「人間は、先を見通す能力なんてないんです。 」 未来は曲線で描く時代
ロッシーです。
100均で有名なダイソー(大創産業)の創業者である矢野社長が逝去しました。
ご冥福をお祈りいたします。いろいろと調べると、矢野社長はかなりユニークな方だったんですね。
例えば以下のサイトに矢野社長の名言がまとめられています。一見するとネガティブとな言葉が目立ちます。
例えば以下のような言葉。
私はこの言葉が潔くて好きです。
どの企業でも、経営にあたっては中期経営計画など、いわゆる「経営計画」を策定するのが当たり前です。
私自身、経営計画を策定する作業に関わったことがありますが、
「本当にこういうものを作ることに意味があるのだろうか?」
と思いながら当時やっていましたし、その思いはいまだに払拭できていません。
「計画を立てることは大事だ」
と言う人に、
「でも、計画通りに行ったことないですよね?」
と言うと、
「いや、計画を立てているからこそ、そこからのズレが分かるんだ。」
と言われます。
つまり、計画からズレたときに何が原因でそうなったのかを究明できるようにしておくことが大事だということです。
その意味では、経営計画というのは、未来に向かって「補助線」を引く行為といえるのかもしれません。
補助線を引く意義を完全に否定するわけではないのですが、それに投入するリソースと、そこから得られるメリットがあまり釣り合っていない印象を持っています。
どうせ補助線なのであれば、簡潔にサクっと引けばよいのかもしれませんが、そういう会社は稀でしょう。
やはり会社で「経営計画を策定する」となると、厳密に計算して、しっかりとした補助線を引こうとするものです。
中には、今後10年間の計画をつくれとかいうのもあったりします。
「いやいや、来年どうなるのかも分からないのに、10年って何よ?預言者か?」
と思ってしまいます(笑)。
そうやって大規模なリソースを投入して策定した経営計画は、その後「現実とのズレ」を測定して企業経営にフィードバックさせることもなく放置されがち、というのがよくあるパターンではないでしょうか。
作るときだけ一生懸命で、その後のメンテナンスをおろそかにしてしまう。こういうのは、日本企業のあるあるですよね。
それなら、そもそもそんなものを作る必要はないのではないか?
矢野社長の真意はそのようなものだったのかもしれません(知らんけど)。
さらに、矢野社長はこうも言っています。
先を見通せると思っている人、つまり「自分は知っていると思っている人」が意外に多いのかもしれませんが、現実には先を見通すことができる人なんてほぼいません。
自分にはできないことを、できないときちんと認めること。これはかなり高度な知性と勇気を要求しますが、矢野社長はそれが自然にできたのでしょう。
『論語』でも同じようなことを言っていますよね。
昔の時代における企業経営では、先が見通しやすかったのだと思います。
その時代を生きてきた人は、現在を起点として、未来に向かってに右肩上がりの直線を引くことが当たり前だったのでしょう。
そういう環境であれば、厳密な経営計画を立て、その精度を高くすることが大事だったのだと思います。
しかし、いまのVUCA時代にそのような真っ直ぐな補助線を引けるでしょうか?
おそらく難しいでしょう。
であれば、無理やり直線を引こうと頑張るのではなく、「未来は曲線なのだ」という認識のもと、適宜軌道修正していくしかないと思います。
そういう時代を私達は生きているわけですが、悲観する必要はないと思います。曲がりくねった道を楽しめばいいと思います。
俳人の種田山頭火の有名な一句にもありますよね。
最後までお読みいただきありがとうございます。
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