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20240124「白さを重ね」

白さを重ね
雪を撥ねて
進んでいく
どこへ行こうと勝手だし
どこへ行かなくてもいいし
それでも何か食べたり
誰彼と連絡して
誰かから恩恵を得る
冷たさからの
暖かみを得て
わたしたちも進むのだろう
行く末は知らないが
落ち着く所に落ち
繋がれた鎖を解く
どうも脚が痛いと思ってたら
見えないそれが既にあるのなら
解かした水でぼろぼろになるまで
年月を加えよう
もうそろそろいいかもしれないし

悴んだ手に息を吹きかけ
冷たいあなたに声をかける
いつも通り返事は来ないし
それを期待するわけでもないけれど
口にしてしまうのは
何かがわたしに残っている証拠
わたしが忘れたら
あなたも薄くなって
解けてしまうかもと
要らない心配まで
どこかで持っている
記憶のどこか
わたしたちの共通項
それを紡いであげれば
もう少し延命できるはず
細氷を反射してひかりを受け
まだ煌めきがあることを確認する
すぐに見えなくなるけれど
呼べばわたしのどこかが反応する

空白の独白
着色の対話
演じられる舞台の袖で
出番を待つ
合図は太鼓もしくは鐘
笛吹ぴーひゃらら
どこぞの何某が降りて来る様を
変換しつつ手のひらの中で確認し
追憶の灯火までも
捨てられてしまうのは
本当にもったいないし
台詞を飛ばした瞬間さえ
その一言その一瞬を
固唾をのむ
通電の火花
その場の状況が事件化され
共有する出来事のしもべ
我に返り
またあなたを探している

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