子ども達に「世界を変えられる自信をつけてもらいたい」だから始めたこと

■いま、子どもが身につけるべき力ってなんだろう

わたしが、母親になってもうすぐ5年になります。そのたった5年の間に、AIやブロックチェーンといった新しい言葉が世の中に広まり、世界を変えてきました。これから先、変化はさらに加速していくはずです。

今後、体系化されている物事に関してはAIが代替していく可能性が高いでしょうし、運転技術を磨くことだって、子ども達が大人になる頃には必要ないのかもしれません。子ども達が旅立つ未来の姿は、わたしが生きてきた世界とは異なるものになるのではないでしょうか?

にもかかわらず、そんな未来を担っていく子ども達の教育は、アップデートされていないように感じています。STEM教育やプログラミング教育を進める学校は増えています。ただ、急速な社会の変化を見ていると「このSkillを学べば絶対に大丈夫!この学校に入れば安心だよ!」と今のわたしは自信を持って言い切れません。1人の母親として、30年後、40年後、今までとは異なる社会に歩む彼らに、今どんな”教育”をしてあげたらいいのか、ずっと考えてきました。

そして最近、1つの答えが出ました。
少し長くなりますが、お付き合いいただけたら嬉しいです。

■学校・家庭・社会、そのすべてを子ども達の教育の現場に

日本は「教育の場=学校」という印象が強くありますが、果たして本当にそれだけでしょうか。誰かに預けることだけが教育ではないはずです。親と社会が一緒になって、もっと子ども達の教育に取り組む意識を持ち、子ども達の視野を広げるサポートがあっていいと思うのです。

家では十分に教えてあげられないことを学校で、その逆に、学校では学べないことを親や周りの大人が子ども達に伝えていける社会。学校、家庭、社会、その全てが、これからを生きる子ども達にとっての教育の場であるべきだと思います。

同じような考えを持っている大人もたくさんいると思います。ただ、家庭や社会で具体的にどう子ども達をサポートしたらいいのか、そこが明確にならないから取り組みづらい現状があると考えました。

そこでわたしは、『PLTSc for kids』プロジェクトを立ち上げることにしました。

家庭や社会が『PLTSサイクル』という教育理念を持って、子ども達の可能性を広げてくプロジェクトです。

■『PLTSサイクル』とは?

『PLTSサイクル』はわたしが考えた新しい教育の指針となる言葉です。『PLTS』の「P」は目的(Purpose)を持つこと 。「L」は 目的達成のために知識や技能を習得(Learning)すること 。「T」は 習得したことを試して(Trying)みること。「S」は、 試したことを成功体験、もしくは社会的評価(Success / Social evaluation)に繋げることを意味しています。この「P」「L」「T」「S」を円(Cycle)のように繰り返していくことを『PLTSサイクル』という造語で示しています。

この『PLTSサイクル』を、子ども自身が主体的に回し続けられるようになった先が、わたしたちがまだ見ていない世界に繋がっていくのではないでしょうか。

『PLTSサイクル』のサポートはひとりひとりの子ども達に合わせて行わなければいけません。多様なサポートを行うためには、学校教育だけではなく、親や社会が積極的に担っていく必要があります。

■義務教育の中で『PLTSサイクル』を育むことは難しい?

学校では、基本的な勉強を全員に平等に教えてくれます。個々の生徒が何にどう興味を持っているのか、何を目的に学んでいるのかはあまり関係がなく、カリキュラム化された内容を丁寧に教えるための授業と、正しく理解したかを試すテストや発表の機会が設けられています。

学校は、PLTSで言うところの「目的=Purpose」を子ども達に意識させることなく、受動的に「学ぶこと=Learning」と「試すこと=Trying」というふたつの機会に焦点を絞っているのです。

1人の先生が多数の生徒を一度に見なければならない環境において、ひとりひとりの生徒の興味関心や目的意識にまで気を配ってあげられないのは、仕方のないことだとも思います。ただ、受動的に教育を受けるだけでは、子ども達が主体性を持った活動には繋がりづらいのです。

