サイのウガール

サイは、地上最強の動物ランキング第2位です。でもウガールは、そんなに強くありません。

サイのウガール

サイは、地上最強の動物ランキング第2位です。でもウガールは、そんなに強くありません。

マガジン

  • ウガールくんの毎日

    我が家にはウガールくんがいます。「ADHDの」という説明がついたのはつい先日のこと。さてこれからどうしよう、と右往左往する様子です。

最近の記事

老人と子ども

母は、60才で難病指定されている病気と診断され、その後別の病気も併発し、後期高齢者になる前から、麻痺やら脳血管性の認知症やらがあり、苦労しながら生きています。 元気だったころは、ずいぶん押し付けが強く、子どもたちの足りない部分を指摘し、「心配」し、「歪み」の補正を強要してくる人でした。 なので、私としては、今の方が付き合いやすいと感じます。 ウガールくんは、率直に、自分の興味関心のあることを人に提示し誉めてもらうのが大好きなので、母に対しても、一方的に自分の知識をしゃべ

    • 水生生物

      ウガールくんは、サイではなく、ヒト(8才)ですが、水辺の生き物のように、水遊びが好きです。 今日もプールで2時間。 去年までは身長が足りなくてできなかったウォータースライダーができるようになって大喜びです。 プールから出てアイス、帰ってきてスイカ。 基本暑がりなのだと思います。 家族はコタツが欲しいくらいな晩秋になっても扇風機を回したがります。 どこでもすぐ靴下を脱ぎます。 公園なら靴も脱いじゃいます。 発達障害の子は、体温の調節がうまくいかないのだという話もうなずけます

      • あと何駅?

        社交的、と思われるウガールくん。 どこかへ出かけるのは好きな方だと思います。 でもバスや電車に乗ると、イライラしてきます。 「あと何駅?」 必ず聞かれます。 「乗り換えは何回?」 これもいつも。 乗り換え、ではなくても、急行と待ち合わせだから急行に乗ろう、ということはよくあることだと思うのですが、ウガールくんにとっては、これも乗り換え一回に含まれます。 トータルの乗り換え回数が、最初に言ってたことと違うと、いつまでも「言ってたのと違う」といい続けます。 「うそつき」 「

        • わからない

          秋の午後、日射しがやわらかく縁側を包んでいる。 古くからの友人が、奥の台所でお茶の用意をしている。 庭にトンボが舞う。 コスモスが風に揺れる。 友人の好みは日本茶だけれど、私のリクエストで紅茶を用意してくれている。 ベルガモットの香りが漂ってくるので、それと知る。 どこかで子どもの声がする。 昭和の歌謡曲を口ずさみたくなる。 友人がゆっくりお茶と茶菓子を運んでくる。 「いきなりでごめん」 「いや、一人でいても暇だもの」 紅茶に光が射し込んで反射がまぶしい

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        • ウガールくんの毎日
          5本

        記事

          トランプの神経衰弱が強い

          ウガールくん、トランプの神経衰弱がすごく強いです。 もうずいぶん前から、私は相手になりません。 全力でやっても勝てません。 いわゆる発達障害の子の中には、同じようにトランプの神経衰弱が強い子がいるようです。 それは「視覚優位」の傾向があるからでは?という話を聞きました。 「視覚優位」の子は、耳で聞くより、目で見たほうが理解しやすい、とのこと。 「おめめどう」さんを紹介されたので、ホームページとか色々読んでみました。 目で見て、ねぇ。 で。 この夏、海に行きたい、

          トランプの神経衰弱が強い

          ウガールくんのこと

          我が家のウガールくん、8才です。 先生が黒板に書く文字をノートに写すのが間に合わないと言われたのが、春でした。 一時間に何度も手を洗うようになったのは、そのちょっと前。お正月くらい。 なんだか変だなと思ってあちこち相談に行ったら、まず、学校でトラブルがあったことが分かりました。 辛いことがあって、それをどうにかする方法として「手を洗う」ということになったようです。 その後「検査」を受けたら、ADHD、という診断名が出てきました。 授業中に立ち歩いたりはしてないけど。

          ウガールくんのこと

          今だけ

          お金がないのも今だけ 太ってるのも今だけ 残業が重なるのも今だけ 眠くて仕方ないのも今だけ あの子がかわいいのも今だけ 焼き肉が食べられるのも 雨が冷たいのも 胸の奥がズキズキするのも ほっぺたが熱くなるのも 星がきれいなのも 今だけ 優しくするのも 優しくされるのも 怒鳴るのも 怒鳴られるのも 満たされているのも 飢えるのも 祈るのも 唇を噛むのも 今だけ 今が過ぎたら どうなるんだろう 何もなくなる? ほんとに?

