4浪U太郎

平成29年3月から司法試験の受験を開始し令和3年5月に5年目の試験を受験し終えました。…

4浪U太郎

平成29年3月から司法試験の受験を開始し令和3年5月に5年目の試験を受験し終えました。 司法試験浪人生活というやや特殊な環境について暗くなりすぎない程度に有益な情報を発信できるよう精進します。 その他趣味に関することも発信できればいいなぁ。

最近の記事

今更ながらの大学入試・ロースクール入試小論文合格体験記

1 10年以上越しの合格体験記+α  私は司法試験こそ不合格で終わってしまったが、大学入試(法学部)とロースクール入試(未修コース)は現役で合格した。両者の共通点はどちらも小論文一本で合格したということだ。私は大学入試の国立前期試験には不合格になったことや司法試験に不合格になり続けたことから、多くの科目を効率よく勉強することについては不向きのようだったが、制限時間内に一定量・一定水準の評論文を論理的に正確に読み込んだ上で自分の意見を論理的に表現する能力には長けているらしい。こ

    • 或る法学徒の第二外国語選択~「好き」であればどうとでもなる~

      1 大学生になって初めて学ぶ「第二外国語」~大学生活最初の壁~  私の通っていた大学では1年生の頃から自分の専門の学問を最初から学ばせるのではなく、最初の1年間は語学をはじめ幅広い「教養」科目を学ぶことに重点を置き、2年生以降になってから本格的に自分の学部の専門科目を入門レベルから学ぶというカリキュラムになっている。そして、多くの場合1年生の内に英語に加えて「第二外国語」として英語以外の外国語を学ぶことになる。私が大学の学部時代を過ごしたのはもう10年以上前も昔の話となるが、

      • 法学部から見る古文・漢文必要論

        1 古文・漢文不要論の出立点  定期的に「古文・漢文不要論」というのがメディアやSNSに取り上げられることがある。この「古文・漢文」は「数学(特に取り上げられがちなのは三角関数や微分・積分)」や「美術・芸術」に置き換えても同じことが言えるだろう。要は「将来役に立たない教科を学校で教える必要はない、むしろ将来役に立つ他の有意義なこと(納税の仕方、社会保険に関する知識など)を教科に加えろ」ということに尽きるのだが、とりわけ古文・漢文がこの「将来役に立つか否か」の槍玉の筆頭にあげら

        • 「法人」という虚構~阿法学徒流法律講座~

          1 我流による遠回りの「法人」に関する講義をしてみたい  世の中には「法人」でありふれている。株式会社をはじめとした営利法人から学校法人、宗教法人から一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人に公益財団法人、特別行政法人等々色々聞いたことはあるかもしれない。  では、そもそも法人とは何なのかと言われるとどれだけの人が答えられるだろうか。法人に関する説明は民法あるいは会社法の基本書を読めば、あるいは「法人」とインターネットの検索情報をかければすぐに大雑把な概要を把握することは出

        今更ながらの大学入試・ロースクール入試小論文合格体験記

          私人逮捕系コンテンツに対する個人的考察~「正義」を実現するためには~

          1 「私人逮捕系」というコンテンツの存在  私はよくYoutubeで動画や配信コンテンツを視聴している。その動画・配信コンテンツの中で「私人逮捕系」というジャンルがあるらしい(私はこうしたコンテンツを直接見たことはない)。どうやら痴漢や盗撮といった犯罪を現行犯逮捕する模様を動画化して、あるいはリアルタイム配信という形式で発信するという内容らしい。いわゆる自警団的な存在のようにも思えるが、最近はこうした私人逮捕系コンテンツを売りにしている配信者が逮捕されるという事件が起こってい

          私人逮捕系コンテンツに対する個人的考察~「正義」を実現するためには~

          正直オフィス・アワー

          あらすじ  私立聖稜大学法科大学院で教鞭をとる桐生光一(きりゅうこういち)。彼は「正直な」オフィス・アワーをすることで有名な講師であり、司法試験を控えた法科大学院生達はあるときは徹底的に打ちのめされ、あるときは飛躍的に成績が向上する契機となったりと多種多様な逸話を生み出し続けていた。本日はどのようなオフィス・アワーが繰り広げられるのであろうか。 第1話  「何ですか、このミミズがのたうち回ってるような字は。こんな汚い字でよくもまぁ論文試験に挑もうとしていますね。全裸で戦地

          正直オフィス・アワー

          「人生の防御力」を上げろ~カモられないための作品のススメ~

          1 自分を賢いと勘違いしている馬鹿こそが絶好のカモであると知れ!  この世にはあらかじめ知識として学んでおくことであらかじめ回避できる種類の不幸というものが存在する。具体的には各種詐欺やマルチ商法の勧誘、ひいては怪しいカルト団体への勧誘といったものである。こうした詐欺や勧誘に引っかかるのは社会的な弱者、特に「情報弱者」と呼ばれる人たちではないかという人もいるだろう。  だが、私がこれから紹介する漫画で言及されているこうした不幸に引っかかる人種というのは、むしろ平均以上の教育

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          文系でも読める科学読本~『Dr.STONE』をより深く楽しむ~

          1 はじめに  以前の投稿で私は『Dr.STONE』について語らせてもらった(URL:https://note.com/shirouyoulaw4u/n/na90ccadd111f)。『Dr.STONE』という作品の概要やその魅力についてはそちらの投稿に譲るとして、『Dr.STONE』という作品をより深く楽しむための参考文献をいくつかまとめようと思う。 2 漫画『Dr.STONE』に明記されていた参考文献一覧  原作である漫画『Dr.STONE』の巻末には参考文献として

