「深夜の店」
静まり返った飲食店の中で僕は執筆をしていた。昼の十二時頃からここにおり、書いていると夢中になり、知らず知らずに時間が過ぎて、気づけば夜中の三時を迎えていた。
コーヒーを三杯飲んでいるせいか、眠くはないが心臓の鼓動が早い。おそらくカフェインの多量摂取の影響だ。
辺りには僕以外にも何人か人がいた。顔を伏せて眠る中年男性。不満げに話す女性二人。店内の隅でコーヒーを啜る老人。そして、僕。
ただ機械的に指を進める。書いて、消して保存する。書いて、消して保存する。それを繰り返し続けた。
この日で短編をいくつか完成させて、長編も進める事が出来た。素晴らしい事だ。
そして、今は先ほど出た新しいアイデアを短編としてまとめているのだ。アイデアが出たからには書かずにはいられない。例え、それが昼でも、夜でも関係ない。
ただ、その躍動に身を任せるのだ。
数分後、短編を書き終えた。するとカフェインが切れたのか、眠気が襲ってきた。
視界が歪むほどの睡魔から奇襲を受けた僕は店を出た。
店の外に出ると眩い朝日が優しく僕を迎えた。今日は心地よく眠れそうだ。
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