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雑文

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胃袋の再編計画書

胃袋の再編計画書

 食べっこ動物を作業しながら食べる。しかし4時間以上かけてもまだ1/3ほど残っている。ぼくはお菓子をあまり食べない。珍しく食べると決まって食べ切れない。お菓子派の人とご飯派の人には海より深い溝がある。そして基本的にお菓子派の人の方がセンスがいい。お菓子派の人々は家族の政治、家族の時間から逃れているからだ。

 「ご飯」とは、まず家族の政治につながっている。養育者は「ご飯」を供給し、身体の組成をコン

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『沙耶の唄』における「出産」についての雑感

『沙耶の唄』における「出産」についての雑感

 毎回楽しみにしている面白コンテンツ、「闇の自己啓発会」(https://note.com/imuziagane/n/nbf13eabb5144)に感化されて『沙耶の唄』を再プレイしたところいろいろ再発見がありましたので、雑感を書いていきます。あくまで、美少女ゲームや思想を嗜む程度のワナビーによる「雑感」です。瑕疵があってもあんまりいじめないでください。やんわり指摘しもらえるのが一番嬉しいです。

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休憩室

休憩室

 今日で今の職場最後の勤務日。そして最後の休憩時間。休憩室の窓際の席。この職場の休憩室はとても大きく、沢山の椅子やテーブル、ソファが用意されている。窓際には一席ごとに衝立が立てられた個人用の席が並んでいる。テーブル席やソファ席は大抵の場合、正規雇用のスタッフや、非正規雇用だが正規雇用のスタッフと仲のいい人々が占領している。非正規雇用者や、社員のなかでも人間関係があまり良好じゃない人たちが窓際の個人

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本の身体/親の身体

本の身体/親の身体

 昨日届いた本と読み途中の本を一冊ずつ持ってきている。読み途中の本は文庫本で、昨日届いた本はソフトカバーの単行本。文庫本はカバーをつけたまま持ち歩いているけど、単行本の方は今日の朝カバンに入れる前にカバーを外してきた。
 ぼくはどうも昔から本のカバーとか帯とかというものが苦手だ。帯は真っ先に捨てるし、カバーも外して部屋に放っておく。するとすぐシワが寄ったり、折り目がついたりするので、そうしたら捨て

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設定、霊

設定、霊

 疲れた。でも特別なことではない。いつも疲れてるし。ぼくは疲れた、しんどい、という独り言をよくいう。同棲とかしたことないけど、もししたら同棲相手はうんざりする癖だろうな。
 この癖は、小学生の頃シャーマンキングの葉とか銀魂の銀さんとかジャンプの主人公っぽくないジャンプの主人公に憧れて始めた「設定」だった。加えて猫背、目つき悪いとかもこのとき自分自身に付加した「設定」だった、これ自体はむちゃくちゃイ

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らんらんるんるんくらんあいりーん

らんらんるんるんくらんあいりーん

 インディペンデントな人たちのレコードが届いた。徒歩で。ついにです。「うわ!部屋汚え!」つって部屋を盗撮して帰っていった。強盗かよ。
 
 とりあえず2ndを聴く。さっきまで自分がミックスした音源が流れていたスピーカーが別物に感じる。ミックスが全く違う。というか録音し直した?くらい違う部分があると思う。新しいミックス、ファシズムが一番良かった。良過ぎて泣いた。アウトロのボーカルの質感、空間の塩梅。

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ファミレス、成熟の外部

ファミレス、成熟の外部

 スカイラークグループが24時間営業を止めるらしい。この余波は大きくなりそうな気がする。いずれコンビニやカラオケなどにも波及するんだろう。リモートワークの拡大は生活時間の多様化どころか、一元化を進めたというわけだ。ほとんどの人間は進んで深夜に外出なんてしない(不要不急の外出!)。

 かつてコンビニ、ファミレスの灯りは、人間の生活時間の一元化に抗う、そんな力強い表現が似合わないくらい当たり前のよう

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人生B

人生B

  事前に約束したわけでもなく、元の職場の先輩と上司と飲むことになった。インディーロックの新譜を買う楽しみを教えてくれた人と、マライアやチャクラやハードコア、ジャパニーズニューウェーブを教えてくれた人。怖くて仕方がなかった人たち。怯えながら働いていた。叩かれながら色んなことを学んだ、いや強制された。それは「学び」などといって軽傷化されていいものではない。ぼくの身体の輪郭を傷つけられた。倫理的に許さ

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友達のZINE、広告から生活へ

友達のZINE、広告から生活へ

  この前友達のZINEを買った。それが良かったのでそれについて書いてみる。ちなみにここから購入ができます。

 さて、なんかすごいよくできてる。でも良くありそうっちゃありそうな表紙。そう「よくできてる」と「よくある」は極めて近い感覚。このZINEのデザインは「よくできている」。しかしこのZINEの構造はこの「よくできている性」を微妙に脱臼させる。

 このZINEは表紙にある通り、日記をその主題

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生命倫理についてのメモ、フォアグラ、カント、孟子

生命倫理についてのメモ、フォアグラ、カント、孟子

 急に生命倫理について考えたのでメモ。

 生命倫理における同一化の問題。例えばフォアグラ。フォアグラは動物愛護の視点から強く批判されるのは有名な話。そこでその議論の中心にあるのはその製造過程のグロテスクさ。拘束され強制的に餌を食わされるガチョウ。そこでの争点は「苦痛」。苦痛の問題。伝統的な哲学観でいうなら、動物は「水のなかに水が存在するように存在する」(ヘーゲル)とされる。動物は言語を持たないの

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楽チンぼくチン良い暮らし

「自主」は偶然性に弱い。それは原理的にそう。偶然性としてのインディーは、より強い偶然性としての自然災害にパワーで負ける。あるいは高次の偶然性で害を受けた国家に潰される。疫病が流行る。余裕がなくなる。そしたら余剰が潰され、槍玉に上がる。それに対して、マジョリティと同じにしろ、しっかりとした国家支援をしろ。国家に対して怒りをアウトソースする。おー楽チンですね。それはいい!マイノリティ面だけして、結局後

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天国が降ってくる

天国が降ってくる

 それ自体で自足する言語。意味の伝達のためではなく、つまり物を表象するのではなく、言語それ自体が戯れるためだけに編まれる言語、言語活動。かつて「テクストの戯れ」という概念が盛んに語れらた。それは言語が表象する現実が霧散したあとに残された唯一の「出来事」の表現である。アルファでありオメガである、言語。
 真理男は極度の未熟児で、生まれてすぐ保育器に保育される。結果、彼は母を母と認めず、電化製品を母と

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共産的御豆腐日記

共産的御豆腐日記

 全くもって気分が悪い。つい「京の石畳」などという、九つに小分けにされた京豆腐を買ってしまった。味はベタベタと甘く、食感は豆腐としてのプライド持たないくらいに柔らかい。消費量を上手く調節可能にし、より広い形で消費の促進を図る、なんとも下品なやり方だ。まとめて豆腐ハンバーグにでもしてしまおう。

 豆腐を箸で切り分ける、口に運ぶ。皿に残された豆腐の断面、そこにはなにがしかの倫理がひらめいている。皿の

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岡山旅行記

この『岡山旅行記』は2021年1月16日の岡山ペパーランドでのライブに向かう道中から、1月17日の帰路までをリアルタイムで加筆、更新した記録です。記録を終えた今、この記録はもう加筆されることはありませんが、そのような仕方で書き加えられた文章であると想像しながら読んでもらえたらと思います。

帯化/島崎

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今日は岡山でライブということで4時起き。紅茶とドーナツとシ

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