せき

余裕を持って、ゆったり過ごしたいといつも思ってます。読書、アート、スイーツ、街歩き、旅…

せき

余裕を持って、ゆったり過ごしたいといつも思ってます。読書、アート、スイーツ、街歩き、旅行、鉄道…大好きです。アートなこと、思い描いたことを書き込みます。

最近の記事

【エッセイ】 どさん子

 ねぇ、みななん、「どさん子」っていうラーメンチェーンをご存じですか?  ペリカンのマークのラーメン屋さんなんだけど。  私が子どものころに急成長した札幌ラーメンのお店なんです。国道沿いにつぎつぎとできて、このお店に行ってみたいって私は親に話したんだけど、「札幌ラーメンは太麺だから…」と連れて行ってもらえなかった。親は細麺が好きだったから。  あんなにあったその「どさん子」は、いつの間にかすっかり姿を消した。昔より国道沿いは賑やかになって、ラーメン屋さんもあまたなのに、「どさ

    • 【エッセイ】 イヤなこと

       イヤなこと。  新幹線に乗っていると、靴を履いたまま前の座席の背もたれ(マガジンラックの下のあたり)に足をかけている人がいる。それ、とってもイヤなんですけど!  これも新幹線に乗っててなんだけど…  荷物棚で、私が置いていた布製バックに、後から来た人が隣に置いたキャリーケースの車輪がくっついていたの。「えっ、やめて!」って思っちゃった。だって、そのキャリーケース、トイレとかにも持ち込んだんじゃない?  だったら、その車輪汚いよね!  私、潔癖症じゃないけど、「汚い」っ

      • 【エッセイ】 風味を保っているココア

         正直にいっちゃうと、私は50代後半になっている。  勤めている職場は定年延長なんていう話になっていて、今年60歳で定年となるはずだった同僚は、あと1年働くことになった。職場でそれに近い年齢が集まると、この話題になることも多い。「人生設計が変わった」とか、「もう疲れた」「もういい」「気力、体力が追いつかない」とか、60歳を過ぎると給与が下がるのだが「給料が下がってまで働かされるのか」と不満が収まらない。  私の定年も64歳となり、「人生設計」が多少ずれた感はあるが、同僚が漏ら

        • 【エッセイ】 年頭にぼんやりと…

           災害、事故。年初からいい話題のない2024年となっている。  「おめでとう」「今年はいい年に」と、帰省してきた親族とご馳走を囲んで年越しをした数時間後に、大地震が起こり、暮らしを失い、財産を失い… 元日が命日となった方もたくさんいらっしゃる。まさに「天と地の差」を元日から投げかけられた残酷に胸が詰まる。    答えのない話をする。  改札を出て、百貨店に向かって地下コンコースを歩いて行く。いつも人が多く、かき分けて、かき分けて進まなければならない場所。そこに、壁際に座り込

        【エッセイ】 どさん子

          【エッセイ】 チーズの厚み

           箱に入った丸いカマンベールチーズは、六分の一とか弧を描くように切り分けてつまむけれど、箱から出して丸いまんまのカマンベールチーズにかぶりつきながら、パソコン作業をしている人がいる。しかも新幹線のA席で!  嫌悪感や忌避感はない。なんか微笑ましい。  時を惜しんで必死に作業をしなきゃならない場合もある。そんなときは、頭脳にも気持ちにもエネルギーが必要で、エキナカのコンビニのバームクーヘンやチョコレートより、ちょっと塩気が効いて、嵩はないけど満足感のあるものの方が気分だったりす

          【エッセイ】 チーズの厚み

          【エッセイ】 蕎麦呑みの名店

           BS–TBSの『町中華で飲ろうぜ』を、前番組の延長で見るともなく見てしまう。高級中華料理店ではない素朴な店構えとお料理に、行ってみたい気持になる。    最近は「町蕎麦」「町鮨」と「町」のついた新語が増え、『dancyu』 では22年12月号でそれを取り上げていた。『町中華で飲ろうぜ』は中華を食べながらお酒を飲む番組だが、この『dancyu』でも今年の9月号で「蕎麦呑みの名店」と特集した。  蕎麦好きで、たまにふらっとお店に入って「もり」をいただいてさっと出てくる。しかし、

          【エッセイ】 蕎麦呑みの名店

          【エッセイ】 空と風と時と

          二十歳くらいのカップルがいて…  くまざわ書店はネットで欲しい本の取り置きができる。月に一度のポイント3倍デーを狙って、それを取り行った。3倍のついでに他に何かないかと眺めていたら、小田和正さんがステージで歌っている表紙の本が目に留まった。『空と風と時と 小田和正の世界』。帯には「誰も書けなかった、初の評伝 全632ページ!」とまで書いている。手に取ると厚い。4センチくらいある。捲って見ると、幼少時のこと、東北大学時代、オフコース、ソロになって今までと、小田さんのすべてが書

          【エッセイ】 空と風と時と

          【エッセイ】 “バジルチキン&トマトモッツァレラ 石窯フィローネ”

           スターバックスなのに…  昨日は5メートルくらい離れたお客さんのタバコの臭いが伸びてきた。閉口した。  今夜はイタリア料理店のようなニンニクの香りが漂っている。これは心地いい。「この香りはメニューの何ですか」と聞いてしまった。“バジルチキン&トマトモッツァレラ 石窯フィローネ” だそうで、ニンニクではなくバジルの香りのようだ。そういえば、バジルである。  コーヒーなんて、わざわざ着替えてここに来なくても家で飲めばいい。とっておきの豆も数種類買ってあるのだから。  でも、夜

          【エッセイ】 “バジルチキン&トマトモッツァレラ 石窯フィローネ”

