ピルについて 不安神経症との関係+結婚してからの変化

Sakuです。

私は20歳からの低用量ピルユーザーです。

月経困難症などはなく、目的は純粋に避妊です。

服用を始めてから5年が経ち、これからも当たり前に飲む薬だと思っていましたが、結婚してからなんだか気持ちが変わりそうです。

ピルを飲み始めたきっかけから、飲む理由について立ち止まって考えてみます。



なぜピルを選んだか

大学のころ行っていた婦人科で、コンドームしか使わないことを医師にとても批判され、ピルを選びました。

その婦人科に行った経緯も、コンドームが破れた(ような気がする)という理由でした。医師はこんなふうに私を叱りました。


今、妊娠したとして産むの?産めるの?育てきれる?!大学生だよね?コンドームは確実じゃないんだよ!!


そうなのです。コンドームは確実じゃない。

これが私がピルを選んだ第一の理由です。

20代で喫煙習慣がなく、血栓などの可能性の低い私は、ピルユーザーとして適しています。また、IUDという子宮の中に入れる器具もあるのですが、子どもを産んだ経験がないため医師からは提案もされませんでした。

避妊だけを目的としたピルの使用はすべて実費であり、少々価格は張る※ものの、子どもを持てると確信するまではピルを飲もうと決意しました。

※ピルは保険適用外だと1シート2,000円~3,500円程度、また半年や一年に一度受ける検査があり、5,000円程度はかかる。月経困難症、子宮内膜炎の治療を目的とする場合は保険適用内になる。


そして当時の友達も、だいたいが同じ婦人科にかかっていて、先生に強く叱られてピルを飲んでいる人が多かったです。それほどこわい先生でした。。

その婦人科に行くまでは、ピルについてネットで調べることはあっても、

「お金かかるしコンドームで大丈夫でしょ」と思っていました。ネックはやはりお金でしたね。


また、最近だとスマルナというアプリサービスがあり、通院しなくてもピルを買えるようになりました。私は検査は病院でしてもらい、1シートのみ処方してもらって、数か月分はスマルナから買うようになりました。

医師に叱られたのがこわかったというきっかけですが、それ以来「これは確かに安心」という気持ちがたしかにあり、ずっと服用してきました。



コンドームで妊娠する?

避妊率の計算としてパール指数(PI)というものがあるようです。これは、「100人の女性が使用1年間で何人妊娠するか」を表したものです。以下Wikipediaの「避妊」の項目より

あくまで避妊方法を数値化し、各々の避妊効果を比較するための数値であり、避妊効果自体を算出するものではない。

としながらも、

避妊実験を行う被験者の国柄、人種、年齢、学歴などにより避妊失敗率は激変し、PIにも大きく影響する。もちろん健康的で妊娠しやすいカップルから妊娠し、不健康で不妊性のカップルは避妊しなくても妊娠できないこと、避妊道具は使用方法を練習するほど効果が上がることなどは数値化されていない。さらには避妊方法への不満、妊娠願望、避妊方法の副作用、後日検証に現れない被験者などはPIに反映することができない。

妊娠の確率については実験である程度の数値化はできているものの、全体像を明らかにするのは、セックス・生殖という分野の特性として難しいようです。

コンドームのパール指数は、2~15です。

=100人に2~15人妊娠する、ということです。このパーセンテージを高いと見るか低いと見るか。

↑出典はこちら、日本産婦人科医会の冊子です。中絶を選んだ人のための今後の避妊についての手引きがまとめられています。

ちなみに

↑中高生むけバージョンもあり、マンガで解説されていました。けっこうわかりやすいです。


コンドームを使っていて、最大100人に15人が妊娠する。これは避妊方法とすら呼べないのかもしれません。

ドラマとか、マンガとかでは「ちゃんとコンドームしている=セーフセックス」というような描写は多い気がします

どうなんでしょう?

この数字を知ったあとでは、コンドーム=避妊している、相手を大切にしている、などの考えは、私にはあまりありません。

コンドームはあくまで性感染症を防ぐために有効であって、妊娠の可能性はけっこうある。


ピルのパール指数は0.27です。

そして、避妊しなかった場合は85

ピルですら100%完璧な避妊はできないにしても、コンドームのあまりの失敗率(と本当は呼びたくないですが)の高さから、性感染予防に有効!という位置づけになったらいいなと思います。

避妊は別の方法で。



ピルなしの生活は考えられない

婦人科の先生に叱られた日から、私にとってピルなしの生活は考えられなくなりました。

よく言われる服用初期の吐き気などのトラブルがなく、太るということもなく。

・生理が決まった日に来るという安心

・ピル+コンドームでダブルに避妊する安心

がとても大きいです。それに加えて、

友達が、コンドームのみの避妊で妊娠した

ということが強い衝撃でした。さいわい友達は結婚を約束したパートナーとのあいだで妊娠し、無事出産しました。けれどどちらも就職したての時期であったり、想定外のことで友達は中絶も考えたようです。


子どもを持つということ。学生から社会人になっても、ある程度の仕事の経験や貯金などが必要で、何よりも覚悟が必要だと私は思います。

すぐには責任は負えない立場の中、

私にとってはピルで自分の体を守ることがとてもとても重要でした。妊娠は、そのときがきて、身も心も準備ができてからのものにしたい。

私には特定の相手がいないとき(奔放なとき)もありましたから、コンドームで性感染症予防をしつつ、ピルで避妊、のダブルの安心がいつも私を支えてくれました。



ピルが精神に与える影響

さて、ここまでピル最高、みんな使ってというムードにしながらも、ピルが精神に与える影響について、このような情報が。

18歳〜35歳の健康な女性340人を対象に、一つのグループには「エチニルエストラジオール」と「レボノルゲストレル」が含まれるピルを服用してもらい、もうひとつのグループの女性たちはピルにみせかけた偽薬(プラシーボ)を服用してもらった。
女性たちは自分がどちらのピルを飲んでいるかは知らされていなかった。そして実験の結果、本物のピルを服用した女性たちのは(ママ)、プラシーボを服用した女性より、気分や自制心やエネルギーの落ち込みなどの症状を訴えた。

