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ストローのなかの、ちっちゃいおじさん【短編小説】
【あらすじ】
今世紀最大の『ちっちゃいおじさん大宴会』の招待状の束をなくしてしまった、ちっちゃいおじさん。
”私”は、開催の危機をすくえるのか?!
***
マンションの下のコンビニで、アイスコーヒを買う。
レジで氷入りのカップを受けとり、機械にセットしてボタンを押すと、ガーッという音とともに、勢いよくコーヒーが出てきた。
そのあいだにフタとストロー、紙ナプキンを棚からとる。
まるで店員
うすっぺらな街 【短編小説】
渋谷のスクランブル交差点、上空。
俺は足元の光景に目を奪われていた。
多くの人が紙でできているかのように、厚みが無かった。
ぺらんぺらん、と、歩いている。
***
俺は、まだ薄暗い駅のベンチで始発を待っていた。
ポケットから取り出したスマホはいつの間にか充電が切れていた。舌打ちをして膝に乗せていたカバンに放り込む。手袋はしていたが指先は凍え、こわばっていた。
辺りは冷蔵庫のような寒さで、俺
「五十センチの神様」(短編小説)
ある愚かで怠け者の男が、だらりだらりと田んぼの畦道を歩いていた。
すると道端の土が少し、盛り上がっているのに気が付いた。
「ちょっと待て。」
声が聞こえ、男は立ち止まった。
「何だ?誰だ?」
「わしじゃ。」
そう言いながら地面から顔を出したのは、長い髭を蓄えた、小さな神様だった。
身長五十センチ位の神様は、やっとのことで穴から這い出してきた。てっぺんは河童のようにハ