タキカワスエヒト

低山ハイクや出かけた先で感じたことは【登山記】【紀行文】で投稿。神道、縄文、万葉集が最…

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低山ハイクや出かけた先で感じたことは【登山記】【紀行文】で投稿。神道、縄文、万葉集が最近のキーワード。 【合気道】はライフワークです。その他は考えたことは【随筆】に。 Story Cubes Storys というツールを使った小説を時々投稿。 雑食です。よろしくお願いします。

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  • 国立歴史民俗博物館はすごい!

    千葉県佐倉市にある国立歴史民俗博物館を訪れた際の感動を書き留めた紀行文というか忘備録。 また訪れたいと思っている。 私自身の民俗学に対する考察、とりとめもない考えを書き留める場所でもあります。ときおり、ブラッシュアップのため手を入れようと思います。

記事一覧

固定された記事

美しいものを自然に描きたい

タキカワスエヒトです。  noteを始めて2年ほどになります。  小説家、紀行文作家になりたくて、文章だけは書いてきたけれど、発表の勇気がない。そんな私が自然と始め…

【紀行文】北条氏ゆかりの韮山城砦跡を歩く〜伊豆の国市 真如の里でキャンプ

 伊豆の国韮山は牧歌的な田園風景が広がる場所だ。遠くに富士山が姿よく見え、また近景には、葛城山や城山などの伊豆の山々が美しく配置されている。近くには世界遺産とな…

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【紀行文】縄文の暮らしが奇跡的に残っていた! 岩陰に暮らした北相木人

北相木人が眠っていた 栃原岩陰遺跡  黒耀石を巡る旅に出た。  この旅の後半は、国指定史跡である北相木村の栃原岩陰遺跡へと向かう。霧ヶ峰から和田峠方面に出て、そ…

【紀行文】黒き星が降る聖地を縄文人は目指した 黒耀石をめぐる旅

まずは、白樺湖畔へ  諏訪に魅せられた。今年は旅に行こう。年初にそう決めた。  今回の旅は、テーマを「黒耀石をめぐる旅」と題し、友人と一泊二日で出かけた。諏訪に…

【登山記】龍は天に爪を向く 双耳峰竜爪山と縁起の良い欅立山へ

竜爪山へ  静岡県の形を思い浮かべていただきたい。その角に当たる場所を奥静と言う。安倍川の上流域、そこには梅ヶ島温泉や井川ダム、南アルプスなど自然が豊富に残って…

【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その3

頂上 奥の院思親閣へ  前回の記事はこちら。  日蓮上人は、1274年6月17日に甲斐国波木井郷の南部六郎実長の招きによりこの身延山に入った。そして「日蓮が弟子檀那等…

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【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その2

身延山久遠寺奥の院への東回りコースへ  日蓮宗総本山、身延山久遠寺。桜の名所としても有名だ。ここにはロープウェイや長い登山道を経てたどり着けるの奥の院が存在する…

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【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その1

 身延山久遠寺は、山梨県身延町にある日蓮宗の総本山である。  山深いところではあるが、JR身延線が通っており、出発駅の富士駅からは約1時間程度で到着する。  私の…

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【SCS9】拘泥

 その日、昼前にぽかりと時間が空いたので、散歩に出かけた。  途中でふと目に留まった赤い花があった。普段花をじっくり見ることもなく、庭いじりの趣味もないので、花…

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【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~結明神社と伊豆山本宮

子恋いの森を抜けて、結 明神社へ  白山神社から結明神社へと向かう。子恋いの森というロマンチックな名前を持つ公園区域を歩いていく。  ここは中世のころからの景勝…

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【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~走り湯と白山神社編

湯の出ずるところ 伊豆  伊豆は、湯の出ずる処が語源という説がある。その湯の出ずる処といえば、この「走り湯」である。  走り湯は、伊豆山神社の階段から、海に向か…

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【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その3~西永福大宮遺跡 