偽薬とほんもののピルの比較実験で、落ち込みなどネガティブな症状が出た。ただ実験者のスウェーデンのカロリンスカ研究所は、だからといってピルをやめてほしいのではなく、これを情報として知りつつ他の避妊方法を取るなど判断してほしいと言っています。


私がピルを服用し始めたのは20歳。

不安神経症と診断され、抗不安薬を服用し始めたのも20歳です。

そしてお薬手帳を見ると、ピルの服用が先です。

こうみると、ピルと情緒不安定が関係しているのかもしれませんが、私には断言できません。

20代前半は、薬だけでなく人生のいろいろな変化がある時期でしたから。沖縄を出て1人暮らし、勉強、就活、就職など、いろいろな挑戦、挫折、環境の変化がありました。

しかし、ピルのマイナス側面が、精神状態を悪い方向にするという情報を得た今、

ピルの服用を続けるか?

を迷っています。



結婚してからの妊娠にたいする意識の変化

私は2週間前に、オランダ人パートナーと結婚し、夫婦となりました。

そのわずかな間でもけっこう大きな考えの変化があります。

例えば家事分担もよりきっちりやりたいと伝えたり、夫にもっと日本の手続きを挑戦させてみたり、親や親戚との会食の計画、友人とのパーティの計画を立て始めたり。(結婚する前は、いっさいパーティなどはなくていいと思っていました。結婚してみて、やっぱりやろう、と思ったのです)

そしていちばん大きな変化が妊娠に対する意識です。

これまでは、妊娠=もっとも避けるべきこと、おそろしいこと、タブー、であり、

妊娠してしまえば大変なことになる。という考えが全てでした。

赤ちゃんを産み育てる立場にないからです。

今はどうかというと、「夫婦になったんだから、そりゃ時期はふたりで考えるとしても、いつかは妊娠したいし、早いうちがいい」と思っています。

妊娠がとてもとても身近になりました。

街で妊婦さんを見かけたりすると嬉しいし、友人や親せきの赤ちゃん、子どももカワイイし、そのあたりで遊んでいる子どもたちもカワイイ。

ネットでオランダの妊娠・出産事情を調べたり、妊娠前に取っておいたほうがいい栄養素を知ったり(葉酸など)、YouTubeの妊娠から出産までの記録を見て涙が出てきたり

また、母とも

「子どもをいつ産むかっていうのは、予定通りってわけにはいかないからねえ」という、話をしたり。これは授かりものだから計画してぜんぶうまくいくわけでもなし、というニュアンスでした。


そんな中、毎晩の抗不安薬といっしょにピルを飲む私。

ん?もしかして、ピル必要ないのかも。

妊娠=絶対悪でないなら、オランダでもピルを飲み続ける必要もないのかも?

と、思いました。

そしてそのことを夫に伝え、夫も「たしかに。コンドームだけでいいんじゃない?」ということになりました。

私たちは今秋に移住して、できれば2年くらいは生活をうまくまわしたり、私がオランダに慣れたりする時間を設けたいのですが、

ピルを飲むほど、絶対に妊娠できない!という状況でもないな。


そこで私は、オランダへの持ち物リストとして当然書いておいた「ピル」の項目を消し、

スマルナで「ピルのやめ方」について質問しました。1シート飲みきってからやめるのが良いこと、やめた後1~3ヵ月で通常の生理が来ることがわかりました。スマルナはそういった相談もできるのです。


私はワクワクしています。

ひとつは、やめたら情緒面の改善が起きるかもしれないということ。

もうひとつは、ピルにある意味で縛られていたことからはなたれること。

それをふまえて自分が、自分たちがどうなっていくかということ。


さいごに

私は、やはり日本産婦人科医会の冊子にもあるようにコンドームのみの避妊はすすめません

ピルをすすめます!実際、すすめてきて友達何人かはピルユーザーになりました。生理が軽くなるというメリットもあるようです。

毎回、生理がくるかドキドキするというのは、なんというかセックスを男女両方楽しんだのに、女性ばかり損というか、苦労というか。

ピルは何も飲まないよりはコストは高いですが、望まないとき、望まない相手との赤ちゃんができて、そうして苦しんだり、傷ついたりすることとは比較にすらならないと思います。

ピルのいちばんいいところは「自分の体を自分で守っている感」です。

私はコンドームしない相手にはNOを言い続け(そもそも、そんな雰囲気にさせなかった)ですが、性格上言いきれない方もいるでしょう。そんな方にこそおすすめします。


そして、飲み始めるとずーーっと飲まないといけないわけでもなく、結婚したりパートナーができたり、いろいろな変化があるんだということ。

避妊の方法にしても、経産婦でなくてもIUDを入れることができたり、選択肢はたくさんではないけれど、ピル以外にもあること。

なにより、こういう情報を集め、お医者さんに行き、周りに聞いたりする中で、

自分のこと、体と心のこと、相手のこと、これからのことをいい意味でコントロールできるような気がします

それがけっこうだいじ。

という、たくさんリンクを貼った記事、長い記事ですが今のところのまとめです!


























この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?