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2024年のNISA大改定〜どのようにNISAを利用すべきか〜

毎日note365日を終えて4ヶ月ぶりに記事を
作成しています。

皆さんお久しぶりです!

最近は公式LINEにて情報を限定的にお伝えして
いましたが、今回のネタは公式LINEの500文字
では伝えきれないので、久しぶりにnoteを活用
することにしました!

では本題ですが、2022年12月16日に税制改正
大網が発表されました。

そもそも税制改正大網とは、毎年12月に各省庁
からあがってくる税制改正案を、与党の税制
調査会が方針をまとめたものです。

そして、この税制改正大綱をもとに法案が作成
され、翌年2月に改正法案が国会で審議される
という流れです。

よって、この税制改正大網は翌年度以降の我々
の生活に関わる税金などのルール変更がたくさん
盛り込まれているというわけです。

令和4年度税制改正大綱では「住宅ローン控除」
の大きな改正がありました。

令和5年度税制改正大綱もなかなか大きな改正
が盛り込まれていました。

例えば下記のような内容です。

・NISA恒久化
・超富裕層への課税強化
・住宅ローン控除の確定申告等手続き
・生前贈与の相続財産加算期間延長
・相続時精算課税制度の見直し
・教育資金、結婚・子育て資金の一括贈与に
 かかる贈与税の非課税措置延長
・自動車重量税のエコカー減税の見直し
・防衛費増額の財源確保 など

この中でも、多くの方に目玉となる内容は
やはり「NISA恒久化」ではないでしょうか。

NISAについては過去記事で作成しましたが、
改めて簡単におさらいします。


そもそもNISAとは

「NISAをやりたい」という人が多くいますが、
NISAを商品だと思ってる人が多いです。

NISAとは少額非課税投資制度と言われる国が
国民に用意している投資「制度」の1つです。

イギリスのISA(Individual Savings Account
=個人貯蓄口座)をモデルに日本版ISAとして、
NISA(ニーサ・Nippon Individual Savings Account)と呼ばれています。

この制度を使って、株や投資信託などを買う
ことが「NISAをする」ということです。

通常、株や投資信託等に投資した場合の利益
には約20%の税金がかかります。

しかし、NISAを活用すれば、毎年限度額内で
購入した金融商品から得られる利益は非課税
となる制度のため人気を博しています。



では、今回のNISA恒久化の改定を理解する
ためにも、現行のNISA制度の種類と違いに
ついても振り返っておきましょう。

現行NISAの種類とそれぞれの違い

NISAには2022年12月現時点で3種類の制度が
用意されています。


①一般NISA

利用年齢:20歳以上
投資限度額:年間120万円
運用期間:5年間
総限度額:600万円
投資対象:上場株式、ETF、投資信託

②つみたてNISA

利用年齢:20歳以上
投資限度額:年間40万円
運用期間:20年間
総限度額:800万円
投資対象:ETF、投資信託
※商品は一定の要件を満たしたもののみ

③ジュニアNISA

利用年齢:日本在住0歳〜19歳
投資限度額:年間80万円
運用期間:5年間
総限度額:400万円
投資対象:上場株式、ETF、投資信託
※18歳まで払い出し制限あり


