福田 淳子 Junko Fukuda

菓子研究家。日々のことを綴ります。 本を読むのも、眺めるのも、作るのも好き。 著作多数…

福田 淳子 Junko Fukuda

菓子研究家。日々のことを綴ります。 本を読むのも、眺めるのも、作るのも好き。 著作多数。最新刊は『抹茶のおやつ100』(光文社)

マガジン

  • 菓子四季録

    • 23本

    菓子四季録は、菓子研究家とグラフィックデザイナーのふたりが毎月ひとつ、季節の素材を使ったお菓子のレシピを紹介する連載です。 ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴ります。お菓子のこと、四季のこと。綴った記録をどうぞご賞味ください。

最近の記事

編集後記<2024.04苺>天才的なアイドル様

メモ的な編集後記はじめます 以前から書きたいと思っていた菓子四季録の編集後記をはじめます。忘備録的なゆるい内容です。今回はvol.11「苺とミルキークリームのブッセ」編です。菓子四季録に関してはこちらをどうぞ。 そして、こちらを先にお読みください プリンセスじゃなくてアイドル 苺はずっとフルーツ界のプリンセスだと思っていた。ちなみにクィーンは白桃。でも今回撮影をしてみて、プリンセスよりもアイドルじゃない?と思いました。写真を見返しても苺の圧倒的存在感。彼女がいるだけ

    • 夢が叶った話<ミモザのある暮らし>

      今でもよく覚えています。高校卒業の春休みに友人と卒業記念旅行に行きました。行き先は熱海(渋い)だったけど、鎌倉に寄り道をしました。回ったのはメジャーな場所ばかり鶴岡八幡宮、鎌倉大仏、銭洗弁天、江ノ島…。でもその時に最も印象に残っているのは、いわゆる観光スポットではなく通りすがりに見た大きなミモザの木でした。 銭洗弁天に徒歩で向かう途中で住宅街を通り、そこで洋館のお庭に黄色い花を咲かせるミモザを見つけました。黄色の小さな花は満開でそこだけぱあっと明るくて可愛くて、その存在にノ

      • 軽やかなダンス 〈菓子四季録 vol.11〉

        菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、軽やかな口どけを味わう「苺とミルキークリームのブッセ」。 手で持って味わって まあるく焼かれた生地はふんわりしていて、とっても軽い。生地の上には白い粉砂糖が薄くかかりドリーミングな雰囲気。間からのぞく白いクリームと赤い苺。ブッセはただずまいからしてとってもキュートなのです

        • 【湯煎焼き要らず】ふわふわ&なめらか「スフレチーズケーキ」を解説します

          【みんな大好き!おうちで簡単チーズケーキ 】をクックパッドニュースで連載中です。今月のメニューは【湯煎焼き要らず】同時にいろんな食感が楽しめる!ふわふわ&なめらか「スフレチーズケーキ」。 レシピはこちらから。 「ある程度のクオリティを保ちながら、いかに簡単にスフレチーズケーキを作るか」が今月の個人的なお題です。すなわちいかに面倒なパートを排除するか。 順番に混ぜて焼くシンプルなベイクドチーズケーキより、いろんなもののハードルが上がるスフレチーズケーキ。でも、あのふわふわ

        編集後記<2024.04苺>天才的なアイドル様

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        • 菓子四季録
          23本

        記事

          春の光を纏う 〈菓子四季録 vol.10〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、みずみずしく春を知らせる「柑橘のマリネを添えたババロア」。 国産柑橘のハイシーズンです 冬から春にかけてたくさんの国産柑橘が旬を迎えます。冬の始まりと共に青果売り場のみかんのスペースが増え、年末に向けて柚子や金柑を見かける頻度が上がります。年が明けると、りんごと交代するよ

          春の光を纏う 〈菓子四季録 vol.10〉

          五感を満たすお菓子 〈菓子四季録 vol.9〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、日本の冬を感じる「柚子のスフレ」。 この時期だからこそのレシピ 「湯気はごちそう」という言葉があるけれど、寒さがぐっと身に沁みるこの時期にはそれをしみじみ感じます。温かさはおいしさの一部。今回は1年で1番寒さが厳しいこの時期にぴったりな熱々ふわふわのデザートを紹介します。

          五感を満たすお菓子 〈菓子四季録 vol.9〉

          小さな幸せを味わうクリスマス菓子 〈菓子四季録 vol.8〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、熟成されていく味わいを楽しむ「ラム酒漬けフルーツのクグロフケーキ」。 Advent(クリスマス前の期間)を楽しむケーキ 街中にクリスマスツリーが飾られ、イルミネーションが灯り、クリスマスソングが流れる。そんな12月がけっこう好きです。みんながウキウキしてわくわくしてる感

          小さな幸せを味わうクリスマス菓子 〈菓子四季録 vol.8〉

          洋梨追熟攻略マニュアル 〈菓子四季録 vol.7〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、追熟することで芳しい香りに包まれた洋梨と、ココア入りのしっとり生地を味わう「洋梨のアーモンドケーキ」。 最大のポイントはじっくり待つこと 今月の季節素材は洋梨です。毎年、長野に住んでいる友人が洋梨を箱で送ってくれます。そのときにいつも作っているお気に入りケーキがあるので