          文系でも読める科学読本~『Dr.STONE』をより深く楽しむ~

          もし自分が理系に進むならきっかけになったであろう作品~『Dr.STONE』のススメ~

          1 幼い私の進路決定までの道のり~軽い自分語り~  早く表題の通り『Dr.STONE』という漫画・アニメ作品について語りたいのはやまやまなのだが、客観的には文系的な進路を歩んできた私が理系的な作品である『Dr.STONE』にハマった落差というか衝撃をお伝えするために少し私の半生について語ることをお許しいただきたい。そうすることで、多少なりにも「文系人間が読んでも面白い理系の作品があるのだな」と感じてもらえれば幸いである。そもそも『Dr.STONE』は文系理系関係なく面白い少

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          浪人生活におけるメンタル回復訓練~風呂掃除編+地震の備え編~

          1 浪人生活を健康的に継続するために 浪人生活で生じるストレス・メンタルケアの一番の対策は受験勉強を継続する(受験勉強から逃げない)ことなのであるが、だからといってダラダラ勉強を継続しているとかえって効率が落ちてしまう。また、誰かが自分に変わって家事を肩代わりしてくれるといった事情もないのであれば、勉強だけしていると部屋はどんどん荷物やゴミ、汚れが増えたりして住環境が悪化する。この住環境の悪化を放置すると次第に勉強に限らず生活する上での身体のパフォーマンスはどんどん低下して

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          司法試験浪人生活中の胆振地震被害レポート~語り継ぐことの意義~

          1 今回の投稿に思い至った契機~『すずめの戸締まり』を観て~  自然災害はいつ起こるか分からない。特に日本という国は定期的にやって来る台風から突発的に生じる地震、津波、土砂崩れ、雪崩etc…とその種類も多種多様である。いつ起こるか分からないからこそ普段からの備えが重要となるのだが、実際に災害が起こるまでに備えをしようとするのは少数派ではないだろうか。あるいは災害の被害に遭ってもその程度が小さいものだと時間の経過とともにその脅威を忘れていってしまい次第に災害の対策も疎かになっ

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          浪人生活の間にメンタル不調になったとき~書かれざる試験科目対策~

          1.浪人生活を始める・続けるときに生じるメンタルへのリスク 浪人生活が長引けば長引くほどメンタル不調に陥るリスクは高まっていく。成功している(ように見える)周囲の学生や社会人と比べて自分自身の不安定な社会的立場から生じる漠然とした不安、周囲から孤立して一人で自室にこもって勉強しているうちに生じる生活リズムの乱れ・不摂生、「自分の進路選択はこれで本当に正しかったのだろうか」といったふとした疑問から生じてしまった後悔、(主観では)勉強しているのに模試で全然良い結果が出せず本番ま

          浪人生活の間にメンタル不調になったとき~書かれざる試験科目対策~

          部屋や机の整理度合いと成績の相関関係に関する考察-人生に活かせる受験勉強法-

          1 はじめに   よく自己啓発本やライフハック的な記事、勉強法に関する本などで時折みられる一つの見識がある。それは、「部屋や机の周りを奇麗に整理整頓できる人ほど学業や仕事の成績が良い」というものである。この見識については「部屋が乱雑な方が独創的な発想力を発揮できる」だの「成績と部屋の整理具合に相関関係はない」だのといった意見も見られるので、一概にこうだと断言することはできない(それこそ「人による」としか言えないかもしれない)。ただ、個人的な経験と偏見から言わせてもらうならば、

          部屋や机の整理度合いと成績の相関関係に関する考察-人生に活かせる受験勉強法-

          多浪生活における様々なデメリット考察~自己肯定感の大切さ~

          ここ1,2ヶ月の間は廃人というか生ける屍のような生活をしていた。司法試験から撤退すること自体には後悔はないが、仮にも今までの人生を司法試験に合格して弁護士になることを目指していた以上、急に何をすればいいのか、何がしたいのかがよく分からなくなり迷走していた。10月は宅建を、11月は行政書士試験を受験したが、これらの試験に合格した後のビジョンを明確にしていなかったこともあり(正直に言えば、これらの資格を取得して働く人生を本気で考えていなかったので)、良い結果を期待する資格さえない

          多浪生活における様々なデメリット考察~自己肯定感の大切さ~

          受験の「始点」と「終点」~自分の実力を知るのは嫌だけど~

          自分の目標を達成するためにはその目標の難易度がどの程度のものなのか、そして現時点における自分の実力がどの程度のものなのかを正確に把握することにある。「始点」と「終点」の位置を正確に把握していないと最短距離で直線を結ぶことは出来ないことと同じことだ。始点と終点の正確な位置の把握を怠ればどれだけ時間をかけたとしてもあらぬ方向に線が延びてしまったり、そもそも線が引けないこともしばしばある。今回は個人的な失敗経験を踏まえて少しでも正しい「直線」の引き方を検討しようと思う。 1.「終

          受験の「始点」と「終点」~自分の実力を知るのは嫌だけど~

          受験における知識の扱い方~収集ではなく選択を~

          私は受験勉強というヤツが苦手である。せっかく受験に出るとされる知識を覚えた気になっても、その知識を使って正解に辿り着くことが困難であった。解説を読めば「あぁ、そんな簡単なことだったか」とその解説に記載されている事項を記憶しても(したつもりになっても)、結局本番でその知識が使い物になることはあまり、というかほとんどなかった。事実、3回連続で択一の足切りという形で司法試験に落ち続けたという事実がそれを物語っている。 ※司法試験は論文試験と択一試験が課されるが、択一試験の最低ライン

          受験における知識の扱い方~収集ではなく選択を~