 アースダイバーとなり、縄文の雰囲気を感じながら、東京の神田川沿いを井の頭線の明大駅前から吉祥寺駅まで遡った。吉祥寺で調べた、同じ井の頭線沿いにある西永福の大宮…

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【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その2~高井戸東遺跡と久我山稲荷神社

白い巨塔は死のタナトス  しばらく歩いてみることにする。高井戸・久我山方面に向かっていく。  神田川沿いには多くの公園があり、球児が声援を浴びながら、練習をして…

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【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その1~高井戸 塚山古墳

土地の古層を幻視しながら、東京神田川沿いを歩く  中沢新一氏のアースダイバーを読んだ。  最近、縄文人の考え方、その頃に人々がどのように暮らしていたか、そういっ…

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【随筆】浅間さんの不思議を考える 富士の麓に住まう人々への思い

伊豆修験道と富士村山修験道  熱海の伊豆山神社に詣でた時のことだ。朱塗りの社殿のある場所から、右手に奥まったところに資料館があった。そちらを訪ねてみると、小さい…

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【登山記】熱き水が海へ迸るから熱海! 岩戸山は修験道の聖地か⁉️

熱海の岩戸山は、日金山と伊豆山の中間にある  静岡県の熱海でもっとも有名な山は伊豆山権現としても知られた「伊豆山」であろうか、それとも十国峠で有名な「日金山」か…

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美しいものを自然に描きたい

美しいものを自然に描きたい

タキカワスエヒトです。

 noteを始めて2年ほどになります。
 小説家、紀行文作家になりたくて、文章だけは書いてきたけれど、発表の勇気がない。そんな私が自然と始めることが出来て、そして続けることが出来ているのが、このnoteです。
 公開後、スキやコメントをたくさんいただき、そして応募したコンテストに入賞という嬉しい体験もありました。 

 私は、小説を書く上では、白樺派といわれる志賀直哉が好

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【紀行文】北条氏ゆかりの韮山城砦跡を歩く〜伊豆の国市 真如の里でキャンプ

【紀行文】北条氏ゆかりの韮山城砦跡を歩く〜伊豆の国市 真如の里でキャンプ

 伊豆の国韮山は牧歌的な田園風景が広がる場所だ。遠くに富士山が姿よく見え、また近景には、葛城山や城山などの伊豆の山々が美しく配置されている。近くには世界遺産となった韮山反射炉のほか、パンの祖とされる江川太郎左衛門の屋敷、そして近年、鎌倉殿の13人で一躍、脚光浴びた源頼朝ゆかりの地が各所にある。
 そしてここには、かつて韮山城があった。戦国の雄 北条早雲(伊勢宗瑞)築き、そして後北条と豊臣方の戦にお

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【紀行文】縄文の暮らしが奇跡的に残っていた! 岩陰に暮らした北相木人

【紀行文】縄文の暮らしが奇跡的に残っていた! 岩陰に暮らした北相木人

北相木人が眠っていた 栃原岩陰遺跡

 黒耀石を巡る旅に出た。

 この旅の後半は、国指定史跡である北相木村の栃原岩陰遺跡へと向かう。霧ヶ峰から和田峠方面に出て、そこから立科町・佐久方面へと走らせ、中部横断自動車道に乗り、八千穂高原ICで降りる。
 つまり、八ヶ岳山麓を一旦北方面にぐるりと回り込みむ形になる。途中中山道の宿、和田宿の本陣へと立ち寄った。こちらも国指定史跡である。

 黒耀石の古里、

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【紀行文】黒き星が降る聖地を縄文人は目指した 黒耀石をめぐる旅

【紀行文】黒き星が降る聖地を縄文人は目指した 黒耀石をめぐる旅

まずは、白樺湖畔へ

 諏訪に魅せられた。今年は旅に行こう。年初にそう決めた。
 今回の旅は、テーマを「黒耀石をめぐる旅」と題し、友人と一泊二日で出かけた。諏訪には黒耀石の産地や関連する遺跡が数多くあることが分かり、いろいろと下調べを重ね、ぜひこの目で見たい! という場所を選んだ。
 静岡県内を朝6時に出て、富士宮経由で中道を通り、中央自動車道に乗る。諏訪南インターで降り、そこから観光地としても有