          洋梨追熟攻略マニュアル 〈菓子四季録 vol.7〉

          深まる秋にはビターを添えて 〈菓子四季録 vol.6〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、こっくりまろやかな秋を味わう「パンプキンプディング」。 プリン作りで一番難しいのは? プリン作りで一番難しいのは、実は「カラメルソースを作る」工程だと思うのです。 プリン自体は初心者向きのお菓子だと思います。材料もシンプルで、よく使うおなじみのアイテムばかりです。作業

          深まる秋にはビターを添えて 〈菓子四季録 vol.6〉

          秋のはじまりを閉じ込めて 〈菓子四季録 vol.5〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、少し大人な甘さを味わう「無花果と白ワインのゼリー」。 ゼリーに季節を閉じ込める 今月の季節素材は無花果です。スーパーに無花果がたくさん並ぶと秋が来たなと思います。無花果ほど、秋のはじまりにふさわしいフルーツはないような気がするのです。 外皮は赤紫に少しグリーンが入り、中

          秋のはじまりを閉じ込めて 〈菓子四季録 vol.5〉

          【着物と私】有松鳴海絞りの浴衣と桃のかき氷

          今年の夏はほとんど夏らしいことをせずに終わりそうです。まあ、毎年そうなんだけど(夏が苦手)いつもに増して引きこもり度が高めでした。というのもやはり体調を大きく壊したのが響いています。 暑い時間に外に出るのが感覚的に「無理」って感じて、外出をできるだけしない日々が続きました。8月に近所のスーパー以外で外に出たのは2回だけ。1回はふくちゃんと近くの映画館に映画(キングダム)を見に行ったこと。 もう1回は友達が家まで来てくれて、かき氷を食べに行ったこと。そのかき氷がすごくおいし

          【着物と私】有松鳴海絞りの浴衣と桃のかき氷

          桃を味わい尽くすシンプルレシピ 〈菓子四季録 vol.4〉

          菓子四季録では、グラフィックデザイナー 澤田清佳さんと一緒にお菓子のレシピをご紹介しています。ひとつのお菓子の魅力を、ふたりそれぞれの視点から綴る菓子四季録のマガジンページはこちら。今回紹介するお菓子は、こぼれ落ちる甘い果汁を味わう「桃とリコッタチーズのデザートプレート」。 いちばん好きな果物は何ですか? それについて、私はいつも自問自答しています。なんなら、好きな果物ランキングベスト5は誰に聞かれなくともいつでも答える準備は整っているのです。 私がこの世でいちばん好

          桃を味わい尽くすシンプルレシピ 〈菓子四季録 vol.4〉

          『作業たった4分!暑すぎる夏にぴったりの「とろとろコーヒーゼリー」』を解説します

          レシピの解説してみます クックパッドニュースで連載中の【準備10分以内で作れる、まいにち食べたい簡単お菓子 】が更新されました。Vol.10は『作業たった4分!暑すぎる夏にぴったりの「とろとろコーヒーゼリー」』です。今回はこのレシピの解説をしていきたいと思います。 レシピはこちらから。誰でも見ることができます。登録等も一切不要です。 おうちで作るこそのやわらかさ このレシピの最大のポイントはとにかく、ゼリーがとろとろ、ゆるゆるなんです。飲めるくらいの固さです。水分量

          『作業たった4分!暑すぎる夏にぴったりの「とろとろコーヒーゼリー」』を解説します

          私のベストオブ飲むヨーグルト!

          これは、ドリンクじゃなくてもはやデザート。 今回は私のお気に入りドリンクの魅力を全力で語りたいと思います。だって好きなものは応援したいから。 2023年夏、私の推しドリンク 私が今、夢中になっているのはよつ葉乳業の「よつ葉北海道のむバターミルクヨーグルト」です。 基本的によつ葉乳業の乳製品全般がラブなのです。バターも、牛乳もチーズも愛用中。飲むヨーグルトは今まであまり飲んだことがなかったのだけど、飲んでびっくり。本当にびっくり。今まで飲んできたヨーグルトドリンクとは明

          私のベストオブ飲むヨーグルト!

          ホットケーキミックスは魔法の粉?【発酵なしで簡単!塩パンレシピ】

          先日、仕事でホットケーキミックスを使ったお菓子の撮影をしました。 人気ですよね、ホットケーキミックス。通称ホケミ。ホットケーキはもちろん、いろんなお菓子が作れます。そして何より失敗が少ない! 私自身は、日常生活でホットケーキミックスは使うことはほとんどありません。理由は自分好みに配合できないから。でも、ホットケーキミックスの可能性みたいなものはすごく買っています。なのでホケミのお仕事を可能な限りは受けるようにしています。使わないからこそ、それは大事なことに気づく機会でもある

          ホットケーキミックスは魔法の粉?【発酵なしで簡単!塩パンレシピ】

          【菓子研究家の頭の中】ドライフルーツに関してインタビュー受けました その2(お気に入りレシピ付き)

          こちら記事は後編です。前編がまだの方はこちらからどうぞ。 私がドライフルーツを何に使うか?と聞かれたら、やはり多いのはお菓子作りです。そのまま使うことはあまりなくて、お酒に漬けたものを使うのことがほとんど。 ラムフルーツはたくさん市販されていますが、自分で作った方が断然おいしい!なので冬に大量に漬けています。 クリスマスシーズンのお菓子にはこのラムフルーツが欠かせないのです。ラムの他にもコアントローとキルシュに漬けたフルーツも作ります。ベリー系のドライフルーツをカシスの

          【菓子研究家の頭の中】ドライフルーツに関してインタビュー受けました その2(お気に入りレシピ付き)