がテーマの今作ですが、まず観た時に大きく感じたのは


まったく飽きない!


ということ。


映画を見る上で、本当に大事なポイントですよね。

私は「ビフォア・サンライズ」みたいにダラダラなんでもないことを喋っている映画も好きだったりしますが、やっぱりどうしても映像だけ観させられていたりすると、途中で必ず小さな飽きがくるんですよね。

それも含めて映画の魅力だとは思いますが、人間、一度切れた集中力ってなかなか戻らない。

アクション映画でも飽きてしまう場面ってあると思うのですが


この「ノクタール・アニマルズ」は画面に見入ってしまうほどにまったく飽きを感じさせない映画。これはすこし驚いた。もう終わっちゃったの!?って。


無駄がないし、映像がシャープでどこか毒っ気がある。

キャストたちの演技も素晴らしいし、なにより物語の構成がよく作られている。



エドワードの心情と物語の中の主人公の気持ちが状況は違えどもリンクしているし、

何より、エドワードが書いた物語はかなしく恐ろしいが、情や責任感など人間的な熱い部分も描かれていてとても面白い。


物語内での犯人を主人公と共に追う刑事をマイケル・シャノン(近年では「シェイプ・オブ・ウォーター」出演)が演じているのですが、もうまさに助演男優賞!っていういい演技で良かったです。

この映画の中で一番好きなキャラクター。情に厚く潔いかっこよさ。



あとは、やはり世界が認めたデザイナーが撮っているだけあって

要所、要所で洗練されたアートが視界に飛び込んでくる。

まっ裸の肥えたおばちゃん寝ちゃってる…

日本のアートの表現ではなかなかない刺激的なアートが楽しめるのもこの映画の魅力です。




さて。長くなりましたが久々にミステリー映画で面白いな〜!と純粋に思えた映画でした。

トム・フォード、センスが光りすぎているので、またはやく新作を撮って欲しいです。たのしみ。


皆様も是非、気になった方は見てみてください。

観て、後悔はしない作品だと思います。たぶんね。


ではでは

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