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30代からのメイク

20代の頃、アイメイクといえばグリッター!キラキラ!ラメ!最低でもパール!が基本だった。

市場を見ても圧倒的にパール・ラメ系のものが多い。
多色パレットにマット系の色が含まれていたとしても、同席しているのはパールやラメ系のアイシャドウだ。

マット系アイシャドウだけで作られたパレットも昔から存在はしているけれど、自分が手に取ることはないだろうなと思っていた。

パールのふわっとした輝き、ラメのキラキラ感はテンションが上がる。
私の「いつものメイク」に、それらは欠かせない存在だ。

しかし30代になってから、そんな「いつものメイク」がしっくりこないという日が現れ始めた。

アイメイクの「これさえあれば」

多色パレットで「底見え」するのは、決まってパールやラメから。
マット系は沈みやすそう、ぼんやりしそうだと思って、あまり使っていなかった。

中でもADDICTIONのリゴレットというカラーの単色アイシャドウは、私にとって「これさえあれば大丈夫」なアイテムだった。理想的なキラキラ具合、理想的な色味。これぞ完璧なアイシャドウ。

ベース使いにもメインにも、一つでグラデーションも綺麗に作れる。
一泊旅行などの荷物をコンパクトにしたい時などは、これ一つでアイシャドウからハイライトまで担ってくれる超優秀アイテムとして、必ずメイクポーチに入れていた。

リピート買いするほどお気に入りだったリゴレット。

そんな「これさえあれば」のリゴレットを、まさか手放す日が来るとは思っていなかった。

30代、「似合う」の曲がり角

チークが必須になり、リップが手放せなくなる。
フェイスマスクはいつから常備するようになったっけ?
それらの種類や色も、そういえばいつの間にか少しずつ変わってきている。

20代後半から、時折遭遇するようになった「曲がり角」。
顔色をよく見せるため、調子を整えるために必要なアイテムが、徐々に増えてきているように感じる。

それまでなくても大丈夫だったものが、必須になる。
これまでAだったものを、Bに変えなくてはならなくなる。


そんな「曲がり角」が、アイメイクにもやってきた。


パールやラメなどで立体感を出したり、服に合わせて雰囲気を変えたり。
アイシャドウは目元の、そして顔だけでなく全体の雰囲気を作り上げるための必須アイテムだ。

そんなメイクの要であるアイメイクに、いつからか違和感を覚え始めていた。

いつものパレットで、いつもの色を使っているのに、なんかしっくりこない。
「これさえあれば」のリゴレットを使っても、なんか気に入らない。

単純に「飽きた」のであれば、組み合わせる色を変えれば「しっくりこない」からは抜け出せるはずだ。
だがこの時、どんな色を組み合わせても「しっくり」くることはなかった。

この感じ、口紅が必須になった時の感覚に似ているなぁと思った。
先週まで「いつものメイク」だったものが、気に入らなくなる。

似合うの曲がり角だ、と私は感じた。

「いつもの感じ」がしっくりこなくなったら、「いつもの」を変えてみるしかない。

マット系アイシャドウがどハマりした

メイク雑誌や動画を見て、これまでのメイク方法を少しずつ変えてみた。

「曲がり角」が来た時は、それまでの「これが普通」「いつも通り」を打ち破って試行錯誤してみるしかない。
使っていなかった色や、避けてきた色が似合うようになっている可能性があるのだ。

ベースの作り方やメイクの順番、眉毛の形なども見直した。

要はやはり、アイメイクだろう。
ラメやパールこそアイメイク、と思っていた「常識」を、自分で打ち破る以外に方法はない。

元々持っているNARSの多色パレット内に、ほとんど使っていなかったマット系シャドウがいくつもあったので、まずはこれらを使っていることにした。
ベースにする色をブラシに取った時点でが「なんかテンション上がらないな」と思っていたのだが、いざ仕上げてみると、今までにない印象の目元が完成した。

理想の自分・好きな雰囲気に限りなく近い。

それまでマット系アイシャドウは「のっぺりして老けて見えそう」「くすみそう」と思っていたのだが、全く逆だった。濃淡の付け方次第でこんなにくっきりとした印象が出せるとは思ってもいなかった。

「こんなに良いのなら、もっと早くにやっておけばよかった」

そう思ったのだが、20代の頃の自分の雰囲気には似合わない気もするので、これは年を重ねたからこその仕上がりなのであろう。

マット系アイシャドウだけで仕上げた自分の顔は、とてもしっくりくる。
今の自分の雰囲気に合っている、と思う。

曲がり角を克服できた瞬間だった。

自分を変える勇気を持つ

その後もいろいろ試していく中で、アイメイクはマット系のアイシャドウを組み込んだ方が今の自分に合う、ということが分かった。

ラメやパールも使うけれど、以前のようにパールに更にパールを重ねて仕上げにラメ、というメイクはあまりしていない。

マット系アイシャドウの「ちょっと肩の力が抜けた感じ」が、今の自分に合うのだと思う。


人は毎日、ほんの少しずつ変化している。
今日より明日のほうが若くなるということはない。

小さな変化が積み重なり、いっぱいになった時に「似合うの曲がり角」がやってくる。
「なんかしっくりこない」と思ったら、それまでの「今まで通り」を変えるタイミングだ。


「老けたんだな」と口角を下げず、新しい自分の可能性を広げつチャンスだと思って、変化する自分を楽しむ気持ちを持とう。

口角を上げて、「今の自分が好きだ」といつも思っていたい。

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