Renta@マレーシアから国際関係論について考える人

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Renta@マレーシアから国際関係論について考える人

このアカウントにお越しいただきありがとうございます! このアカウントでは、国際ニュースや国際関係論の理論について、解説するnoteを主に投稿していきます。 詳しい自己紹介はこちらです↓ https://note.com/shiny_otter229/n/n90427cc3b2cf

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(自己紹介note)初めまして、マレーシアから国際関係論について考える人です

初めまして!このアカウントにたどり着いてくださり、ありがとうございます。 このnoteでは、アカウント主の自己紹介やアカウントのコンセプトについてお話します。 自己紹介改めましてこんにちは、こんばんは、おはようございます このnoteの主のRentaと申します。 現在、マレーシアにあるノッティンガム大学マレーシアキャンパスに通っている大学生です。学部は国際関係学部です。 ノッティンガムというと、もしかしたらイギリスの都市を思い浮かべる方がいるかもしれません。大正解です。イ

    • 黒死病と西欧の近代化

      イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! 今回は前回の続きで、大学の課題エッセイを掲載します。 ヨーロッパと黒死病GomezとVerduは2017年の論文において、ネットワーク理論を用いて中世ヨーロッパにおける黒死病の広がりを説明しています。 それには2つの重要な要素があります。1つ目はトランジティビティで、これは各ポイントの密集度を示します。2つ目はセントラリティで、これは各ポイントへ

      • 中世のシルクロードと世界システム

        イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! 今回は、前々回の投稿で示した課題エッセイの前半についてです。内容としては、中世のシルクロードはユーラシア大陸中に経済的繋がりが出来ているが、その性質は近代以降のものと異なるというものです。 早速見ていきましょう。 後期中世のシルクロードにおける経済的結びつきの性質後期中世における東洋と西洋の経済的結びつきの性質は、アブ・ルゴッドによる世界システム理

        • 先週に引き続き、執筆中の課題エッセイの構成の後半を紹介します。 1.西洋の大転換 黒死病以降の西洋の近代における発展について考察します。 2.近代の東洋的起源 ホブソンを参考に、近代化に影響を与えた技術や学問が中世にシルクロードによって東洋から西洋に伝わったことを示します。

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        (自己紹介note)初めまして、マレーシアから国際関係論について考える人です

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        • マレーシアの歴史
          12本
        • 国際秩序のモデルから見る近代現史
          6本

        記事

          今回は現在執筆中の課題エッセイのストラクチャーの前半を提示します テーマ:後期中世(12世紀~15世紀)における東洋と西洋の交易の性質と程度について ルゴドの「13世紀の世界システム」を参照し、上下的な経済関係を伴う近代の世界システムと異なる、対等的な経済関係を描き出します。

          今回は現在執筆中の課題エッセイのストラクチャーの前半を提示します テーマ:後期中世(12世紀~15世紀)における東洋と西洋の交易の性質と程度について ルゴドの「13世紀の世界システム」を参照し、上下的な経済関係を伴う近代の世界システムと異なる、対等的な経済関係を描き出します。

          中世~近世の海洋シルクロード

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます! Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です!今回は、14世紀~18世紀ごろの海洋シルクロード(主に中華帝国と東南アジア)における貿易を見ていこうと思います。 貿易という観点から中世~近世の中華帝国史を振り返るシルクロードは中華帝国が大きなエンジンとなっています。現在もですが、中華大陸は大規模な人口を擁しているため、生産力も市場も大きいからです。そこで、貿易という観点から中華帝国の歴史を振り返っ

          モンゴル帝国が準備した近代化

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! 今回のテーマは2つです。1つ目がモンゴル帝国で2つ目が西ヨーロッパの近代化です。 面白いのは、モンゴル帝国が西ヨーロッパの近代化の基礎を準備したということです。早速見ていきましょう。 暗黒の中世という誤解とモンゴル帝国ヨーロッパの中世は、14世紀イタリアの学者であるペトラルカによって「暗黒の中世」と呼ばれました。 ギリシア・ローマなどの軍事的に

