横野弘征

㈱横正機業場の専務。新潟県五泉市で絹織物白生地製造を行っています。2013年に36歳で…

横野弘征

㈱横正機業場の専務。新潟県五泉市で絹織物白生地製造を行っています。2013年に36歳でシステムエンジニアから家業に入る。兄である社長と共に、白生地(素材)の素晴らしさはもちろん、「100年企業」としての歴史を支えた職人さんに感謝し、次の100年に向けて、白生地のみらい、を探る。

記事一覧

100年白いシルクを織り続ける絹織物工場がマスク作りをITシステム構築"ふう"に考えてみた

シルクの織物工場として、不織布マスクを少しでも医療機関に回せるように、シルクの布マスクの生産すること、それをシルクを欲している人に届けたい と思っていますが、内…

横野弘征
4年前
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マスクが日常によりそうスマートシルクマスクという取り組み

このnoteに書くのも大変久しぶりとなりました。 連載していたユナイテッドアローズ創業者の重松さんとのストール開発。2年たって納められないという超恥ずかし系な進行中…

横野弘征
4年前
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[その8]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞草木染の作戦会議

重松さんからご要望を頂いたのは ・70cm幅以上の絽と紗の草木染のストール ・一度試作した生地は、もう少しボリュームがほしい あと生地を見ていた時の雰囲気から、 ・…

横野弘征
5年前
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[その7]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞草木染は星名さんとやるで。

2016年11月30日、東京国際フォーラムにて行われていたPremiumTextileJapan(以下、PTJ)に出展していた私たち(横正機業場)のブースに重松さんに来ていただきました。 ブ…

横野弘征
5年前
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[その6]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞要望された生地を試しに作ってみる

過去2回にわたり、本当は私たちが伝えたいことを、タイトルから少し逸脱して、書いてきました。 五泉のシルクを知って頂きたいがために、ユナイテッドアローズ名誉会長の…

横野弘征
5年前
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[その5]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞誰のための何のためのブランド

前回、生地の展示会にでるのに生地を売らない、という選択をしたと書きました。 その効果について先に書いてみたいと思います。 吉とでたか、凶とでたか。それは、はっき…

横野弘征
5年前
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[その4]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞なぜ自信満々の新しい生地が商談にならなかったのか

前回、展示会申し込み時と出展時で事業の方向性をガラッと転換させてしまった、と書きました。 どういうことかというと、 今までは、生地だけを売る工場だったのですが、…

横野弘征
5年前
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[その3] UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞素材工場がなにすべきか

「ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話」なのですが、タイトルが長いから、今度から、 「episode-X U…

横野弘征
5年前
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[その2]ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話

前回とりあえず、少しうざめ自己紹介をしたので、タイトルの通りの話をまず進めないとですね。 重松さんとの出会いは、いつ、どこでか、という話です。 さて、その前に、…

横野弘征
5年前
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[その1]ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話です

タイトルからファッション業界の超有名人の名前を出していますが、一応承認もらって書き始めています。 わたくし新潟県五泉市の絹織物工場である「横正機業場」のものです…

横野弘征
5年前
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100年白いシルクを織り続ける絹織物工場がマスク作りをITシステム構築"ふう"に考えてみた

100年白いシルクを織り続ける絹織物工場がマスク作りをITシステム構築"ふう"に考えてみた

シルクの織物工場として、不織布マスクを少しでも医療機関に回せるように、シルクの布マスクの生産すること、それをシルクを欲している人に届けたい

と思っていますが、内心シルクは嗜好品的要素がとても強く、マスクがシルクである必要性はなんだろう?本当に必要としている人は誰なのだろうか?と日々問いかけていました。

それに、世間ではコロナにより仕事が激減などよい話がない中、ただただ中身もなく流れにのってマス

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マスクが日常によりそうスマートシルクマスクという取り組み

マスクが日常によりそうスマートシルクマスクという取り組み

このnoteに書くのも大変久しぶりとなりました。

連載していたユナイテッドアローズ創業者の重松さんとのストール開発。2年たって納められないという超恥ずかし系な進行中のものづくりの話。

実質3年たってまた納めておらず、もうすぐ4年目に突入してしまいそうな勢いです。(情けない)まもなく納品!!というところでコロナウィルスなどもあり、少しストップというところです(くやしい)

