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2020年ベストオンラインライブ

これはやはり指標として残しておくべきだろうと思い書いてみた。とはいえ、オンラインライブも様々な形態があるので、ここでは「オンラインならではの工夫・演出部門」と「シンプルに良いライブ部門」の2つに分けてそれぞれ10公演ずつ選出してみた。100弱の公演を観てきた中での上位20公演。


「オンラインならではの工夫・演出部門」

10位 5.15,17「森、道、市場をお茶の間で」
有料オンラインイベント創成期の公演。愛知県の素敵フェスがその意思を引き継いで開催した配信フェス。出演者がそれぞれ収録した映像を繋げる形の催しはこの頃多くあったが、その中でも屈指の穏やかな時間が流れていた。プライベート空間ならではの温かい音作りが自粛期間に合ってたんだよな。あの頃に戻って欲しくはないけど、その優しさは今なお強く胸に残ってる。


9位 11.7 リーガルリリー「真夜中のプラネタリウム-Midnight Planetarium Live-」

タイトル通り、プラネタリウムで開催されたイベント。天井と背景全面がスクリーンという環境を活かした絶景の数々とアルバム再現という試みが見事にマッチしていたように思う。バンドの良さを引き出す場所選びの重要性。


8位 9.12 LIVEWIRE 中村佳穂

長回しのカメラが捉え続ける中村佳穂の鍵盤使いと歌いあげる横顔。彼女のパフォーマンス力を最高の眺めで見せる序盤から、徐々に音が重なり、バンドセットへと切り替わっていく後半。音楽の魔法を可視化する演出、見事。


7位 8.29 蓮沼執太フィル・オンライン公演 #フィルAPIスパイラル

全員が円形を作って演奏する様で良い画は出来ていたが、野外を思わせる木々のセット、ダンサーと中継を繋ぎ外界と空間を融合する演出やRYUTistと向かい合っての共演など、豊かな文化的交流が多くなされていた印象。


6位 11.28 MONO NO AWARE「学校ライブ2020」

夜の小学校から届けた生配信ライブ。これまでリリースしてきた3作のアルバムに通ずる「学校」というコンセプトをこれ以上ないシチュエーションで再構築した。この状況でなければ生み出せなかった表現技法だと思う。


5位 8.12 銀杏BOYZ スマホライブ2020

多くのライブが音質や美しい映像にこだわる中、スマホ2台の荒々しい映像をスピーディーに切り替えながら、生々しい映像を届けたカオティックな配信。銀杏のライブを仮想的に作り出す裏の錬金術のようなアイデア作品。


4位 8.2 羊文学 online tour “優しさについて”@調布Cross Playing_1st EP&2nd EP

3週連続で行われた過去作再現オンラインツアーという試み自体も素晴らしいが初日は映像も一級品。ストロボライトと簡素な照明で、初期作のひりつきを見事に際立たせていた。塩塚モエカの正面からのショットは映画のよう。


3位 9.13 LIVEWIRE「PUNPEE “Sofa Kingdomcome”」

このライブは導入が素晴らしかった。渋谷の街を練り歩きながら現実の延長上でライブハウスへと誘導しつつ、ライブ後半にはARを用いてCGグラフィックを会場中に広げてみせる。どこまでも広がるイマジネーションを具象化。


2位 8.11 Maison book girl「孤独な箱で」

3つの配信ライブ、どれも先鋭的な演出と楽曲を再構築するような手法がとにかく素晴らしくて、より深くファンになれた気がする。8月公演は終盤のリアルタイムエフェクトと走馬灯のような怒涛のフラッシュバックが絶品。


1位 8.16 サカナクション『SAKANAQUARIUM 光 ONLINE』

音質、演出、全てが最高基準だ、と見た時も思ったけれどもやはり最高峰のまま頂点となった。カメラワークや照明のテイストを1曲ごとに変え、舞台装置ごと変形させるなんて。この視聴環境でなければ!という拘りに拍手だ。




「シンプルに良いライブ部門」

10位 12.18,19 ASIAN KUNG-FU GENERATION Tour 2020 酔杯2~The Song of Apple~

選曲もメッセージ性が強くて素晴らしかったが、何よりも対バンもフル尺で流し、若手バンドをフックアップするイベントにもなっていた点が偉大。彼らが若手をツアーゲストに呼び続ける意義を、オンラインでも実践してた。


9位 9.5 ストレイテナー「TITLE COME BACK SHOW」

都市部に集中しがちなスペシャル感のある公演を、地方にいながら目撃できたのはオンラインライブの恩恵。名盤『TITLE』のリリース15周年を記念し、4人体制のムキムキなグルーヴでの再現。良いに決まってる、を真っ当に。


8位 6.26 HINA-MATSURI 2020

都市部に集中しがちな豪華な共演イベントを地方にいながら楽しむことができたのもオンラインライブの恩恵。ストレイテナー日向秀和を中心としたセッションイベントという名のThe Coversライブ。名ボーカルの堪能できる。


7位  7.15 UNISON SQUARE GARDEN「USG 2020 “LIVE (in the) HOUSE”」

ユニゾンが2020年に行ったどの公演も良い選曲を良い演奏と良いショットで見せるというピュアなイズムに貫かれていて、オンラインだろうと関係ないロックバンドの楽しさがそこにある。ファン投票という企画性も良かった。


6位 9.19 GOING UNDER GROUND ALL REQUEST LIVE「25 flight rock with you」

25人限定の1万円ライブ、ただし25人全員のリクエストを聞き、そのリクエストのみでセトリを組むというこの上なく贅沢なライブ。濃すぎるファンの愛ゆえ、有り得なさすぎる選曲のライブ。これも地方では味わえない濃さ。


5位 9.20 京都音楽博覧会2020

くるり主催の名物イベント、オーケストラとのコラボレーションで見せる岸田繁楽団のカバーたちも勿論ガッツポーズしたくなる美味しさなのだが後半のくるりによるガッツリストレートなライブもまたいぶし銀でイケてた。


4位 9.5 東京事変2O2O.7.24 閏vision特番ニュースフラッシュ

今年、唯一映画館で観た映像。ものすごく近い席を取ったので終始見上げるような角度で観続けたのだけど、そのインパクトたるや。予算もかかるだろうし簡単にはできないかもだけど、フィルムコンサートって大いにアリ・


3位 9.6 sora tob sakana last oneman live「untie」

4時間以上に及ぶ解散ライブ。まぁ本当につくづく、この尺でありながら奇跡的なパフォーマンスのライブを見せてくれてありがとう、と。オサカナの終わる瞬間が近づくざわつきも、配信でしっかりと感じ取ることができた。


2位 11.23 RADWIMPS「15th Anniversary Special Concert 」

これくらいの規模感のバンドが、有観客+配信で見せるライブってどんなもんよ、と思ったらひっくり返るくらい良かった。床全面モニターで俯瞰からの映像がとんでもないスケール感。「シュプレヒコール」、最強でした。


1位 11.11 Base Ball Bear「LIVE IN LIVE~(IN YOUR) HOME PARTY~」

終盤にはファン投票からの選曲もあったものの、メインはメンバーが今やりたい曲たち。ベボベが持ち曲を通じて今のモードを知らしめるという滅多に観れない試みだった。こういう1アイデアを良い公演に繋げる手腕よ。


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