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読書116 『終末のフール』

     伊坂幸太郎著

「八年後に小惑星が衝突し、地球は滅亡する」と、宣言された。人々は絶望からパニックに陥り、治安が悪化した。
五年後、ようやく落ち着き、今は平穏を取り戻してはいる。
しかし、余命三年という限られた時間。そんな中で、人生を見つめ直す短編連続集

•週末のフール
自分の言動が原因で息子が自殺したことを、娘に責められ続ける父親。

•太陽のシール
ようやく子どもができたが、三年の命とわかりながら産むべきな悩む夫婦。

•籠城のビール
妹を死に追いやった男を殺しに行く兄弟。

•冬眠のガール
やりたいこと三つを三枚の紙に書いたものを貼り、できたらはがすことをしている女性。足りないものは?

•鋼鉄のウール
黙々と練習を続けるボクサー。

•天体のヨール
「落ちてくる小惑星を望遠鏡で間近に見られるなんて」と興奮する天体好きの同級生。

•演劇のオール
混乱状態のときに、家族を亡くした人たちに家族を演じる女性。

•深海のポール
大洪水に備えて櫓を作る父親。

今日生きることの意味とは?
終末を前にした人間にとっての幸福とは?
(公開されている情報)

おそろしくて残酷な話でありながら、生きること、大切なことについて考える内容でした。
八話の短編ですが、前の話に出ていた人の、その後にも触れています。

あきらめの気持ち、やり残したこと、後悔、気づいたこと、さらには希望、生きるとは?など、大切なことに気づかせてくれるきっかけがたくさんある内容でした。

パニックの時期のことは、回想として淡々と語られますが、それは、あまりにも壮絶です。残された人たちの苦悩。それでも、さまざまなことが見えて意味を見出す過程に、おすすめポイントがたくさんあります。

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