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【登山記】龍は天に爪を向く 双耳峰竜爪山と縁起の良い欅立山へ

【登山記】龍は天に爪を向く 双耳峰竜爪山と縁起の良い欅立山へ

竜爪山へ

 静岡県の形を思い浮かべていただきたい。その角に当たる場所を奥静と言う。安倍川の上流域、そこには梅ヶ島温泉や井川ダム、南アルプスなど自然が豊富に残っており、静岡茶やワサビの栽培、ウイスキーの製造も盛んだ。 
 オクシズ地域は、こうした自然が豊かに残る美しい場所であり、今注目の地域だ。旨いものも多い。自然を生かしたアクティビティも近年充実している。
 静岡の少し開けた場所から北側の山々、

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【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その3

【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その3

頂上 奥の院思親閣へ 

前回の記事はこちら。

 日蓮上人は、1274年6月17日に甲斐国波木井郷の南部六郎実長の招きによりこの身延山に入った。そして「日蓮が弟子檀那等は、この山を本として参るべし。これ即ち霊山の契なり」と宣った。
 さらには、「いづくにて死に候えども墓をば身延山に立てさせ給え」と、よほどここを気に入ったのか、自分が死したら、ここに埋葬してくれと遺言を残したという。
 時代を作っ

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【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その2

【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その2

身延山久遠寺奥の院への東回りコースへ

 日蓮宗総本山、身延山久遠寺。桜の名所としても有名だ。ここにはロープウェイや長い登山道を経てたどり着けるの奥の院が存在する。
 今回は、その奥の院へ向かう登山道を行く。
 前回の記事はこちら。

 道は整備されており、普通のシューズでも十分登ることができる。一部木の根などが露出しているので、登山靴であったほうが無難であるとはいえるが、雨の翌日でもなければ、滑

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【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その1

【登山記】日蓮聖人が眠る仏の里~桜満開の身延山中を行く その1

 身延山久遠寺は、山梨県身延町にある日蓮宗の総本山である。
 山深いところではあるが、JR身延線が通っており、出発駅の富士駅からは約1時間程度で到着する。
 私の生家が日蓮宗ということもあり、何度か久遠寺には来ているらしいのだが、幼いころの記憶故、あまり覚えていない。しかし、この久遠寺の奥の院や日蓮宗守護の山といわれる七面山には、いつか登りたいと思っていた。
 桜の里としても有名であり、私が訪れた

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【SCS9】拘泥

【SCS9】拘泥

 その日、昼前にぽかりと時間が空いたので、散歩に出かけた。
 途中でふと目に留まった赤い花があった。普段花をじっくり見ることもなく、庭いじりの趣味もないので、花の名は分からない。
 大ぶりのやや紫がかった厚い花で、重たげな首を細い茎が支えていた。
 花をじっくり見ていると、その傍の土がモゾモゾと動き、一匹の小動物が穴から出てきた。ネズミかモグラか、穴から出てきて外を見まわしている。

 よく見ると

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【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~結明神社と伊豆山本宮

【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~結明神社と伊豆山本宮

子恋いの森を抜けて、結 明神社へ

 白山神社から結明神社へと向かう。子恋いの森というロマンチックな名前を持つ公園区域を歩いていく。
 ここは中世のころからの景勝地という触れ込みなのだが、住宅地の近くでもありあまり美しさは感じなかった。しかし、歩いて気持ちの良い場所であることは間違いない。結明神社は、公園を抜けたところにあった。

 写真の通りあまり大きくないが、厳かな雰囲気であり、森を散策したカ

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【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~走り湯と白山神社編

