見出し画像

20240229「羊飼いの本」

羊飼いの本を
確かに本棚にあったのに
どうにも見当たらないから
どこの本棚にあるのか
ずいぶんと探している気がする
読み終えたのか
途中なのか
断片的にしか
思い出せないけれど
続きをどうしても読みたいから
さっきから探している
読書日記のどこかに
書いた気もして
ページをめくって
またその前後を読み返す
するとまたまたそれに
たどり着くのが遠くなって
ふうと溜め息閉じて
また机の上に積み重なる

疲れたら目を閉じて
ちょっと横になって
うとうとする
ほんの10分だけでも
夢を見られる
昼間の空白に
出て来るのは
きっと昨日の夜の続きで
それでいて場違いだらけの
継ぎ接ぎの断片
それでもいい
夢の続きで
また放牧された
羊たちと遊んで
牧羊犬が疾走するのを
気持ちよく眺めていられる
あっという間に
追っかけて
元に戻って帰る準備

文脈のない草原で
ひとつひとつの草を喰む
行間に落っこちて
その奈落から
ぽんと出て来る
羊飼いの知恵
授けられた使命なんか
ほっぽいておけばいいのに
それが楽しいのだろうから
わたしはそれを読みたいし
できればそこに居合わせたい
逃げ出したのはわたしのどこか
夢心地の浮雲を見上げ
ふわふわに乗って
今日も眠る
探していたのは
それぞれの隙間
拾い上げて
大きな枯草に寝転んで

この記事が参加している募集

朝のルーティーン

読んでくださってありがとうございます!サポートいただいた分は、noteの他のクリエーターのサポートに使わせていただきます😁