          9~10世紀のシルクロードと近代への序曲

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です!今回は9~10世紀のシルクロードを概観し、近代への序曲として位置づけてみようと思います。 シルクロードの復習はじめに、シルクロードとはどんなものか復習しておきましょう。 シルクロードは、古代の交易路であり、東西の文化、宗教、技術、芸術が交流した場でした。地理的には中国から地中海までの広大な地域を結ぶ交易路であり、その名前は主要な交易品である中国の絹(

          9~10世紀のシルクロードと近代への序曲

          中国仏教の歴史から見るシルクロードの影響と限界

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について伝える人です! 今回は、中国への仏教伝来とその後のローカリゼーションについて見ていこうと思います。 中国仏教はシルクロードから中国に伝わりました。しかし、インド原産そのままというわけではなく、大幅にローカライズされています。今回はその歴史を紐解き、シルクロードの文化的影響の限界を探ってみようと思います。 中国仏教の大まかな特徴大まかな特徴を知っていた方が歴史は追

          中国仏教の歴史から見るシルクロードの影響と限界

          隊商都市パルミラ

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! シルクロードシリーズ今回は、パルミラという都市を取り上げます。 パルミラは現在のシリア付近に存在していた隊商都市です。絹を始めとした物資がユーラシア大陸やアフリカ大陸に流通するための隊商都市なので、シルクロードに欠かせない存在だと言えます。 パルミラは周辺の国々とどんな相互作用をもたらしたのか、見ていきましょう。 パルミラとは何かまずパルミラとは

          シルクロードと食物のグローバル化

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! 今回は、古代シルクロードにおける食のグローバル化(food globalization)について考えてみたいと思います。 食のグローバル化の条件食のグローバル化とは、ある食文化が元々の地域を離れ、別の地域にも導入されたりその地域の食文化と入り混じったりすることを指します。 例えば、米はユーラシア大陸で生まれたものですが、日本の食文化の1つとなって

          シルクロードとは何なのか

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! 今回からシルクロードについてのnoteを投稿していきます。 初回なので、地政学シリーズと同じくシルクロードの定義について考えてみます。 シルクロードが注目されたきっかけコトバンクによると、シルクロードとは中華帝国と欧州を繋ぐ交易路の総称とされています。 実はシルクロードは学術用語です。だから、ある現象を説明するために導入された言葉なので、自然に生

          ロシアの地政学

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! 今回はロシアの地政学についての記事です。具体的には、ロシアが置かれている地政学的状況の整理と、そこから見たロシアのウクライナ侵攻の原因です。 ソ連崩壊がロシアでの地政学ブームを引き起こしたハウスホーファーの記事でも取り上げたように、地政学はナチスドイツによって利用された過去があります。 第二次世界大戦において、ソ連はナチスドイツと戦いました。だか

          ミアシャイマー教授の地政学

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について伝える人です! 今回のテーマは以前取り上げたミアシャイマー教授の理論の、地政学的な側面を取り上げたいと思います。 前回のnoteでは国家のパワー争いの理解を助けるためにルトワックの戦略論を扱いました。 ルトワックによると、戦時の論理は逆説に満ちており、常識に反する判断がしばしば真となります。国際関係論レベルで言えば、強い国家ほど反発されやすいという側面があります。

          ルトワックの戦略論

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です! ここ数回に渡って、地政学の古典について書いてきました。地政学には、不変の地理における国家同士のパワー争いという側面があります。 今回は、地理ではなくパワー争いを観察する時に有用な理論を紹介します。それが世界三大戦略家と呼ばれるルトワックのパラドキシカルロジックです。 国家のパワー争いには、戦場~戦略~外交など様々なレベルが考えられます。それらのレ

          ハウスホーファーと地政学の悲劇

          イントロダクション こんにちは、こんばんは、おはようございます!Renta@マレーシアから国際関係論について考える人です!今回は、地政学理論がもたらした悲劇ということで、ハウスホーファーを取り上げます。 ハウスホーファーの地政学の歴史的な要因これまでのnoteで書いているように、地政学理論はその立論者が世界を見ていた視点に、多くを影響されています。 ハウスホーファーは、戦間期に活躍した地政学者です。戦間期のドイツは、戦勝国に領土を分割され多額の賠償金に苦しんでいました。