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読書日記~高橋幸宏「心に訊く音楽、心に効く音楽」編。

 noteでは不思議な位、高橋幸宏さんやサディスティック・ミカ・バンドについて書いているんですね、私。
それだけ影響を受けているというか、大好きなアーティストだということなんでしょう。

 小坂忠さんが亡くなった時期なので、ちょっとウェットな内容の記事ですね。
同じ「ケースから一掴みの5曲」ではサディスティック・ミカ・バンドについても書いています。

 こちらは私にとってのミカ・バンド遍歴というか、そんな感じですかね。

 更にかつてのミカ・バンドのヴォーカリストだった福井ミカさんの本についても書いています。
この本で印象に残っているのはイギリスの文化だったり、食事についてだったりしますね。
ミカ・バンドについても触れてはいますが、この本においては重要な部分ではないと思います。

・高橋幸宏「心に訊く音楽、心に効く音楽」(PHP新書)

 この本は幸宏さんの少年時代からの音楽との寄り添い方についてほぼ時系列に丁寧に書かれている本です。
これは幸宏さんのことをよく理解しているインタビュアーの天辰保文さんの貢献度の高さがわかりますね。
そして、幸宏さんの色々なミュージシャンとの出合いが後々、日本の音楽シーンの中でどういう意味があるのか、考えるとかなり興味深い内容だと言えるでしょう。

 まずは幸宏さんが少年時代に影響を受けた音楽について語られていて、ビートルズ、中でもジョージ・ハリスンに対する思い入れの強さが伺えます。
個人的に幸宏さんがカヴァーしたことで、ジョージ・ハリスンのよさを理解できたと思ってますから、この辺りはかなり重要ですね。
他にもアル・グリーンやデイヴィッド・ボウイにプロコルハルムなどを幸宏さんの語り口調で読めるのは素晴らしいことだと思います。

 そして、高校生の時に細野晴臣さんや小原礼さんと出会って、バズや高中正義さん、加藤和彦さんや松任谷由実さんにもほぼ同時期に出会っているわけですから、日本の音楽シーンがかなり限定された人々の中でのものだったことが想像されます。
もちろん、その方々が優れた才能を持っていて、現在も活躍されているから、こうして現在まで語り継がれていることは確かですね。

 サディスティック・ミカ・バンドで泉谷しげるさんのサポートをした時のエピソードもあって、以前書いた加藤さんと泉谷さんの関係も伺えます。

 新しい音楽に敏感だったと伝えられている加藤さんはともかくとして、泉谷さんも新しい音楽に対してかなり貪欲な姿勢だったことがわかりますね。 
そして、幸宏さんと坂本龍一さんの出会いも坂本さんが山下達郎さんのサポートをしていた時期だったことが書かれていて引き込まれました。
加藤さんのアルバム『ガーデニア』に坂本さんが参加する経緯や、アルバム『千のナイフ』のエピソードはYMOファン以外にとっても重要なはずです。

 そして、幸宏さんのソロ・アルバム『サラヴァ!』やYMO時代の「中国女」、「CUE」に「君に胸キュン」についても語られてますね。
更にポール・マッカートニーやスティーブ・ジャンセンとのエピソードもあったりします。

 映画音楽、フランシス・レイやバート・バカラックについてかつて幸宏さんが語ったからこそ、私の中でバカラックが重要な位置にあるとも思うわけですよ。

 この本の締めの部分では細野さんとのスケッチ・ショウや鈴木慶一さんとのビートニクス、HASYMOなど幸宏さんがかつての仲間たちと新しいことをやったり、高野寛さんや原田知世さん、高田漣さん、権藤知彦さんに堀江博久さんとのpupaやワールドハピネスで締められています。
つまりまだMETA FIVE結成前にこの本が出たということですね。うーむ。

 こうして新しいバンドやプロジェクトを次々に始めてしまうのが幸宏さんの長所だと思うわけです。私が新しいことを始めるのが苦手なので、より強く思うわけです。

 実はこの本、出ているのは知ってましたが、新刊の本屋さんには見当たらなくて、古本でもなかなか見かけなかったのでした。
が、先日たまたま入った古本屋さん(しかも特価コーナー)にあって、即購入したのでした。
一度読んだだけだったのをこの機会に再読して日記に書いたというわけです。

 さて、明日も読書日記を書くつもりですが、今のところ何について書くかは未定です。お楽しみに。

 ではまたー。

 

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