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ままならない人生を語らう共同マガジン

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生きるのがへたっぴな私たちのためのマガジンです。自分の悩みや現状を書いたり、支援制度の情報をシェアしたり、それらを通して自分は一人じゃないと感じられたら良いなと思っています。
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「ままならない人生を語らう共同マガジン」はじめます

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タイトルは
「ままならない人生を語らう共同マガジン」

生きるのがちょっとへたっぴな私たちのためのマガジンです。自分の感情や現状を書いたり、支援制度や居場所カフェの情報をシェアしたり、それらを通して自分は一人じゃないと感じられる場にできたらいいな、と思っています。

共同運営マガジンとは
私も完璧に把握してはいないのですが、どうやら複数人の記事を1つのページ(=マガジン)にまとめられる機能のようで

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ほんのいっとき

ほんのいっとき

言葉は
音楽は
人との会話は

気持ちを
奮い立たせて
くれたりする

嫌なことを
忘れさせて
くれたりもする

楽な気持ちに
させてくれたりもする

けれど
それは
ほんのいっとき

解決は
していない

解決
することは
ない

解決を
求めて
いるのだけど

解決を
差し出しては
くれない

わたしに
安寧は
やってこない

都会のカタスミで

都会のカタスミで

散歩のついでに買いものでも
なんて思って、外に出てみると
となりの部屋では
引っ越しのマッサイチュウ

荷物を運んでいる
引っ越しなんだから
荷物を運ぶわけだけど
運んでいるのは
ねこだった

ねこが運んでいる
二本足で立って

その荷物を運んでいるねこの後ろを
春うさぎがついていく
ついていくのだけど
荷物は、持っていない

その春うさぎの後ろを
カルガモちゃんがついていく
ついていくのだけど

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静かにしろー

静かにしろー

ざわつくのも無理はない
全校集会で、朝礼台に上がったのが
ペンギンだったから
先月までいた保健の先生のかわりに来たみたい

あまりにざわつくので
体育の男性教師が大声でどなった

静かにしろー

けれど、それくらいでおさまるものではない
なにせ、ペンギンなわけだから

ペンギンは、保健の先生らしく
白衣を着ていた
それを見て、後ろの子が

ペンギンっていうか、白いハトみたいだね

なんて言った

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ぼくの役目さ

ぼくの役目さ

毎朝、電線にきちんと整列して
すずめが、歌を、歌う
そうやって、すずめが
わたしを起こしてくれる

ウチのねことしては
それが、気に入らないらしい
起こしてあげるのは、ぼくの役目さ
とでも、言いたいようなのだ

そんな、ねこの思いを
知ってか知らずか
すずめは、今日も
わたしを起こしてくれる

すねてしまったねこに
朝ごはんをあげる

ねこと一緒に
朝ごはんを食べながら
明日の朝は、キミがわたしを

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待ち合わせ

待ち合わせ

夢の中で待ち合わせ
ペンギンと待ち合わせ

噴水のある、まあまあ大きな公園
来たことが、あったような、なかったような
お友だちと遊んだことが
あったような、なかったような

そんな公園で待ち合わせ
ペンギンと待ち合わせ

ペンギンは、なかなか来なかった
そもそも、約束をしていたのか
そんなことも、よく分からない
夢の中だ、そんなものか

けど、わたしは、待っている
だから、約束らしきものは、したん

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いる意味

いる意味

春が来て、もう、だいぶたつというのに
まだ、冬とおんなじような恰好をしている

寒い、というより、心細いから、なのかなあ
なんて、思っている

そのあたりのこと、ねこに聞いてみた
ねこは、そんなこと知るか
と、言わんばかりな表情

さみしくなること、ないの?

おまえさんがいるから
そう思うこともないさねえ

ねこにそんなことを言われ
どきり、と、気持ちが大きくゆれた

わたし、いて、いいんだあ

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晴天

晴天

兵隊さん
お引っ越し
決まった

女の人たち
お赤飯
炊きはじめた

私たち
子どもら
たくさんの
旗を
つくるように
言われた

みんな
何も言わず
つくった

私も
無言で
つくった

兵隊さん
お引っ越し
する日
駅に
たくさんの人
集まった

みんな
顔に
灰色の雲
張りつけていた
兵隊さんの
晴れ晴れとした顔と
くっきり
真逆

それが
私には
なんだか
奇妙で
おかしくも
あった

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サンキュー

サンキュー

前に働いていた会社の メガネのアレ
わたしに執拗にいじめをしてきた メガネのアレ
わたしに いじめをしてくれて サンキュー

なかなかやめさせてくれなかった会社
いじめのことを話すと
あっさり やめさせてくれた

会社をやめた直後は けっこう落ち込んだ
食欲も 急に 落ちちゃって
よくない やせ方になった

けど 自分のせいじゃないんだ
いじめられてたんだから
正当な理由が 手元にあるから
だんだ

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なんだかミルクティーを飲みたくなるのは

なんだかミルクティーを飲みたくなるのは

心地よい陽気が、わたしのやる気を削いでいく
そうやって、安易に、軽率に、陽気のせいにする
自分のせいでないんなら、なんだっていい

横になったら、すぐ寝てしまうような
そんな季節と体質になってしまい
夢の中でサイトに投稿しているような、そんな有様
気がついたら、ほんとうに投稿されていて
おそらく、小人さんが投稿してくれたのだろう
けれど、小人さんは、漢字が苦手のようで、間違いが多い
結局、こちらで

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春はお線香の香り

春はお線香の香り

キャンディは お兄ちゃんのイメージで
キャラメルは 弟のイメージ
ガムは 戦隊ものの 青のイメージだった
クッキーとか チョコレートは
よそ者の印象があった
よそ者の大将は
やっぱり カステラかな

和菓子は ひと月に一回
おじいちゃんのお友だちが
持って来てくれた
みたらし団子やら 大福やら
だから 彼らとは 友だちみたいなものだ
友だちのことを やたらと
口に ほおばっていた
そんな 残酷な子

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誘ってみたいの

誘ってみたいの

となりの席の女の子を誘ってみたいの

放課後 誘ってみたいの

歌は下手だけど カラオケに誘ってみたいの

あんまり行ったことないけど ファミレスに誘ってみたいの

噴水のある大きな公園に誘ってみたいの

評判のかき氷屋さんに誘ってみたいの

あんみつを食べに誘ってみたいの

めずらしい絵本が置いてあるお店に誘ってみたいの

遊園地の中にあるゲームセンターに誘ってみたいの

特に買う予定はないけど

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きっと泣いてしまうんだろう

きっと泣いてしまうんだろう

一年後 自分がどうしているのか
まったく 想像ができない

一年後 自分が生きているのか
まったく 自信が持てない

あと何回 朝日に
ため息をつけばいいの?

あと何回 暗闇に
不安を覚えればいいの?

あと何回 おいしくもないごはん
ひとりで食べないといけないの?

ふと 自分の最期を 想像する
きっと 死にたくない と言って
泣いてしまうんだろう

お父さんと弟のことは
思い出さなくて
お母

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いつも制服を着ていた

いつも制服を着ていた

まだ小学六年生だった
制服の採寸をしてもらった
やけにニヤニヤしてしまった
お母さんやお店の人に じろじろ見られた
イヤな思いは まったく なかった

制服を着て 最初にやったのは
桜の花びらを 追いかけること
春が来たことより
中学生になったことより
制服を着られたことを喜んだ

制服のリボンが うまく決まった日
一日 笑顔でいられた

制服のリボンが うまく決まらなかった日
制服がイヤになった

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