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リトルナイトメア2考察 モモと灰色の男たち

取り急ぎ自分以外に唱えていない説をざっとまとめておこうと思う。 リトルナイトメア2はビジュアルをみて、都市+ノッポの男(シンマン)がモチーフだ。 作品をプレイしているとテレビと時計がいたるところに配置されている。 これを見てミヒャエル・エンデのモモをチラッと思い出した。 https://textview.jp/post/culture/43413 モノ(mono)というのはモモ(momo)に一つ足りない。 何が足りないかというと、人の話を聴くムダだったり人を受け入れる度量

    • 虚像のヴィラン

      『ジョーカー』を見て友人に言った言葉は、「これじゃあまりに虚ろだ」という言葉だった。  ジョーカーというスーパーヴィランについてそう口から出たが、考えを進めるうちになお《虚ろ》がキーワードになってきたように思う。  ここで頭にちらつくのは「アナと雪の女王」のハンス王子だ。(彼は作中鏡としての役割を担い、誰に対しても《理想の存在》を演じていた。) アーサーは仮面をつけない。ピエロとして顔に化粧をする。そして笑顔のペルソナを顔に貼り付けるのだ。 ハッピーと母に呼ばれ、笑顔で

      • 《さらざんまい考察④》「ここではないどこか」、忘却と後悔 歴史の蒸発《ネタバレあり》

        ・「ここではないどこか」  最終話、一稀・悠・燕太はそれぞれ輪から外れ忘却の海に落ちながら「ここではないどこか」を願っていたことを独白する。  「ここではないどこか」という概念はどの時代にもあった。それが大航海時代を生み出したかもしれないし、あらゆる冒険心や発展をうみだしてきただろう。  それは車や鉄道、飛行機で世界が広がったため、心にあった欲求が行動に移すことを若者がおおく始めたからだろう。文化による概念の発見である。  そしてそれが大衆に向けて可視化されたのが、196

        • 《さらざんまい考察③》不穏な第1話と、『ジェイコブズ・ラダー』《ネタバレあり》

          ・夢/現実の構成・胡蝶の夢  考察①を書き上げた後、1話の元ネタを発見したので追記しておく。  それは『ジェイコブス・ラダー』だ。 https://www.youtube.com/watch?v=lbd48CkJcXs あのサイレントヒルの元ネタとなった怪作だ。私も長らく見たいと思いながら配信サービスで待っていたが全く気配を見せないため、さらざんまいを見た勢いでレンタルしたのだが、まさしくさらざんまいの本質そのものであった。以下に『ジェイコブズ・ラダー』の解説とともにさ

        リトルナイトメア2考察 モモと灰色の男たち

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        • 《さらざんまい考察④》「ここではないどこか」、忘却と後悔 歴史の蒸発《ネタバレあり》

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        • ドミニクの映画考察
          6本

        記事

          《さらざんまい考察②》吾妻サラの救いとループ、カワウソの真実とレオとマブ《ネタバレあり》

          ・始まりと終りが帰結する吾妻橋  本作において吾妻橋はとても重要な場所だ。物語が始まり、終わる場所でつながりそのものである。その名を冠する吾妻サラは弟橘姫であり、そして織姫だ。さらに言えばサラは本作品における”心”であり、この物語の中心でもある。  弟橘姫(オトタチバナヒメ)はヤマトタケルノミコトの妻であり、東征の際に荒れ狂う隅田川に身を沈め、その嵐を鎮めたという。残されたヤマトタケルノミコトが「我が妻よ」と呼びかけたことが土地の由来だという。  橋の名称は、東のあずまが

          《さらざんまい考察②》吾妻サラの救いとループ、カワウソの真実とレオとマブ《ネタバレあり》

          《さらざんまい考察①》再接続した最終話・ロマンの否定《ネタバレあり》

           多くの人の腰を抜かせた、2019春アニメ「さらざんまい」。 浅草を舞台として、少年3人が夜な夜な河童に変身しては、欲望にとらわれたカパゾンビの尻子玉を抜き、願いをかなえる皿を得る物語。  第1話が始まった時点でループ説はあらゆる人が気づいたように思う。ループ説を元に全体の物語を読み解いていきたい。 ・カッパ・カパゾンビそして帝国の謎    また、カパゾンビの生まれる過程を一度さらいたいとおもう。 ①レオにより拳銃が撃ち込まれ、魂をぬかれ死体をハコにつめられる。 ②レオマ

          《さらざんまい考察①》再接続した最終話・ロマンの否定《ネタバレあり》

          死刑と人の罪 《感想》「HER MOTHER 娘を殺した死刑囚との対話」

          みな罪を背負ってる、その罪をだれがどの立場で裁くのか…… みな複雑な胸中を抱えているが、主人公の心に一番寄り添えって見ることが出来た。 己の目の前で起きた事件にもかかわらず、夫婦の代表としては旦那が裁判に立ち、検察は勝つための証拠だけで満足し、犯人の弁護士も同様だ。 目撃者で恐怖を体験し、娘を亡くしたことを7年経っても諦められない主人公が、だ。 彼女が蚊帳の外の自分に耐えられず、娘の携帯を手放せないのも無理はない。 なぜ蚊帳の外なのか?人がみな小さな嘘を抱えたからだ。 そ

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          ホラーをホラー足らしめる『現実の“タブー”』

           2017年、ホラー映画のなかで異彩を放ち、話題を攫った一本の映画がアメリカで封切られた。 そう、『ゲット・アウト』(原題:Get Out)だ。  黒人大統領がうまれ、もうこの社会に差別という問題はないような建前と、度々起こるヘイトクライムという本音。 さらにオバマ大統領が退けば反動のように差別主義者トランプが座に着いた。 その欺瞞というタブーという膿を切り開いてみせたのがこの『ゲット・アウト』だ。 (日本でも、いま大坂なおみ選手フィーバーの欺瞞をまさにこの映画が表している

          ホラーをホラー足らしめる『現実の“タブー”』

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