          もっと

          朝が来れば、目覚まし時計とともに起きる。 8枚切りーストを焼き、マーガリンを塗って、インスタントコーヒーと一緒に流し込む。 駅のホームで指定された場所に並び、電車が来たら乗る。 携帯電話はマナーモードで、通話はしない。 昼食は、並ばない店を選ぶ。 時間がかからないメニューを選ぶ。 人の話は聞く。 メールやLINEには返信する。 お金は借りない。 借りたら返す。 仕事に差し障りがない時間に寝る。 こんなのはもう飽きた なにも持たずに その日食べるものをその日に調達し 雨

          挫折から子どもたちを守ろうとしている人たちは、果たして優しいのだろうか? 破滅への道は善意の玉砂利で敷き詰められている、と言ったのは誰だっただろう?

          挫折から子どもたちを守ろうとしている人たちは、果たして優しいのだろうか? 破滅への道は善意の玉砂利で敷き詰められている、と言ったのは誰だっただろう?

          大事なもの

          一番大事なものは、命。 命より大事なものは、ない。 そうですかね? 命より大事なもの、ないですかね? いや、お国のために命を捧げるとかいうことではありません。 もちろん。 命さえあれば、幸せ? 命はあるし、怪我も病気もないけれど、目はうつろな子どもたち、大人たちいますけどね。 生きているけど死んでいるような生き方ってありますよね? 木登りしたがる子を叱りつける。 歩くことができるお年寄りを無理やり車イスに座らせる。 危ないから。 命はそれほど大切か?

          いいな

          結婚して子どもが大きくなっても、だれかを「いいな」と思うことはもちろんある訳です。 タレントさんだったり、街ゆく人だったり、職場の人だったり。 なのですが。 いわゆるスポーツマン、と呼ばれるタイプの人をいいなと思ったことがありません。 礼儀正しい挨拶と、目上を敬う姿勢、ハキハキした返事、どこをとっても、仕事でお付き合いする分には、ぜひ、と思うのですが、個人的な好意を持ったことがない。 日差しよりも日陰、グランドよりも美術室、大勢よりも一人でいる人が気になっていました。

          調和

          それなりにうまくいっていたチームの中に、突然、まったく異なる考え方のメンバーが参加してきたことがありました。 いえ、最初はそれとはわからなかったのです。 しかし、次第にそれまでのコミュニティの在り方とは、相容れない考えの持ち主だということがわかってきました。 ことあるごとにコミュニティは軋むようになりました。 私が考えたのは、排除でした。 だって、それまではうまくいっていたのですから。 元の平和な世界に戻りたかった。 戻したかった。 しかし…排除は簡単ではあり

          野球

          近所の公園で、夕方、野球をやってる子どもたちがいて。 よくみると、その中に大人の男性もいます。 会社がお休みの日に子どもたちと遊んでくれてるんだ。ありがたいな。 で、何度か同じ時間に通りかかって。 またあの人。 毎日いる…? こんな時間(会社はまだ終わってないはずの時間)に、公園にいられるなんて、どんなお仕事なんだろうと思ったりして。 子どもたちは楽しそうだし、おじさん(というより若いけど)も野球の腕は確かそうで、本格的なルールでやっています。 夕方の公園に大人がいてく

          サイのウガール

          「さいのうがあるってなに?」と息子に聞かれました。 え? 宿題を見ると、「才のうがある」と書いてあり、つまり「才能がある」でした。能は難しいからまだ平仮名で。 息子は「サイのウがある」だと思い、ウってなんだろう?イ(胃)みたいなもの?と思っていたのだそうです。私には「サイのウガール」と聞こえていたのです。あまりにも思い浮かんだ絵が違い過ぎて笑ってしまったのですが。 才能のある無しを気にしていた頃があったと思いだしました。 自分には才能があるのだろうか、無いのだろうか?

          サイのウガール

          母たちのこと

          私に母は二人いて、義母と実母です。 二人は大きな戦争の終わるころ1年違いで生まれました。 実母は膝が痛くて、思うように歩けません。 スタスタ歩けるようになりたくて手術をしましたが、結局手術前とあまり変わらない程度にしか歩けません。 難病指定されている病気にかかったのは60歳のときで、それ以来いくつかの病気をわずらいながら、生活しています。 脳梗塞もあって、そこから認知症も発症し、言葉がでにくくなり、物忘れもすすんでいます。 義母は、明晰な人で体も元気でしたが、愛犬を亡く

          母たちのこと