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大前研一 日本の論点2024-2025⑤:LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)の「経営の要諦」とは…?

読書ノート(164日目)
前回に引き続き
2024年の時事テーマとして
こちらの本を紹介していきます。

これがChatGPTには予測できない未来の思考法だ!
マッキンゼー伝説のコンサルタントが贈る、
希望を持って生き抜くための27の提言!

Amazonの本書紹介ページより抜粋

全部で27の提言とありますが、
この読書ノートではその中から6つの
トピックスを取り上げてみます。

第5回目の今日は、
数多くのハイブランドを傘下に持つ
「LVMH社の経営の要諦」についてです。

・新・世界一の富豪ベルナール・アルノーとイーロン・マスクの違い
・アメリカのブルームバーグ通信は世界富豪ランキングを
  毎日更新しており、2022年12月13日、高級ブランドで有名な
  モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)のベルナール・アルノ―会長
  が保有資産役1708億ドル(約23兆円)で1位となった

・それまではテスラ創業者であるイーロン・マスク氏が
 世界富豪ランキング1位だったが、わずか1年余りで2位に転落した
・その原因は、資産の大部分を占めるテスラの株価が
 2022年の1年間で約65%下落したこと
・EVに対する見直し(充電の問題、雪害や地震などの災害への弱さ)が
 世界的に進んでいることと、イーロン・マスクという”経営者”本人に
 対する疑義がある
・技術は先進的になればなるほど人を不安にもさせる
 たとえば自動運転も完全自動運転のレベル5になれば、
 「変人奇人のイーロン・マスクが開発したシステムなど信用できない」
 という声が続出するおそれもある
・この壁を乗り越えて社会に受け入れられるには、
 技術以上に”人”の問題が重要
・要は「あの経営者は人格者だから信用できる」と思われないとダメなのだ

・ベルナール・アルノー氏本人に聞いた経営の要諦
・1990年後半、ナイキの社外取締役としてグローバル化の手伝いを
 していた際、創業者のフィル・ナイト氏から
 「これぞグローバルという会社を案内してくれ」と頼まれた
・そこでロイヤル・ダッチ・シェル、ネスレ、LVMHの3社を一緒に訪問
・アルノー氏の会長室は、中に入るとグランドピアノが置いてあり、
 アルノー氏自身も立ち居振る舞いがエレガントで思慮深い経営者であった
・アルノー氏から教えてもらった買収戦略の要諦
 「私たちにできるのは経営であり、クリエイティブではありません。
  逆に優れたクリエイティブを有するブランドは、経営を苦手としている
  会社が多い。そうした会社を買収して、その日のうちに財務・経理を
  送り込んでお金の流れを押さえます。
  しかし、クリエイティブにはタッチしません」
・たとえば、LVMHのマーケティングではグループとして飛行機の
 機内誌の広告を何ページも買上げボリュームディスカウントを受けるが、 
 広告として出すのは各ブランドで、LVMHはその内容にはタッチしない
・経営と各ブランドで役割を明確に分け、互いに侵さないこと
 LVMHが成長した最大の理由はここにある

・その後、ナイキはインラインスケートやビジネスシューズなどの
 分野でいくつも会社を買収したが、派遣した経営者は買った会社を
 ”ナイキ化”してしまい、その結果ほとんどが失敗に終わり、
 本当に必要な事業は結局ゼロから自分たちでつくり直す羽目となった
 という後日談がある

・実は松下電器(現パナソニック)も買収で大きくなった会社である
・冷蔵庫は中川電機、ファクシミリは寿電機、自転車は宮田工業というよう
 に、筆者がコンサルタントとして関わっていた当時、
 売上の半分以上は過去に買収した事業から上げていた
・松下の買収法はLVMHと同じで、買収したら泣く子も黙る鬼の経理マン、
 高橋荒太朗の門下生を送り込み、まず経理を握る。
 それから販売権も握り、全国一律の家電販売網・貴殿販売網で販売する
・しかし開発や生産は、買収先に任せて口を出さない
・家電量販店の時代が来るまで、
 国内はこの方程式で非常にうまくいっていた
・松下幸之助は「経営の神様」でもあり日本の「買収王」でもあった

今日はベルナール・アルノー氏が
率いるハイブランドグループ
LVMHの経営の要諦についてでした。

「経営と各ブランドで(得意分野の)
 役割を明確に分けて互いに侵さないこと」
そして、その経営とは「財務を握ること」
というシンプルな教えですが
具体的に、どの領域を任せて、
この領域は任せないのか?
という線引きが気になりました。

例えば人事部ひとつを考えてみても、
・人事部は各ブランドごとに管轄なのか
 それとも本部の人事権が強いのか?
・ブランド間での人材の異動は少ないが、
 経営人材に選ばれると各ブランドの
 ことを知るために、敢えてブランド間の
 異動をさせて経験を積ませるのか?など…

LVMHに関する本は多数出版されている
と思いますので、機会をつくって
そのような視点でも読んでみたいと思います。

ということで今日はこの辺で!
それではまたー!😉✨

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