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恐怖!家庭内パンデミック

この記事が無事にアップされているということは、私は辛うじて被弾せず家庭内パンデミックが去ったということだろう。

辛かった。とてもとても辛かった。とりあえず今の気持ちを整理しながら吐き出していく。

パンデミック序章

移住してきて1ヶ月、ようやく毎日の生活がどうにか送れるようになってきたかなというタイミングで、「二男が発熱した」と保育園から初めてのお呼び出しがあった。

エプロンを脱ぐのも忘れ、慌てて迎えに行った。そこには保育士さんに抱かれ真っ赤な顔をしてぐったり変わり果てた二男の姿があった。

抱っこするといつもは嫌がりのけ反るのに、この時はピッタリとくっついて離れない。そしてホカホカと身体が熱い。

そのまま小児科へ直行した。

「いつもの風邪が悪化して中耳炎の可能性か…。」「だから熱があるのかな…。」「それとも目やにが出ているから別のウイルスを貰ったか…。」などと考えながら、弱る彼を抱いて病院の待合で心細く待つ。

程なく呼ばれ無事に診察してもらい、お薬を貰ってこれを飲めば回復できるかと思っていた矢先。

布団の上でウトウトしていた二男がむくりと起き上がり、吐いた。それも大量に。盛大にマーライオンしてしまった。

二男体調不良の報告を受け早めに仕事から帰宅した夫と長男の驚く顔。

奇しくも長男は嘔吐の第一発見者となってしまい、よほどショックだったのか大興奮のハイテンション。私は熱発ホカホカぐったりの二男を抱えながら長男を落ち着かせるので精一杯だった。

その間、夫がしかめっ面しながら初めて嘔吐の処理をしてくれていた。

以前夫のいない間に子供が大量嘔吐した事があるので私は大体の処理手順が分かっていたが、今回は子供たちの対応で手一杯。ひたすら夫の作業を見守ることしか出来なかった。

パンデミック拡大

その後どうにか眠る事ができ、二男は回復傾向。このまま平穏な日々に戻るかと思いきや、今度は長男が寒気と不機嫌。見る間に弱っていった。

顔色が悪く、あくびが止まらない。

眠たいのに眠れず、時々目をカッと開く。そしてウトウト眠れたかな…と思っていたら。

吐いた。やはり長男もか。盛大にマーライオン…。

その後、喉が渇くと言うので少しずつ水分補給をしていたが、またしても二度目のマーライオン。

幸いこの時は二男は昼寝中で、私が長男の対応をし、夫が嘔吐処理をするという分担でどうにかなった。

…はずだった。

パンデミックは終わらない

夕方から夫が自分自身の身体に異変を感じ、熱が見る間に上がっていった。夫は気合いでどうにか熱を下げられると思っていたようだが、全くもってそんな事は無く。夜中には39度台を叩きだして唸りながら寝ていた。

私は熱発こそなかったものの、それまでの引越し疲れや体調不良に重ねて子供たちの対応と看病で、文字通り疲労困憊。頼れる先も無く、病院に行くにも保険証が未着であり、近所の病院事情も分からなかったのもあって、とてもとても心細くストレスがかかったようだ。

寝ても疲れが取れない、目眩、立ちくらみ、起きるのもしんどい、頭が働かないとくれば、これは鬱ではないかとぼんやり思ってみたり。

ここで私が倒れるわけにはいかないのに…。

病院へ駆け込む

連休中日に近所の小児科へ駆け込んだ。

この時子供たちはもうだいぶ回復傾向、夫もどうにか大丈夫。私だけ疲れが取れない状態だったので、夫を除く三人が受診。

小児科(内科併設)の先生は物腰柔らかな男性で、子供たちにも私の声にもよく耳を傾けてくれた。薬は今の状態に合うものをと気遣ってくれ、私はビタミン注射をしてもらった。子供たちの病状についてしっかり話を聞いてもらえたこと、私の身体にも適切な処置をしてもらえたことでホッとした。救われた。

トラウマか明日への糧か、この経験を無駄にしないために

今回、(何度も言うが)もうそれはものすごく大変で心配で辛かったのだけど、夫が嘔吐処理をしてくれたのは本人にとってとてもよい経験になったのではないかと思う。

実際に気合いなんかではどうにもならない現実を知り、適切な処理方法と消毒と日頃の予防がどれだけ重要になってくるか身をもって体感したのではないだろうか。

どちらかの大人が倒れたら、それに伴う負荷がもう片方の大人にどっと降りかかるということも。そして頼れる先のない場所へ移住してきたということは、大人一人潰れる事がどれだけ危機的状況になるかということも。

私自身はどうか。慣れない土地で暮らすというだけでもまだまだストレスを感じる。毎日崩れ落ちる様に寝て辛うじて体力温存しながら動いていたところへこのパンデミックは本当にしんどかった。

子供たちが病気をする、それ自体は仕方の無いことだと分かってはいる。けれど、毎度子供たちが弱り苦しみ愚図る姿を見るだけでも辛い。次々と病状が変化し、終わりの見えない看病がいきなりスタートする。伴って仕事も家事も全ての機能を一時中断せざるを得ない。それらすべてがトラウマとなって自分の中に積み重なっているのが分かる。

私にとって子供の病気=恐怖になってしまっている。

子供の体調不良が起こるたび少しずつこのトラウマが蓄積されていき、何かあるたびにその恐怖が蘇るので、脳が回避したくて頭が働かなくなるのだろう。もはや心の傷レベルかもしれない。

しかし、今回の事を教訓にしていきたい。子供たちが体調を崩した時に大人がどう動くか、各自予防や処理方法、消毒のやり方など細かく熟知徹底すること。強烈な感染力を持つウイルスの被害を少しでも減らすために。

また、私たち夫婦だけではどうにもならないこともきっと今後出てくるはず。その時に頼れる先を見つけること。それから、子供たち2人とも保育園に行きだしたので、日頃から保育園での体調や周りの子の体調についても都度情報を入れて欲しいとお願いすること…。などを今後の課題としていこう。

ピンチの時に感じる有り難み

わが家がピンチなのを知ってか知らずか、隣の家のおばあちゃんが差し入れにご自身で育てたイチゴとお野菜を下さったり、SNSで辛いしんどい心細いとつぶやけば優しいコメントを返して下さる方々がいたり。外に出られない状況で、こうした出来事は私の心の支えになった。

この場を借りて御礼を申し上げます。ありがとうございました。

見えない敵に立ち向かうために

パンデミックの恐ろしさは消えない。実際二男長男夫と次々にぶっ倒れていくのでウイルスという見えない敵は相当な脅威だと改めて痛感した。だからこそ、より具体的な策を立てる。頭でいちいち考えなくてもこの場合はどうするこうすると日頃からシュミレーションしておけば、慌てず頭を使わずとも動けるはず。

辛かったしんどかった心細かった!と、ひとしきり吐き出して、また明日からここで生きていく。改めて健康は尊い。

2018/05/02 Sunao

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