また、学校というある種社会とは隔絶された中での活動は、社会との接点が少なく、成功体験や社会的評価(Success / Social evaluation)に繋げにくいという点があります。テストや授業参観、運動会などの子ども達の成果発表の場も、社会から閉じられており、フィードバックが先生と家族からしかもらえない場合が多いのです。

でも世界はもっともっと広いです。学校を飛び出せば、発表の場だって多様にあって、いろんな人がいて、感じ方も人それぞれです。広い社会で自分を表現し、多様なフィードバックを得る方が、圧倒的に視野も可能性も広がります。

■子ども自身が目的意識を持つ"きっかけ"づくり

「PLTSサイクル」は子ども自身が「目的=Purpose」を持つことから始まります。「Purpose」を持って初めて、意欲的に深い学びが始まるはずです。

わたしには2人の子どもがいますが、2歳と4歳でも、興味があること、好きなことの違いがはっきりとあります。姉は絵を描くことに夢中で、弟は踊ることに楽しさを見出しています。本人が情熱を傾けられるものを早くから見つけたのであれば、そこに本人なりの「Purpose」を持たせてあげることで、より世界が広がるきっかけを作れのではないでしょうか。

もちろん興味が違う場所に移ったって構いません。大事なのは、何事にもまず「Purpose」を持つ意識を育むことです。

ただ、目的意識を持つことは簡単ではありません。子ども本人が目的意識を持つ"きっかけ"や"動機付け"が必要になります。そこで、親としてできることは、子ども本人の興味に寄り添いながら、適切な目的設定を行えるように"出会いの数"を増やしてあげることだと思います。

例えば、ストライダーが大好きな子には、ストライダーレースの大会があることを教えてあげたり、写真にハマっている子がいれば、写真の展示会を一緒に見に行く機会をつくってみたり、ロボットに夢中な子には、世界中で開かれているロボコンの動画を見せてあげたり、手芸が得意な子にはハンドメイドマーケットのイベントやサイトがあることを教えてあげたり…。

「世の中にはこんなのがあるらしいよ。」とより多くの情報に触れる機会をつくってあげるだけでいいのです。そうすることで、大会に出ることを目的にする子もいれば、勝つことを目標に掲げる子もいるでしょうし、自分の作品を誰かに見てもらうことや、売ることだって出来るんだと気がつけば、「やってみたい!」と意欲が湧く子もいるはずです。

あくまで、「Purpose」を決めるのは、子ども本人です。親や大人が持っている情報を共有したら、後は本人自身がどうなりたいのか、何をしたいのか、彼ら自身から出てくるまで、見守ってあげることです。そのうち、自分自身で情報も収集できるようになるはずです。

■子どもでも手が届く「Learning」と「Trying」はたくさんある

目的が見つかったら、次は「Learning」「Trying」と続きます。学ぶのも、試すのも、子ども自身がやることです。ただし、「Purpose」と同様に親として子どもに多様な選択肢を見せてあげることはできるはずです。学校のように決まった形で与えてしまうのではなく、子どもに選ばせるのです。少し成長すれば、自分で「Learning」「Trying」の手段も探せるようになるでしょう。
 
今、知識や技術を学ぼうと思えば「YouTube」も「google」もあります。より専門的に知りたければ、興味分野の第一人者の調べて、自ら連絡を取ることも簡単になりました。本屋に行って一緒に本を探してもいいですね。
 
試す場、発表の場としてはHPを立ち上げたっていいですし、GithubやBASEを使っても良いと思います。専門的なことにチャレンジしたのあれば、内容を理解してくれる専門性の高いコミュニティへのアクセスもできるでしょう。

以前、ブログにも書きましたが、実際、わたしの4歳の娘が、BASEを使って自分の作品を販売する「おえかきおみせ」をはじめました。それは、彼女が選んだ「Trying」の場です。