それはそれできちんと整

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[その8]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞草木染の作戦会議

[その8]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞草木染の作戦会議

重松さんからご要望を頂いたのは

・70cm幅以上の絽と紗の草木染のストール
・一度試作した生地は、もう少しボリュームがほしい

あと生地を見ていた時の雰囲気から、

・紋紗の生地(ヘリンボーン柄)に興味をもたれていた。

ということ。

さらに草木染については、

御社がお取り引きあります染め屋さんの可能性並びにミニマムの染めロットを確認頂き・・

ということ。

これらの情報から、どうしていく

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[その7]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞草木染は星名さんとやるで。

[その7]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞草木染は星名さんとやるで。

2016年11月30日、東京国際フォーラムにて行われていたPremiumTextileJapan(以下、PTJ)に出展していた私たち(横正機業場)のブースに重松さんに来ていただきました。

ブースはこんな感じです。

ここに重松さんに来ていただき、試作した生地をご紹介させて頂きました。

その時の生地についての反応は

・試作した生地は、もう少し男性向けにボリュームがほしい

・紋紗の生地(ヘリン

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[その6]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞要望された生地を試しに作ってみる

[その6]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞要望された生地を試しに作ってみる

過去2回にわたり、本当は私たちが伝えたいことを、タイトルから少し逸脱して、書いてきました。

五泉のシルクを知って頂きたいがために、ユナイテッドアローズ名誉会長の重松さんの名前をタイトルに使わせてもらうという、なりふり構わぬ行為。笑

ちょっとタイトルに沿った話に戻したいと思います。

2016年5月25日~2016年11月30日この期間が、初めてお会いしてから、2回目にお会いするまでの期間です。

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[その5]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞誰のための何のためのブランド

[その5]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞誰のための何のためのブランド

前回、生地の展示会にでるのに生地を売らない、という選択をしたと書きました。

その効果について先に書いてみたいと思います。

吉とでたか、凶とでたか。それは、はっきり言えば分かりませんが、あれから2年たち私としては「大吉」だったと信じています。。ただ、会社や五泉にとってベスト(最善策)であったかは正直疑問があります。

確かに生地の品質が抜群に良い。同じようなものは他にない。という自信があり(本当

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[その4]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞なぜ自信満々の新しい生地が商談にならなかったのか

[その4]UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞なぜ自信満々の新しい生地が商談にならなかったのか

前回、展示会申し込み時と出展時で事業の方向性をガラッと転換させてしまった、と書きました。

どういうことかというと、

今までは、生地だけを売る工場だったのですが、新しく作った生地は、売らないことにしたのです。

これだけ聞くと、なんだか良く分かりませんね。前にも書きましたが、私たちは、主にキモノやお坊さんの衣になる、染める前の白の絹の反物を作っている工場です。商品はこれです。

それで、今回展示

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[その3] UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞素材工場がなにすべきか

[その3] UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞素材工場がなにすべきか

「ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話」なのですが、タイトルが長いから、今度から、

「episode-X UA重松名誉会長に2年たって納められない話➞XXX」

としてみます。

さて、少し寄り道になりますが、なぜ受注生産の素材(染めるための布)工場が、自分たちでテキスタイルの展示会にでたのか?ということを書いてみます。

まず、衣類

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[その2]ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話

[その2]ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話

前回とりあえず、少しうざめ自己紹介をしたので、タイトルの通りの話をまず進めないとですね。

重松さんとの出会いは、いつ、どこでか、という話です。

さて、その前に、私たちのポジションをもう一回かきます。
地方の中小零細の工場です。
工場?といっても色いろ、もの作っていれば皆工場です。

ですので、私たちのポジションを説明します。
きものでも、洋服でも、流通するときにはこんな感じと思います。

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[その1]ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話です

[その1]ユナイテッドアローズ名誉会長の重松氏からセレクトしてもらったが、2年たってまだ納められていないお話です

タイトルからファッション業界の超有名人の名前を出していますが、一応承認もらって書き始めています。

わたくし新潟県五泉市の絹織物工場である「横正機業場」のものです。
工場で作っているものは、着物や法衣(お坊さんの衣)の染めるまえの白い布です。これを白生地(しろきじ)といいます。

そんな私たちが、ユナイテッドアローズの創業者であり、現在、名誉会長にある重松理さんから、ある注文を頂きました。
しかし

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