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身体活動×学業成績


📖 文献情報 と 抄録和訳

学齢期の若者の学業成績に対する身体活動の急性効果:システマティックレビューと多変量メタアナリシス

📕Muntaner‐Mas, Adrià, et al. "Acute effect of physical activity on academic outcomes in school‐aged youth: A systematic review and multivariate meta‐analysis." Scandinavian Journal of Medicine & Science in Sports 34.1 (2024): e14479. https://doi.org/10.1111/sms.14479
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[背景・目的] 過去20年間で、児童や青少年における急性および慢性の身体活動が学業成績に及ぼす影響を検討する研究が増加してきた。我々は、学齢期の青少年における学業成績に対する身体活動の急性効果を系統的に明らかにし、可能性のある調整因子を検討することを目的とした。

[方法] PubMed、Web of Science、SPORTDiscus、PsycINFOの各データベースを用いて、学齢期の青少年における学業成績関連の結果に対する身体活動の急性効果を評価する研究を系統的に検索した(開始から2023年1月11日まで)。学業成績の結果をプールするために、制限最尤法を用いたランダム効果モデルに基づき、単変量および多変量のメタアナリシスを実施した(ヘッジのg)。

[結果] システマティックレビューには11の論文(803名の児童・青年[範囲:6~16歳])が含まれた。全体として、急性の身体活動は学業成績を増加させた(Hedge’s g = 0.35、95%CI:0.20-0.50)。多変量メタアナリシスにより、身体活動は数学(Hedge's g = 0.29、95%CI:0.16-0.42)言語(Hedge's g = 0.28、95%CI:0.09-0.47)の学力を向上させることが明らかになった。

行動変容技術(Hedgeのg = 0.54, 95% CI, 0.18-0.90, p < 0.001)のみが、この関係において有意な役割を果たした。

[結論] 身体活動を1回行うことで、学齢期の青少年の学業成績が改善する可能性があり、これは教育現場にとって補完的なツールとなりうる。しかし、観察された結果の異質性は、得られた知見を慎重に解釈すべきことを示している。

🌱 So What?:何が面白いと感じたか?

『文武両道』、という。

✅ 文武両道の意味
- 文武両道とは、文事と武事、学芸と武芸、その両道に努め、優れていることを指す語。
- 現代では勉学と運動(スポーツ)の両面に優れた人物に対しても用いられる。

今回の抄読研究によれば、武(身体活動)は文(学業成績)を高めるらしい。
そして、その強化は算数と国語という主要二科目において効果を発揮する。
20分間の有酸素運動ならば、そんなに無理のない範囲の運動でもある。

学業成績をさらに伸ばしたいという、子ども。
子どもの学業成績をさらに伸ばしたい、という親御さん。
勉強だけやっているよりは、有酸素運動を取り入れることで効果が得られるかもしれない。
文武両道は特別な才能を有する特定の個人を指す言葉というよりは、文武両道だからこそ、どちらの成績も高まる、という視点も重要そうだ。

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