以上の3つが現行の制度です。
ジュニアNISAは2023年度で廃止予定。


そして、今回のNISA恒久化は①②に記載の
NISAとつみたてNISAが改定となります。

イメージ的にはNISAとつみたてNISAが一本化
されるイメージです。

今回の改正の背景には岸田内閣が掲げる
「令和版・資産所得倍増計画」があります。

NISA改正背景

令和版というだけあって、何かを踏襲している
のですが、それは1960年に池田勇人内閣が
掲げた所得倍増計画です。

1961年からの10年間で日本の実質GDPを
2倍にするという目標ですが7年で達成されて
います。

GDPとは、「Gross Domestic Product」
の略で、「国内総生産」のことです。

国内で一定期間の間に生産されたモノや
サービスの付加価値の合計金額のことです。

いうならば、日本が儲けた金額の合計という
ことです。

GDP2倍になれば、一般的に賃金も2倍に
なるため「所得倍増」と言えます。

しかし、当時の日本経済は高度成長期にあり、
1956年頃から1973年まで年平均10%の成長
を実現していました。

戦後の自律的な特需から生む高成長であった
ため、当時は特段個人が何をせずとも、日本
経済の成長と共に、所得も増加していくという
勝ちゲーだったわけです。

ですが、令和版ではそうわいきません。

日本は高度成長期を終えて、バブル崩壊を
してから25年近く賃金は横ばいです。

世界経済はインフレし、経済が活発化する中、
日本だけは貧困化の一途を辿っています。

そこには、いくつかの理由があります。

1つは人口減少です。

2021年過去最少の81.1万人に続き、2022年の
出生数が初めて80万人を下回る見込みです。

第二次ベビーブームにあたる1973年の約209万人
を境に減少が続いています。

また、日本の総人口も約1億2,485万人で13年
連続減です。

人口の減少=労働人口の減少ですので、
国内市場の縮小や経済成長の低下にに繋がり
ます。

2つ目は消費の減少です。

人口減少となると、消費をする人が減るため、
企業の売上は減少し、日本経済の衰退に繋がる
わけです。

また、そこに日銀が消費を促そうとゼロ金利
政策などを実施したことから、対外的な円の
価値の低下が円安に繋がり、賃金は上がらない
悪いインフレに繋がるという悪循環です。

3つ目は日本の競争力低下です。

IT産業が発達する中、IT化をすぐに取り組んだ
海外企業はどんどん成長し、国としても成長
を遂げています。

GAFAMと言われる米国の巨大IT企業たちは
その最たる例です。

日本はこのIT化に遅れを取ったために、
世界にシェアを奪われ搾取される国に回った
ということです。


このようなジリ貧な日本経済と少子高齢化に
伴い、社会保障制度もどんどんアンバランス
になりつつあります。

医療の進化に伴って平均寿命は延伸し、高齢者
の医療費や介護費は増加し、年金の支給も増加
していきます。
しかし、それを支える若者の数が減少している
ため、負担と給付が成り立たなくなってきて
いるのです。

そのため、岸田政権は「貯蓄から投資」を掲げ、
「資産所得倍増プラン」の1つとしてNISAの
恒久化を用意したわけです。

そのため、老後の費用を賄う制度は用意した
から自分たちでしっかり準備をしてくださいね
というのが、国が目先の税減収をしてまでも、
NISAを推進する理由の1つでしょう。

