『かろやかに、のびやかに』【日記】/『抱擁』【掌編小説】500文字程度
『かろやかに、のびやかに』【日記】
けさは十時半にすっきりと目が覚めた。きのう薬の調整をしたのが良かったのかも知れない。午前中に起きられたのが嬉しい。
雨音がし始めた。きょうはずっと降るのだろうか。牛乳、ふりかけ、歯磨き粉。きょうか明日には買いに出かけないといけないのだけれど。
また甘いコーンフレークを食べ、コーヒーを飲み、かるくラジオ体操をした。それから青葉市子さんの音楽を聴いた。かろやかで、のびやかで、どこまでも澄んだ歌声。
こんなふうにベールに包まれるようにして、やわらかに日々を過ごせたらいいなと思ったりもする。とてもむずかしいことだけれど……。
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『抱擁』【掌編小説】
あなたに抱きすくめられると、本能的に、深く呼吸して、あなたの匂いで胸をいっぱいにしてしまいます。離さないで。もう少しこのまま。
華奢だよと言われたことがあるけれどそんな風に思えない胸の厚み、肩幅それから首筋のあたり。鼻をうずめて目を閉じる。離さないで、そう言葉にする代わりにぎゅっと服を掴む。もう少しだけ、このままで。
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読んでいただき、ありがとうございます。まだまだ寒い日が続いていますが、どうぞあたたかくしてお過ごしください。