          【エッセイ】 マニキュアを落とす月曜日

           月曜の朝、仕事に差し支えるから、週末につけていたマニュキュアを落とす。  月曜の気忙しい朝でなく、前日の夜に落とせばいいに…  でも、せっかく塗ったマニュキュアを落とすのはもったいない。結局、いつもこの朝にしてしまう。  塗るときは、ムラがでちゃったり、爪の脇にはみ出ちゃったり、丁寧に仕上げるつもりで重ね塗りなんてしちゃうと、乾いたつもりでいたところがグジョっとしちゃうこともしばしばで、男たちには分からないだろう苦労がここにある。  それなのに、落とすのはあっけない。ラメが

          【エッセイ】 マニキュアを落とす月曜日

          【エッセイ】 もとまちユニオン②

          子どものころの記憶  子どものころに初めて見た風景は、猛烈に覚えている。    もとまちユニオンを出て、山下公園へ歩いた。 明治屋ストアーから山下公園へ  山下公園へ曲がる角に明治屋があった。私が初めて横浜に来たのは小学2年生のとき(1974年)だったが、山下公園への途中に明治屋に寄った。田舎には八百屋や魚屋の大きいのしかなかったので、菓子や缶詰がきれいに並べられ、外国のものが多かったのが小学生の私に新鮮だった。  その明治屋は、私が大人になって、時々横浜に来るようにな

          【エッセイ】 もとまちユニオン②

          【エッセイ】 SDGsとスキンケア

           スーパーのプライベートブランドの洗顔料を使っていた。  適当な年齢になると、”てきとう” にしていたスキンケアも細やかにしなければならないと強く思うようになった。  スキンケアに気配りするなら、ナショナルブランドを使えばいい話だが、そうそうお金も使えないので、プライベートブランドを買っていた。それが悪かった。  ボトルの中身がなくなったので買いに行くと、それが売ってなかった。  そのお店でたまたま品切れだったのかと、違うお店に行ったがない。  同じ看板を掲げているスーパーで

          【エッセイ】 SDGsとスキンケア

          【エッセイ】 もとまちユニオン ①

          ♬できたばかりの根岸線で君に出会った  横浜が好きで、横浜に住みたいと思う。  久しぶりに横浜に行った。  元町に行きたいと思った。根岸線に乗った。小田さんの「♬できたばかりの根岸線で君に出会った」というフレーズがずっと頭に流れている。  山手駅で下車して、改札を出ると景色が違うのに唖然とした。元町に行くには石川町だったのに…  石川町まで歩こうかと考えたが、駅名が「山手」だけに、駅の出口からいきなり坂っぽかったので、改札に引き返した。改めて上りホームへの階段を上がった。

          【エッセイ】 もとまちユニオン ①

          【エッセイ】 世界一おいしいパン ~山梨、恐るべし!~

          市川三郷町 清真堂の「はちみつバター」めずらしく食べ物の話…  InstagramやXで食べ物を並べるのは、私はあまり好きでない。  地方にいると、ローカル番組やタウン誌はグルメの情報ばかりで、地方はそんなに話題に乏しいのか? 関心はそれしかないのか? と寂しい気持ちになってしまう。  そんなことを常々考えているが、今日はパンの話をしたい。  お気に入りのパンを、「このパンが、世界で一番おいしいと思うんだよね…」なんて豪語すると、「世界のパンを食べつくしたわけでもないの

          【エッセイ】 世界一おいしいパン ~山梨、恐るべし!~

          【エッセイ】 12月 8日

           「記憶」は時と世代によって薄れていく。  そして、「記憶」は「歴史」となっていく。  もちろん私は戦争を経験していない。しかし、「かつて戦争があった」ことを感じながら育ったと、今になって思う。「今になって」というのは、子どものころ、高・大学生のころ、それを実感しながら生活してきたわけではく、大人になってふと感じるようになったということである。  母方の祖父は日中戦争から太平洋戦争にかけて数回徴兵されて戦争へ行ったそうだ。出征や帰還のときの話、わずかしか生き残らなかった激戦の

          【エッセイ】 12月 8日

          【エッセイ】 SIZUYAの「カルネ」を買って帰ろう ~ 京都・奈良に行く話 ② ~

          学生時代の授業で引っかかったもの  小中高と授業のなかで印象深く、引っかかったものがいくつかある。  英語の細川先生が「フランク・シナトラ(米 歌手)はいい」と話した。どんな楽曲かと思った。今のように検索すればすぐにスマートフォンでそれが聞けるわけでないので、わざわざシナトラのLPレコードを買ったことがある。  日本史の菅原先生が石器のことで、「二上山のサヌカイト」と話した。そのひとことで、“サヌカイト”とはどんな石か気になって、今もずっとこのフレーズが頭にある。  中学1

          【エッセイ】 SIZUYAの「カルネ」を買って帰ろう ~ 京都・奈良に行く話 ② ~

          【エッセイ】 賀来賢人の視線の先は… ~京都・奈良へ行く話 ① ~

           昨日、右の人差し指の先を包丁で傷つけてしまった。絆創膏を貼っているためキーボードを打ちにくい。剥がせばくっついているだろう。そんな程度の傷だった。絆創膏を取ってしまおうか。指先が不快なためか、「傷」と打つのにも、何度も「木津」になっている。  この夏、東海道新幹線の車内メロディーがTOKIOの「AMBITIOUS JAPAN」からUAの「会いにいこう」に変わった。  以前は「鉄道好き」を公言するのが憚られたが、ここ数年、鉄道ファンも市民権を獲得して、鉄道を取り上げたテレビ

          【エッセイ】 賀来賢人の視線の先は… ~京都・奈良へ行く話 ① ~