【登山記】熱地獄よりイズる!伊豆山曼荼羅を巡る~走り湯と白山神社編

湯の出ずるところ 伊豆

 伊豆は、湯の出ずる処が語源という説がある。その湯の出ずる処といえば、この「走り湯」である。
 走り湯は、伊豆山神社の階段から、海に向かって下ったところにある。日本三大古湯である。

 車で行こうとすると少しわかりにくいが、伊豆山神社から下っていけば、迷わず、また直ぐにたどり着ける。
 走り湯の名の通り、横穴から熱水が走り出すように噴き出ている。その昔、役行者が伊豆に流さ

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【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その3~西永福大宮遺跡 

【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その3~西永福大宮遺跡 

 アースダイバーとなり、縄文の雰囲気を感じながら、東京の神田川沿いを井の頭線の明大駅前から吉祥寺駅まで遡った。吉祥寺で調べた、同じ井の頭線沿いにある西永福の大宮八幡宮を目指すことにした。 

市街地に突然現れる古代の杜

 大宮八幡宮の近くに大宮古墳があり、方形周溝墓もあったらしい。方形周溝墓とは、弥生時代の方形・長方形の墓だ。そこを今回最後の目的地とすることとした。
 西永福の駅に降りると、大宮

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【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その2~高井戸東遺跡と久我山稲荷神社

【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その2~高井戸東遺跡と久我山稲荷神社

白い巨塔は死のタナトス

 しばらく歩いてみることにする。高井戸・久我山方面に向かっていく。
 神田川沿いには多くの公園があり、球児が声援を浴びながら、練習をしていた。その箇所があまりに多いので、ずいぶんと野球が盛んな地区だと思っていたが、どうやらその理由は、この神田川沿いにある国学院久我山にあるのではないか。国学院久我山は、野球の強豪校としても有名である。

 高井戸駅に近づくあたりで、一際目立

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【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その1~高井戸 塚山古墳

【紀行文】アースダイバーは縄文を幻視して歩く その1~高井戸 塚山古墳

土地の古層を幻視しながら、東京神田川沿いを歩く

 中沢新一氏のアースダイバーを読んだ。

 最近、縄文人の考え方、その頃に人々がどのように暮らしていたか、そういったものがとても気になる。そんな時に出会ったこの「アースダイバー」。東京の大半は縄文海進といわれる海面の上昇により、関東平野のほとんどが海の底であり、その状況を現在の地図にトレースすると、神社や遺跡の分布と符合するところが多いそうだ。海進

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【随筆】浅間さんの不思議を考える 富士の麓に住まう人々への思い

【随筆】浅間さんの不思議を考える 富士の麓に住まう人々への思い

伊豆修験道と富士村山修験道

 熱海の伊豆山神社に詣でた時のことだ。朱塗りの社殿のある場所から、右手に奥まったところに資料館があった。そちらを訪ねてみると、小さいながらなかなか見ごたえのあるものであった。
伊豆山郷土資料館というのが正式な名前のようだが、そこには伊豆山権現に似た立像などがあった。解説を読んでいくうちに、伊豆一帯が「伊豆辺路」と呼ばれる修験道の聖地であったことを知った。
 伊豆一帯の

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【登山記】熱き水が海へ迸るから熱海! 岩戸山は修験道の聖地か⁉️

【登山記】熱き水が海へ迸るから熱海! 岩戸山は修験道の聖地か⁉️

熱海の岩戸山は、日金山と伊豆山の中間にある

 静岡県の熱海でもっとも有名な山は伊豆山権現としても知られた「伊豆山」であろうか、それとも十国峠で有名な「日金山」か。
 ほかに伊豆スカイラインのICから近い玄岳なども捨てがたいが、知名度から言うとやはり伊豆山に軍配が上がるのかもしれない。
 伊豆山は、伊豆山権現を祀り山岳修験道の聖地として、その名を知られた。別名「走湯山(そうとうざん)」ともいう。こ

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