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夜が怖い。そう言って視界を覆った手の甲は、いつの間にか濡れていた



あ〜、こわいな。
すごい怖い。眉間に勝手に皺が寄る。意識が変なところで覚醒して、頭はとてつもなく眠いのに目が冴える。
そして、心が億劫になる。

こんばんは、今日はだめな日。夜になれば、すぐわかる。
念のため確認しておこう。

秘技、

頭痛ーるくん


あああ…ほらね…
入れておきましょう、大抵の場合は気圧のせいです。

「〜のせい」

って。とても無責任だと思う?
自分のことなら、自分でしなさいって思う?
私は、そうは思わない。

気圧のせいなら気圧のせいにして仕舞えばいい。
季節のせいなら、季節のせいにして仕舞えばいい。

「何でもかんでも他のせいにしない」

って風潮がある一方で、

私は「頼れるものは頼れるもののせいにしたほうがいい」
と考えている。
もちろん、それが必ずしもいいわけじゃない。何でもかんでも何かのせいにしてしまっていたら、きっと本当に無責任になってしまう。

だけど、もしその「何かのせいにしたくなる」気持ちが、体からの緊急メッセージだったらどうしよう?
本当に、自分のせい?

「〜のせい」という言葉はとても中身がなくて、適当で、マイナスに聞こえるかもしれないけど
確実に、少なくとも私は「〜のせい」にしてほっとする心はあると思うんです。
それで自分のせいじゃないって思えて、心が前向きになるなら、それはそれでいいと思う。

心が、少ししんどい日。
冴えている目元をマッサージしてから瞼を閉じると、裏側に失敗したことがよみがえってくる。
LINE、送るの失敗したな、とか。
仕事、ミスったな、とか。
明日がくるのが怖いな、とか。
ひどい時はさっきまで読んでいた本のフレーズとか、さっきまで聞いていた音楽とかテレビが耳の奥で流れている。

眠れないから外に出て、曇った空を見上げてみる。
土と、雨と、新緑の混じった匂い。人気の無い、澄んだ空気が春を告げる。
桜は散ってしまったが、露に濡れた葉も悪くない。

寝床に戻って、真っ暗よりも真っ暗が良くて、視界を手の甲で覆う。
次に両目を開いたとき、私の手の甲と、まつ毛が濡れていた。

潜在に眠る意識が、
言葉に表出しない感情が、
耐え難い事から逃げ出そうとしている。
私の頭が言葉を紡ごうとする前に、もう心では感じ取っている。

何か、何か起きそうな大きな不安と、海のように深い虚無が、体を取り巻いて、頭を薄暗く覆って、私を暗闇に持っていってしまう。

そんな日は必ず、悪い夢をみる。

もがきながら苦しむ夢をみる。

最近は、ASMRを聴いて寝るようにしているんですけどね。
ずっと抜けないモヤモヤがあって、時々悪さをするんですよね。
毎日幸せでいるのは無理だし、その負担をちょっとでも何かのせいにして軽くなりたい。

眠れないのはたくさんやることがあるせいです。
辛いのは現実のせいです。
頭が痛いのは気圧のせいです。
眉間に皺が寄るのは…

眉間に皺が寄るのは…



なんでだろ。

怖い。

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