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「クリムト展」東京都美術館
とてもいい水曜日だった。遠方からくる友だちと仕事の後に外国のこってりした料理を食べながらいいだけ酒を飲み、翌朝スパッと起きて、上野公園でテイクアウトのコーヒーを飲み、パンダのパンを食べ、のんびり美術館へ行った(のんびり行ったことを後で後悔したほど混んでいた)。
それだけでも大満足の半日休暇だったのに。
美術館は、その中で呼吸するだけでも気分が高揚する。しかしクリムト展は3階に渡り、階を
『幸福な遊戯』角田光代
おままごとみたいだ、とときどき思う。わたしと夫は、入籍する前から一緒に暮らしていたけれど、新婚生活はおままごとみたいだとときどき思う。(わたしの夫は家事が上手なので、一人暮らしより暮らし向きはずっと楽で、そして楽しい。)
一緒に住む前は、他人と暮らせると思っていなかった。肉親と暮らすのに疲れて、わたしは大反対にあいながら、強引に理由をつけて家を出た。孤独を愛していると思っていたし、寂しくてた
『九月が永遠に続けば』沼田まほかる
今年から、毎月一冊本を読んでいる。10年ほど読書から遠ざかっていたのだけれど、あまりにも無趣味なので再開することにした。今まで読んだことがない作家の、知らない題名の本を読む、がルール。もともとサスペンスは好きだ。テレビドラマでは「臨場」が好きすぎて、内野聖陽にめろめろだったこともある。ニュースで聞くと心が痛くなるようなことも、フィクションという枠組みの中でエンターテイメントにしてしまう人間は本当に
もっとみる『3月のライオン』羽海野チカ
『3月のライオン』を1巻から14巻まで読了。絶対泣くから、と避けていたのに読み出したら止まらなかった。ゴールデンウィークだからいっか。
読んだけど、将棋のことは全然わからなくて、ただひたすら過去の自分と、今の自分と向き合ってしまった。
読書が苦痛になったのはいつからだろう。もっともっと前は、かくまってくれるただひとりの友人で、本を読むことも、本を読んで泣くこともひどく安心する行為だった。