今や保育園の子でも、自分で世の中とつながれる手段がいっぱいあるんです。ただ、子どもが初めから自分でその機会に気づくことは難しいです。子どもが日常で触れている情報の量は大人に比べ圧倒的に少なく、アンテナの張り方も十分に知らないからです。だからこそ、世の中との接点をたくさん子どもに見せてあげるのが親や社会の役目だと思います。
 
そして世の中との接点を見せることが、次のステップ「Success / Social evaluation」へと繋がっていきます。

■子ども達の挑戦が、社会からどう評価されたのかを伝えてあげる

大人も時としてそうですが、子どもは自分が行ったことの意義がどのくらいあるのかに気づいていないことが多いです。子どもの「Trying」が、どんな結果であったかを、ちゃんと子どもに認識させてあげるのは親の力だと思います。成長するにつれて、子ども自身で結果を認識する力も身につき、自信をつけたり、反省したり、次のステップに繋げる力が磨かれていくはずです。
 
娘のBASEを例に挙げると、Purposeは「欲しいおもちゃを自分で買うこと」、Learningは「わたしからBASEの使い方を学ぶこと」、Tryingは「実際にBASEで売ってみること」でした。そして、実際に絵が売れると、彼女の喜びは爆発しました。レビューやお手紙という形で、購入者の方から、たくさんの嬉しい声もいただきました。ただ、それがどれだけ凄いことか、大人のわたしには分かりますが、娘だけではイマイチ掴めていないようでした。そこを丁寧に説明してあげると、自分がしたことに自信というプラスαが彼女にうまれました。それこそが「Success / Social evaluation」です。

今では、もっと喜んでもらうためには、もっと売るためにはどうしたらいいのか…と、新たな目標や学ぶ意欲を持つようにもなりました。 

目的を定めて、行動すると、フィードバックが得られて、世界と繋がっている体験が得れる。そして、そこから、さらに視野が広がっていく。わたしたちは今、そんな素晴らしい世界にいるのだと、娘から教わったように思います。

■『PLTSc for kids』プロジェクトの具体的な活動

わたしは『PLTSサイクル』という教育理念を持って、子ども達の可能性を広げていくプロジェクト 『PLTSc for kids』プロジェクトを立ち上げます。具体的な活動として、3つの取り組みを始めます。すでに開催が決まっているものもありますので、気軽に参加して頂けたら嬉しいです。
 
1つは「これからを生きる子ども達に、有益な情報を提供する」ニュースサイトの開設。世界中の新しい教育の話題や、企業がリリースする教育関連の商品・アプリ情報、奨学金や子どもがチャレンジできるコンテストの話などを提供していく予定です。
 
もし、上記に当てはまる情報を知っていたら是非教えて下さい。futureed.newsアットマークgmail.comまで。
 
2つ目は、子ども達が「Purpose」を持つきっかけとなるような企画、新しい世界観の扉を開けられるようなイベントを開催していきます。

3つ目は、教育について多くの人とフランクに語らえる場所と時間をつくることです。わたしもまだまだ子育てに試行錯誤の日々です。これからを生きる子ども達に親として何ができるだろう、世界にはどんな教育があるんだろう、難しい内容ではなく、気軽に話し合える場を設けていきたいと思います。

こちらは、STEM教育研究センター代表であり、埼玉大学教育学部教授の野村泰朗氏と一緒に企画を進めています。
 
第一回目は6月9日18:00~、外苑前の株式会社mistletoeさんのイベントスペースをお借りして開催が決定しています。誰でも気軽に参加してもらえたら嬉しいです。詳細はまたブログでも書かせていただきますが、少しでもご興味ある方は、個別にご連絡させて頂きますので、futureed.newsアットマークgmail.comまでご連絡ください。
 
わたしも子どもに負けじと、わたし自身のpursoseに向かって進んでいきたいと思います。
長い長い文章にお付き合いいただいて、ありがとうございました!

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?気軽にクリエイターを支援できます。

23

PLTSc for kids

故郷のお気に入り記事

故郷(ふるさと)が素敵だなと思った、他のクリエイターの方が書かれた記事をまとめたマガジンです。
コメントを投稿するには、 ログイン または 会員登録 をする必要があります。