NISAを日本で打ち出したのは2018年ですが、
4年経ってもどうしようもない状況でいよいよ
やばいとなって恒久化に踏み出るとも取れます。


加えて、過去記事でも記載の通り、日本の現金
保有率は世界的にみてもトップクラスです。

出典:日本銀行調査統計局 資金循環の日米欧比較


日本の金融教育の少なさが生み出した結果です。

そのため、国としてもNISAという制度を拡充
して、少しでも国民1人1人に投資で金融資産
を増やしてもらおうということです。

背景話が長くなりましたが、ではこここらが
そのNISA改定についてです。

2024年以降のNISA改正内容

実際の改正については2024年からとなります。
そのため、来年の2023年はまだ現行の一般or
つみたてのどちらかのNISAを活用することに
なります。

現行NISAは2024年からの改正とは別枠で
計算しますので、2023年から始められる人は
始めても問題ありません。

2024年からは全員0から新たに用意ドンです。

では、細かな改正部分ですが、下記の通りと
なります。

□投資可能期間

2042年までと期限付きであったものが、
恒久化としていつからでもOKとなりました。


□非課税期間

つみたてNISAは最長20年
一般NISAは最長5年
であったものが恒久化として無期限で
非課税運用が可能となりました。
これはかなり大きいです。


□年間非課税枠

つみたてNISA40万円は、つみたて型と名称を
変更して120万円までとなります。

一般NISA120万円は、成長投資枠と名称を
変更して240万円までとなります。

それぞれ合算して年間360万円までOKです。


□生涯投資枠

つみたてNISA最大800万円
一般NISA最大600万円
であったものが最大1800万円となります。
うち成長投資枠1200万円までです。

□併用について

現行NISAはつみたてか一般どちらかを選択
するため、併用は不可でしたが可能となります。


以上が改正点です。

では、ここからは2024年以降のNISAを
どのように活用していくかです。

2024年以降のNISA活用戦略

NISAの最大のメリットはなんといっても

投資から生まれる利益が「非課税」ということ

これに尽きます。
その期間が恒久化されたのでなおさらです。

上記記載のとおり、株や投資信託等に投資した
場合の利益には約20%の税金がかかります。

しかし、NISAなら非課税。

これが年間最大360万円行えるということです。

そのため、普通に投資信託を特定口座で投資
するよりNISAを優先して使うべきと言えます。

NISA枠以上に投資をしたい方は特定口座で
運用をすることになりますが、

例えば、つみたてNISAだけでもこの年間
非課税枠を使い切ることは多くの方が難しいと
思います。

月10万円で年間120万円です。

120万円×15年でマックスの1800万円に
達する計算になります。

15年間毎月10万円を投資するってなかなか
難しいですよね。

これまでの33,333円を20年間であれば
どうにかいけたかもしれませんが。

そのため、私個人としてはNISAが拡充する
からといって、無理に投資金額は引き上げない
でいいと思います。

投資金額を引き上げて生活費が行き詰まり、
NISAが継続できない、解約するということ
が最大のやってはいけないことです。

そのため、収入と支出をしっかり確認して、
可能な範囲でNISAの金額を設定しましょう。

また、もう1つ大切なことは「目的」です。

恒久化するということは「出口」は人それぞれ
になるということです。

これまでの20年間の非課税期間が終了したら
選択を迫られるということはありませんので、
必ず「目的」を持って来たる出口を見据えて
投資の管理をしていく必要があります。

おそらく多くの方が、教育資金や老後資金
として資産形成をされるものだと思います。

目的を設定するにはある程度目標とする
金額も定めなければいけません。

そのため、

・どれくらいのリターン(利率)を見込んで
・どれくいの投資期間で
・どれくらいの金額を

成果として目標にするのかを考えましょう。

例えば、30歳の方が60歳の退職を見据えて

・毎月3万円
・30年間
・5%で運用

することを目標にするとします。
このシミュレーションから得られる成果は、
積立総額1,080万円に対し、約2,496万円です。

出典:楽天証券 積立かんたんシミュレーション


しかし、これはすべては「継続」あっての
ものだということを忘れないでください。

途中で積立が途絶えてしまうと、この通りの
シミュレーションではなくなります。

プラス5%の運用が平均利回りとなるのは
なかなか大変なことです。

そんなことない!毎月3万円を絶対に投資して
続けていくんだ!と意気込む方もいらっしゃい
ますが、人生に「絶対」はありません。

例えば、あなたが「がん」に罹患して、
働けない状態になったとしたらどうでしょう。

お給料はもちろんそのうち途絶えますし、
闘病が続けば職を失う可能性もあります。

社会保険からの傷病手当金や障害年金などが
給付されたとしても、これまでの給料から
確実に目減りします。

さらに、闘病における医療費が生活費に上乗せ
となります。

家族がいればその減少した収入でやりくりを
していかなければなりません。

たちまち毎月3万円の投資は2万円、1万円と
積立額は目減りし、投資を続けられない、
ということになるかもしれません。

少し脅すような内容ですが、実際にあり得る
内容ですよね。

さらに、お亡くなりにでもなってしまった場合、
その投資リターンで教育を受けさせたり、
老後を過ごそうと思っていたご家族にとっては
当てがなくなるわけです。

NISAを活用した長期投資で成功をすることが
令和の資産形成の王道として広まってきている
ように思いますが、この何があっても継続でき
ることが前提なことを忘れないでください。

さらに、NISAとばかり騒がれていますが、
NISA以外にも金融商品はたくさんあります。

もちろんNISAは最高です。
やった方がいいですし、私もしています。

しかし、これに本当に全振りでいいのか
ということです。

長期投資かつ投資信託だから十分に分散
できているという考え方もありますが、
私はもっと資産を分散すべきだと思います。

そのため、外貨であったり保険であったり、
投資信託より手数料が0.数%高かろうが、
様々なリスクを鑑みて分散させるべきと
私は考えています。

特に、こういった「継続」という観点で
NISAの弱みを補完するのが「変額保険」です。

変額保険には「保険料免除特約」という特約を
付けられる商品が最近増えてきました。

これは何かというと、がん等に罹患した場合、
今後の保険料はもういただきませんが、
保険会社が保険料を支払ってくれてかつ運用も
続けてくれるという優れものです。

がんになって金銭面が厳しいとなったとしても、
自分はもう支払うことなく、支払いは保険会社が
続けてくれ運用も続く。

「継続」が前提にあるNISAと確実に異なる
部分でかつ優れている部分です。

例えば、NISAを3万円の半分の15,000円に
して、変額保険を15,000円組み込むという
のでも、投資が続けられないリスクの1つを
排除して、最低限の運用を続けられるわけ
です。

私個人としては、こういったNISAだけでなく
そのほかの商品も組み合わせて資産形成を
していくことをおすすめします。

人生には健康が土台にあることを忘れないで
ください。

健康という土台があって初めて、仕事や投資
が行えるんです。

そこに対してのリスクをしっかりカバーした
上で、投資を楽しむべきだと思います。

参考になれば幸いです。

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