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短歌・詩・俳句

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短歌・詩・猫を中心とした川柳などを掲載しています。
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記事一覧

初桜

初桜

前回と似たような自分本位な記事で申し訳ありません。

3月は卒業式、離任式でいろんな方から花束をいただきました。

花束をいただいて 春のはぐれ雲

昨日は部活の生徒たちが送別会をしてくれ、今日は強風の中、最後の練習をしてきました。たくさんの餞の言葉をいただき、時を共に過ごすということの大切さを改めて感じました。
この子らと巡り会えたことを感謝したいと思います。

初桜 別れの言葉あたたかく

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春を待つ心

春を待つ心

多くの方には無縁と思いますが、今日は国公立大学の前期試験の日。生徒たちは北海道から九州まで出かけて受験。ここは雨ですが、雪は大丈夫かなあと思いながら過ごしています。
ただ、一昨日、前期試験対策の講習と個別指導を終え、在校生も学年末試験のテスト週間なので部活動もなく、昨日と今日は完全休養日。悪戦苦闘している生徒には申し訳ないと思いながら、のんびり過ごしています。

昨日はいい天気でしたね。

富士山

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第3話:空を飛ぶ机

第3話:空を飛ぶ机

隣の家に
亮君という二歳の男の子がいて
時々遊びにやってきた

網戸のむこうでおでこをつけ
こんなことを言う

センセエー 雲がきれい

子供らしい饒舌
センセエー いいな 雲
雲みたいに 空 飛びたいな

亮君 じゃあ 大きくなったらパイロットになる?
うん
そしたら うんと勉強しなきゃ

センセエー
勉強すると 空 飛べるようになるの
センセエはうんと勉強して
もう 空 飛んだの?

噛み合う

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自己嫌悪

自己嫌悪

どうでもいいことを
ふと思いついたりするもので、
この間
通勤の帰り道、
ほとんど信号にかからずに
スイスイと帰れたことがあった。

それで、ふと
通勤の道には
幾つ信号があるだろうと
考えてみたのだった。

片道25キロの自動車通勤。
混んでいなければ40分くらいだろうか。
混んでいれば1時間ちょっとかかる時もある。
途中、信号のないバイパス道路を走るので
そんなに信号が多いわけでもない。

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もやもや考える

もやもや考える

バイク飛ばす国道は雨すぶ濡れの顔が体が闇にめり込む

定年前まで980ccのバイクであちこち走った。何年か前からは日本一周一筆書きを目指し、距離を稼ぐために朝から夜まで海岸線をひたすら走った。いつも片方は海、片方は山、どんなに有名な観光地があっても基本は立ち寄らないみたいな走り方で。
冒頭の短歌はその頃の歌。暗い夜の雨の中、海岸沿いの道を飛ばす。その時の、まるで闇の中に身体が減り込んでいくような感

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母

母が熱中症で病院に運ばれたと
兄から連絡があった。
それほど大したことでなく済んだが、
血圧が高く糖尿の持病もあるから
検査も兼ねて二週間ほど入院するという。
明日は自分が行けないので
病院にオムツを届けて欲しいと頼まれた。

翌日、病室を見舞うと
母はベッドに横たわり、
虚ろな眼差しで遠くを見ていた。
腰のあたりにコルセットのようなものが巻かれ、
その両端のヒモがベッドに固定されていた。
徘徊を

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迷子

迷子


誰も僕を知らない街でただ僕は迷子になっていたかったのだ

死にたいと思ったことはただの一度もないが、
どこかに行ってしまいたいと思ったことなら数えられないくらいある。

群青の思惟

群青の思惟

生きるとは群青の思惟 はつ夏の海からの風身に受けて立つ

ご無沙汰いたしました。慌ただしさの中でしばらくnoteをおやすみ、というより、「えーい、やぁ」と放棄してしまいました。コメントやスキをいただいた方には大変申し訳のない次第だと心苦しく思っています。
やっと通常に近い生活に戻れそうな気がしますが、ついてしまった怠け癖はなかなか消えないかもしれません。

新年度の混乱、文化祭体育祭もありましたが

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休日

休日

周りの田んぼに水が入り、田植えがもうすぐ始まろうとしています。

桜が終えてほぼ半月になりますが、サクラの語源は「サ」がサツキ・サオトメ・サノボリなどと同じように「田の神」を、「クラ」は古語では「座」の意味を表しているので、「サクラ」は「田の神の御座所」であるという説があります。
桜が咲くと人々は田植えの準備をする時期が来たことを知り、田の神が農事にいそしむ人々の姿を桜の木に腰掛けてにこやかに眺め

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短歌

短歌

朝の雨 夢に重ねた唇のかたちを探している雨だれ

62歳のジジイの作る歌ではなかろうと叱られそうな・・。

空前の短歌ブームだ!
と、ちょっと前のNHKのクローズアップ現代でやっていて「へー、そうなんだ」と思いました。
読むのは入試問題ばっかりの昨今で、ろくに短歌の現状も知りません。そんなことをそんなことでやっと知ったのですが、岡本真帆さんという方の次の歌が話題になっているらしく、

ほんとうにあ

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金目鯛と孤独

金目鯛と孤独

威張りたい人には威張らせておいて金目鯛つっついている

世の中にも職場にも
自分が正しいと思っている人が何人もいて
自分の「自説」と「自慢」を語る。
それで僕は
そういう時には
ポケットにパチンコ玉を忍ばせておいて
それで耳を塞ぐことにしている。

でも、
そういう声の大きい人の考えが
なぜか「正論」のように受け入れられるから
つくづく不思議な社会だと、
そう言ってみたい自分の正しさに
みみっちく

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母


「あんたは誰?」と母が言うので「ああ僕はあなたの子だ」と言ってはみたが

母の痴呆は進んでいる。

僕は実家を離れていて一番上の兄に母のことは任せっきりになってしまっているが、家に帰るたびに兄からは愚痴がこぼれる。

「店に行って勝手にパンを食べてしまう」とか
「庭でいろんなものに火をつけてしまう」などなど。
以前には、階段を頭から落ち救急車で運ばれたと突然電話がかかってきたこともあった。幸い頭

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大仏のうたた寝

大仏のうたた寝

今日は遠足で鎌倉に行きました。
遠足?って感じでしょうか。
遠足の引率と言っても生徒は班別の自由行動なので教員もほとんど自由散策。

長谷寺と北鎌倉で生徒を分散してバスから降ろし、北鎌倉からのスタート。
浄智寺から山道に入り、源氏山公園、銭洗弁財天、鎌倉大仏まで歩き、もう一足、由比ヶ浜に出て海を見ながら近くのローソンで買ったおにぎりを食べ、帰りの集合場所の八幡宮に向かいながら、ちょっと阿仏尼のお墓

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